フラれた女からの電話にドキドキしながら出ると、おっさん「弁護士だが」

冤罪を吹っ掛けられたけど
手元に反論材料があったので即撃退できた修羅場。

仕事の都合で数ヵ月だけ京都に住んでた時、
飲みに行ったバーでとある美人と知り合った。
すごく可愛い。もう一目惚れ。
性格や会話の口調も快活で趣味も合った。
頻繁にバーで一緒に飲んだし、
デートと言えるかわからんが
ちょっと二人で出かけたりもした。

だが俺が地元の北海道に戻る時が近づき、
ちょうど彼女も近い時期に四国の実家に戻るらしい。
離れる前にダメ元で告白した…が
やんわりとお断りされた。
俺も相応に凹んだが、仕方がないと思い地元に帰った。

彼女のメアド携帯番号などはそのままだが
離れる際にフラれたという気まずさから
それ以降連絡はしてなかった。

そのまま半年近く普通に仕事をしていると、
珍しく彼女の番号から電話があった。

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まさか予想外の電話にドキドキしながら出ると、
オッサンの声で
自分はあの彼女の叔父で弁護士をしている。
この番号は俺で間違いないか、
込み入った話になるが今話せるかと言ってきた。

それに応じると、
何でも彼女が実家に戻ってしばらくの間、
彼女にフリーメアドから
しつこく交際や干渉するメールが来たり
家や職場、あるいは出かける先に
不審な男が頻繁に付いてきたりすることがあったらしい。

へー美人だったしそういうやつが出るのは
おかしくないけどそりゃ許せんなーとか思ってたら
そいつはマスク類で顔は隠してたが、
体格が俺に似ていたらしくぶっちゃけ俺だと思われていた。

怯えた彼女が友人や親族に相談し、
ストーカーを逆に写真取ったりして
つきまといの証拠を集めたが
明確にストーカーの素性はわからんかったが
状況的に俺しか心当たりがなかったらしい。

これは後で知ったが、彼女なりの優しさで
真っ当な仕事に付いてる俺をいきなり警察に訴えて
人生を破滅させるのはまだ忍びないと思い、
説得で辞めてくれるならそれで良い。
それでも聞かなきゃ容赦なく警察沙汰でいいと
彼女が強行に主張し、
でもそれで直接彼女が電話したら危険なので
叔父を間にたてたそうな。

そういや最近facebookとかが
全く更新されてなかったがありゃ制限くらってたのか。
正直なところベタ惚れして
まだ思い出すとむねが切なくなる女性に
実はストーカーと思われてたのがショックだったが
とりあえず自分の火の粉を振り払わねば。


「私をストーカーと考えてるのであれば
『彼女に替わってくれ』とは言えませんが
おそらくこの通話を彼女も聴いているか、
少なくとも叔父さんが何か不審点があれば
すぐ彼女に確認ができる状況ですよね?」

叔父
「ええ…そうですね」


「あなたが本当に彼女の叔父で、
あなたの言った事実が本当かわからないので、
彼女が俺について知ってる事実を質問しますので
答えてくれますか?」

叔父
「なるほどわかりました」


「じゃあ私の職業と職場はわかりますか」

叔父
「(即答)はい、
○○基地所属の自衛隊員と聞いています」


「その通りです。現職の自衛官です」

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叔父
「……(国民を自衛官が
なにやってんだと思ってたらしい)」


「私は営内者といい、
いわゆる基地内の寮に住む義務がある隊員です。
毎回仕事の後も四人部屋で
回りに顔見知りが大勢いる寮で暮らしています。
毎朝と毎晩点呼をして寮内にいるかを確認され、
勤務時間外に基地の外へ出るには
常に事前に申請を必要とし、
急な呼び出しに応じられないような
遠くへ行くときはさらにチェックが厳しくなり、
その上でも基地を出た時刻と入った時刻は
分単位で記録される暮らしをしています」

叔父&彼女
「!!?!!!?」


「彼女さんには『こんなに面倒くさいんだぜー』と
ちょっとなら話した記憶がありますが
北海道でこういう生活をしながら
四国の彼女さんを家や職場へしつこく追跡していたと
彼女さんが考えて、
こういう電話をしてきたというわけなのですか?」

彼女
「(そういえばそんなことを言ってた…)」


「今の状態では公文書に近い扱いなので
外部に出せませんが
もし私が警察等にストーカーで訴えられれば、
基地司令や隊長の公印が付いた
休暇や外出申請の書類や
私と利害関係の無く日替わりで交代する隊員が
記録した点呼や基地の入出門記録を
アリバイとして提示します。

また彼女さんがフリーメールでメールを送られてる件も、
私がそれをしてない証明はできませんが
それも警察が動けば確認できるでしょうし、
私はむしろ潔白を証明できるために
警察に通報を要望します」

叔父・彼女
「………」


「私が彼女さんに交際を申し出て
断られたことは仕方ないのですが
恋人でも良き友人でもなく、
ストーカーと認識されていたことは
とても心外で悲しいです。
とはいえ彼女さんには一刻も早く問題を解決して
安心して暮らせることを祈ります」

彼女
「ご…ごめんなさい…」

後は話が速かった。
速攻で通報と本気調査してストーカーを排除した。

犯人は俺らが京都にいたときから
彼女に惚れてストーキングし、
個人情報を盗んで四国まで追いかけていたそうな。
そいつは彼女に一目惚れしつつも
俺みたくアプローチをかけたり一切しなかったため、
彼女は俺が自分に好意を持っていることは気付いても
別にもう1人いるとは気づきもしなかった。

俺や他の人間が彼女のそばにいた京都では腰が引けて
こっそり彼女を尾けるに留め、
なまじそいつの体格が俺に似ていたため
彼女から見れば
俺さんがまあ紳士的に話しかけて仲良くなるものの、
ある時期からは紳士的に振る舞いつつも
裏で俺が彼女のアパートまで尾行してくるように
見えたわけだ。

道理で妙に告白前後に警戒されてると思ったよ。
京都にいたときなら俺もある程度自由に動けたしな。
本当に美人は色々大変なんだと思った。

一度だけ彼女が北海道に来て懇切丁寧に謝ってくれた。
相変わらず可愛いなちくしょう。
俺と付き合わないならいいから
とっとといい男見つけて幸せになればいいのに。

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