「お母さんにお弁当作って貰えないの? 愛されてないんだwwww」

高校の時、一緒にお弁当を食べるグループの中に
一人だけ男子のA男がいた。
A男はいつもウィダーのパチモンみたいなゼリー飲料か、
林檎丸々一つだけ持って来ていて、
昼休みいっぱい使って飲んで(食べて)た。

皆「お腹空かないの?」と聞いていたけど、
一人だけ「お母さんにお弁当作って貰えないの?
愛されてないんだwwww」と馬鹿にする女子B子がいた。

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A男はB子の嫌味をにこにこして受け流すだけだったけど、
どれだけ周りが諌めても
「だって本当のことだしー」
と悪びれないB子に、遂に行動を起こした。

ある日、立派なお重を抱えてきたA男。
中には色とりどりの和食おかずが詰め込まれていた。
賽の目状に区切られた白米とお赤飯なんて初めて見たよ。

運動会に持ってくるような立派なお弁当を前に、

「君(B子)のお母様は凄いなぁ、
毎朝こんな面倒なことせられんわ。
君はよっぽどお母様に愛されとるんやなぁ」

といつものにこにこ笑顔で
言われたB子は黙りこんでしまった。
そりゃそうだよね、毎日冷凍食品の話してればね……
A男にお裾分けしてもらったたこの唐揚げは
とても美味しかったです。

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その後、お弁当凄いね!と声を掛けたら、
「まぁ本当は僕が作ったんだけどさ」と言われた。

「僕の母に料理なんてさせられんよ、
目玉焼き一つ作れんのに。
うちでご飯作るんは僕やけど、
それで愛されてへんとか決めつけられたくないわぁ」

「僕食べるの遅いし、ウィダー安いし、朝眠いし、もうやらん」

と次の日からはまたウィダーに戻ってたけど、
B子の自慢癖も鳴りを潜めたので、
卒業までA男には感謝しっぱなしだった。

そんな料理上手男子のA男の武勇伝でした。

あ、A男の京言葉はうろ覚えなので
多分偽物です(自分は関西圏ではないので……)。

ちなみにA男が今の私の旦那……となっていたら
良かったのですが、
彼は年上のキャリアウーマンと結婚し
て今は主夫をやっています。

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