高校の時、同じクラスのAの家に子犬がうまれた。
隣のクラスのBが欲しがって、一匹貰った。
一年後、BはAに大きくなった
その犬を返しにきた。
Bは特に問題のある人ではなかったし、
AはBに犬を引き渡すとき、
里親会のような誓約書も書かせていた。
勿論親同伴、判子付きで。
当然A一家は誓約書を見せて激怒したが、B一家は
「自分達はパピーのようなもの、
子犬の時だけ面倒を見たかった。
大きくなったら散歩出来ないし
思ってたのと違ってた」と悪びれず。
結局A一家は再びその犬を育てる事になった。
幸い犬は可愛がられていたようで元気、
久しぶりに会う親犬に歓喜。
当然ながらBは
学年中からブーイングを浴びた。
しかし本人はケロリとしたもの。
自分の思い通りになったんだもんね。
私やAはちゃんとBに「しね」と言っておいた。
で10年以上経って現在30才でして、
お正月に実家に帰った時に
久しぶりにプチ同窓会をした。
既婚あり未婚あり子餅小梨バツイチ、色々いた。
そこにBもきた。
Bは高校生の頃から
東大卒のイケメンエリートと付き合ってて
親公認で、大学卒業と同時に結婚すると言っていた。
付属の女子大に進んで
就職活動もしなかったし働いてなかった。
家事手伝い。
花嫁修業。
ところが27くらいの時に
その彼に捨てられたんだそうだ。
婚約してる訳でも同棲してる訳でも
なかったので慰謝料無し。
ショックで数年メンヘラになって
今ようやく復帰したそう。
女の一番良い時を吸い取られた、
元彼に復讐したいとか
そんな事をグダグダ言っていたので、つい
「B、自分が犬にした事と
全く同じ事されちゃったねww
可愛い時だけ一緒にいて、
年取ったらもういらないってww
若くて可愛いうちは良いけど
人生の面倒は見たくない、
一生一緒にはいたくないって
親元に戻されたwww」
って口を滑らせたら、
周りからとってもウケたよ。
Bは「犬と人間は違う!」
と怒っていたけど、周りの犬飼い達から
「犬は可愛い時だけ一緒にいて
大きくなったら捨てていいけど
人間はそうしちゃ駄目ってこと?
なんで?何様なの?
むしろ、犬はいきなり捨てられたら
しんでしまうかもしれないけど、
人間は生きて行けるでしょ。」と言われ、
人間は大切にされるべきなんだとか
犬畜生と違うとか喚いていてた。
私とAはご飯が美味しくてたまらなかった。
心からBを慰めてあげたくて
更に話を聞いてたら、
本当にあの犬事件が
切っ掛けで捨てられていた。
Bはあの犬(メチャカワ)と
自分の写真をたくさん撮っていた。
それをスマホに入れたり
家に飾ったりしていたそうだ。
エリート彼がB家に来た時に
その写真について聞かれ、
エリート「昔飼ってた犬?」
B「うん、高校生のとき」
エリート「しんじゃったの?」
B「成犬になったので持ち主に返した」
と馬鹿正直に答え、親と一緒になって
経緯もしっかり話したらしい。
それを聞いてエリートは
「考えさせて欲しい」と去り、
それっきりになったそうだ。
一応別れの理由も話してくれて
「前から思っていたけど、
犬の話を聞いて確信した。
Bの家と僕は合わない、
Bの家の考えと合う人と付き合ってくれ」
って言われたんだって。
可哀想に可哀想にB。
職歴資格なんの経験もなしの
無職30代になってしまった~。
私とAとその他犬飼い達は改めて
「Bが高校生に時に犬にした事と全く同じだよ」
と言った。
Bは「あれはパピーだって言ったじゃん!
それに可愛がったよ」
と言うので
「元彼もBを可愛がったでしょ?
パピーだったんだよw」
と返したら
「一度縁を持ったら
最後まで責任を持つべきだよ!!
若い良い時だけ一緒にいて
年取ったら捨てるなんて最低」と喚く。
「だからそっくりそのままBがした事でしょ」
と言った。
ようやくBはぐぬぬとなったが、Aには謝らず。
犬飼い達が犬画像自慢をしている所に入ってきて、
「可愛い~また犬飼いたい」等と言うので
その場にいた全員で
「それで又飽きたら捨てるの?
誰かに押し付けるの?」
「Bには動物飼う資格なんか無いよ、
二度となにも飼わないで」
「全犬がBの事大嫌いだと思うよw
犬ってそういうの分かるからw」
「そういう意味では破談になって
良かったんじゃないかな!」
「Bはお人形とかルンバにしなよ~」
「可愛くなくなったって理由で
捨てる人に生命体無理!」
「自分自身が同じ事されたから
今は気持ち分かるでしょ~」
などと、分かり易く言ってあげた。
Bは激怒して帰って行った。
後日談として、
B親がうちの親に会った時に
(近所に住んでる)
この同窓会のことを愚痴ったそう。
で、うちの親が
「わんちゃんを可愛くなくなったら
捨てるなんて事したから
報いが来たのかもしれないわね~」
と言ったら、
B親「いやだ捨ててないわよ、
Aさんに返しただけ」
母「一生面倒見るって
誓約書に判子押したんでしょう?」
B親「それはそうしないと貰えないから」
母「嘘をついたの?
最初からそのつもりでAさんを騙した?」
B親「騙すだなんて。犬くらいでおおげさ」
母「もしAさんが引き取れないって
言ったらどうする気だったの」
B親「えっ」
母「一年も経ったら事情が変わるもの。
引き受けられないって言われたら、
どうするつもりだったの?」
B親「Aさん無責任だと思うわ」
母「誓約書に判子付いてるのよ、
無責任なのはBさんよ?
もうAさんの責任ではないのだもの」
B親「…然るべき場所にお願いするわ」
母「彼氏が逃げ出す訳よね~~~
命をなんだと思ってるの?
怖いわあ!
自分達の楽しみに為だけに犬の命をねえ…。」
という会話があったそうだ
(会話は母の伝聞でだいたいです)。
B親はBの就職やお見合いを
頼みに話しかけてきたようだけど
(うちは地元で手広く商売してる)
絶対無理だから。
ちなみに私がここまで
Aに同調してキレてるのは、
私もA家でうまれたワンコを
一匹貰っているから。
うちの犬も、Bが突き返した犬も
まだ生きてるしむっちゃ可愛い。
むしろ可愛さは年と共に増すばかり。
実はBが可愛い~と言った
犬画像にはうちのとBが捨てた犬も写ってた。
人間はどうか知らんが、
犬猫は老いても可愛いばかりだよ。
馬鹿が。