大学を卒業後に入社した会社の修羅場
俺が入社して1年ほどたったある日
社長が突然亡くなってしまった
その後同業他社で働いていた息子が社長を引き継いだ
うちの会社で要領がわからないので
専務に色々聞いてやっていたのだが
専務は 「こんなこともわからんのか!」など
俺が社長だったら心が病むぐらいの罵声を毎日
専務は若い社長に浴びせていた
ある時営業から帰ってくると
社長が一人で機械を動かしていた
珍しいこともあるなと思い
声をかけた時泣いているのが分かった
「この機械を明日一番に納品しないといけないのに
専務たち会社をやめちゃったんだ」 といった
いったい何が原因なんだと思い専務に電話をすると
・馬鹿な社長について行くのがアホらしい事
・会社を辞める事は前から決まっていた事
・自分の会社を作り今の会社のベテランが全員
そこに就職する事が決まった事
・お前ら若造は勝手にしろと捨て台詞をはいた事
という事が分かった
慌てて先に帰った工員たちに連絡をして
夜通しでなんとか機械を納品できた
それからしばらくした後
突然専務は会社を辞めて自分で会社を興した
さらにうちの会社の人員をほとんど引き抜いてしまった
あとに残ったのは
社長と俺を含めたったの5人で全員20代
それからが大変だった
顧客を元専務に奪われるわ、
製品の不良率が大量発生するわ
連日社長が銀行に行っても
なかなかお金を貸してくれないわ
給料が半分以下になるわと修羅場が続いた
今ではそれらを乗り越えて以前より会社は大きくなった
この間の忘年会で社長が
「あの修羅場があったからこそ俺は成長できたもんだ」
としみじみと語っていた
専務の会社は潰れてないよ
ただ超低空飛行が続いている状態
組合とかで元専務が
うちの社長がいる前で他の人たちに
「うちはあの若造の会社と違って技術が高いから・・・」
とさんざん嫌味をいっていたのを覚えている
でも技術力ばかりを強調して
トレンドを軽視していたために
だんだんと顧客が逃げていったんだ
元専務は反対はしなったが
「今の社長はぜんぜん使えない。
俺が社長になったほうがまだまし」
と元専務が冗談半分で言っていたのを
ベテランの社員たちがさんざん持ち上げたため
独立を考えたという話を聞いた
その結果が今の状態なので元専務の会社をやめ
再びうちに戻ろうとした社員もいた
正直また同じところで働くことができると
なぜ考えられたか不思議でしょうがない