就職氷河期だったころ金髪で金のネックレスした社長の会社に入社した

自分が大学就活中だった数年前はちょうど
就職大氷河期と言われ始めた頃で、
一つ上の学年が内定取り消しとかくらったり
就職留年が出るほど不景気だった

でも自分は高校のときから続けてた
バイト先のオーナーから店を持たせてくれる話
だったから正直安穏としてたし、
周りからも羨ましがられてた。
むしろオーナーの片腕的な仕事もしてたから
ちょっと鼻が高くなってたのも否定しない。

順調に店の構想とか立地場所とかを
バイト終了後夜中の2時3時まで話し合ったりしてた。
ただこれが大学4年の冬に急に頓挫。
店を持つどころか今してるバイトすら辞める事態に。
このとき目の前真っ暗になったね。
急にすべて失ったような気になった。
バイト先のみんなとも仲良かったのに
急にお別れで本当に本当につらかった。
オーナーを恨んだりもした。
これも修羅場だがまだ本格的じゃない。

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大氷河期の就活で大学4年のしかも冬。
就活なんて終えてる人も多くて
みんな卒論に必タヒな時期だった。
周りの友人も大変な就活をみんな乗りきっていて
気づいたら自分だけ卒業後の仕事を失って
なにも決まってない状態だった。
愕然としたがなにもしないわけにいかないし
とにかく就活を!と思ったが
もうまともな企業は新卒募集なんて打ち切ってたんだよね。
たまに面接行っても今まで就活はしてきたんですか?
と質問されても答えられない。
今まではご縁がなくて…とも正直にしてきませんでした、
とも言えない。
言っても受からないしそんな受け答えで受かるほど甘くないわけで。
このとき人生摘んだと思いました。
親には「オーナーなんか信じるおまえがバカだ!!」
って怒鳴られるし。
そりゃないよ母ちゃん…

もうフリーターでもいいかもしんない…
とバイト時代のコネを使って同業者の店
で働いたり全然毛色の違う店でバイトしたりしたんだけど、
まったく続かなかった
高校のときから働いてたバイト先の

感覚に慣れてしまっていてまったく馴染めなかった。
というかまだ元バイト先に未練たらたらで
自分の店を持つとかそんなんどうでもいいから
ゴタゴタする前のみんなが仲良かった
昔のバイト先に戻りたいって本気で思ってたんだ。
絶対無理なのもよくわかってたんだけど。

まぁ戻るわけにもいかず気持ちは未練がありつつ
適当かつ真面目に就活してたら
新し目な若い企業がanとかそんな
求人サイトで新卒募集してて、
希望職種だったのもあり応募してみることにした。
場所は新橋。自宅からも近いし理想の求人だったんだよ。

まぁ普通の求人サイトからだから企業に電話→じゃあ履歴書持っていついつの何時に当社に来てくださいみたいな普通の流れ。

新橋のでーっかい有名病院の裏の雑居ビルの一室の会社。

で面接に行くともう卒論提出したくらいの
時期なのにめっちゃ人いるのよwwww
同じような就活生がww
せまいビルの一室に就活生がGのようにわんさかww
正直うわぁ…って思ったww
みなさん今までなにしてきたんですか?
みたいな面接官よろしくなセリフが頭を駆け巡ったねw
面接待機中は仕切り板ごしの椅子で
待たされるんだけどみんな必タヒだし、
自分も負けらんないなーくらいに緊張してたと思う。

まぁこっからが本番なんですけど。

まぁ普通の求人サイトからだから
企業に電話→じゃあ履歴書持って
いついつの何時に当社に来てくださいみたいな普通の流れ。

新橋のでーっかい有名病院の裏の雑居ビルの一室の会社。

で面接に行くともう卒論提出したくらいの
時期なのにめっちゃ人いるのよwwww同じような就活生がww
せまいビルの一室に就活生がGのように
わんさかww正直うわぁ…って思ったww
みなさん今までなにしてきたんですか?
みたいな面接官よろしくなセリフが頭を駆け巡ったねw
面接待機中は仕切り板ごしの椅子で
待たされるんだけどみんな必タヒだし、
自分も負けらんないなーくらいに緊張してたと思う。

でさ、面接で次の方ーって呼ばれるじゃん?
でさ、失礼しますって入るじゃん。

面接官見て目ぇかっぴらいたのよ。
だって金髪で金のネックレスした
30前後くらいのが出てきたんだもんwww
いくら若い企業だからってこれは…アリ、なのか!?
って内心おいおいおいって思ってたわ

しかも挨拶を聞くとどうも社長らしい。
こういう社風なのか!じゃあ自分も変な規律に
縛られないかも!なんて1割くらいしか思わなかった。
ちょっとまずい会社なのか?って思ったけど、
でも就活生はわんさかいるし、
みんな受けるってことはそんな変じゃないのかなぁ?
って頭んなかぐるぐるしてた。

でさ、面接してると、社長これがいい人なんだよ。
君いい人材だよ!君みたいな性格なら是非来てほしい。
今回応募してくれたこっちの職種もいいかもしんないけど、
こっちの職種も同時に募集してるし、
こっちのほうが君に合いそうだからもしよかったら
どっちもに募集しない?まだ他にも
面接しなきゃいけないから今すぐに
どっちに合格とは言えないけど、
絶対にどっちかに合格させるよ、
みたいな感じで言ってくれたのよ

是非うちに来てくれ的な。
え?あ、はぁありがとうございます
みたいな返ししかできなかった気がする。

社長は見た目はあんなだけどちょっと安心したのは事実。
就職浪人なんて嫌だったし、とりあえず決まったのかな?
なんて悠長なこと考えてた。
今思うとアホなんだけど。

案の定合格してたようで事務と
思われるおねーさんから電話がきた。
ただ不可解なことを電話で聞かれる。
「こっちの職種とこっちの職種、どちらがいいですか?」
電話口で面接のときに言われた同時に
応募するってゆーあれのことだろうけど、
普通企業側が決めるもんじゃないのか?
思わずえ?どっちか決めていいんですか?
と聞いてしまった。

おねーさん「たぶんこっち(社長が勧めてきたほう)の
職種だと思うんですけど…」
『あ、そうですか。じゃあそれでいいです』
なんてなんとも間抜けな会話だな。
このとき最初から自分が希望してた職種にすりゃよかったと思う。
んで後日入社式?入社説明会?的なことを
するからまたいついつに来てくれ、
ということでちゃんと職につけれてすっげぇ安心したんだよ。

で説明会当日に面接した雑居ビルの一室に行くと
すでにもう一人合格したんであろう男性が座ってた。

でも始まるのを待ってる間一言も交わさなかったな。
話しかけてもよかったんだけど、
向こうも緊張してるのかうつむいてるし、
その間会議室とプレートのかかった
部屋にいかついオジサマがドカドカ数人入ってきて
「沖縄が…!」「買わないと…」みたいな会話が飛び交ってた。
喧嘩してる訳じゃないけど焦りぎみで
5、6人が会話してるのがわかってなんか変な雰囲気だったから。

そうしてる間に金髪社長が登場。
相変わらず眩しい人だ。色んな意味で。

で、すっごく簡潔に社長の話を書くと、
うちは金を動かす会社だ、と。
募集要項とちがーう?と内心思ったけど
今の時代は衣食住だけでは生活できない、
じゃあ何が必要か。
衣食住を得るために必要な金がなにより必要だ。
金は物やサービスを得るための手段でしかないが、
その手段を必要としている人に提供するのが仕事、らしい

最もらしいこと言ってるような気もするし納得した!
ってフリをしていたが内心「?????」だった。
きな臭い話になってきたぞおい…って感じだったと思う。

で、よくよく話を聞いてみると働く場所は
新橋ではなくて水天宮で、君たちはT社という
会社で営業として働いてほしい
って言われる。

はぁ?話違くない?
金髪豚やろうとは言えず、雇われた身は従うしかない。
営業を派遣する会社だったのか…?とか
色々謎に思いながら明日から水天宮に行ってくれと。

水天宮の会社の場所は明日T社の者が案内するから、
水天宮駅に一番近いセブンイレブンで
何時に待ち合わせだ、と言われる。

もうはぁ???しか出ないね。
なんでよりによってセブンイレブンなんだよ!?とも言えず。
直接会社の住所とか地図とか渡してくれればいいじゃん?
もう内心すっごい不安に思ってた。
がすでに大学は卒業してた身でせっかく決まった職を
手放すわけにもいかずとりあえず従うことにした。

んで当日水天宮駅に一番近いセブンイレブンに時間の
15分前にはついて待ってたけどだーれもこないのよ。

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昨日いた一緒に合格した男性すらいない。

時間が5分すぎて誰もこないので会社に電話。
このときT社の番号は知らなかったので新橋のほうに
電話したが誰もでないんだよ。

15分すぎたあたりでおかしいぞ…もう普通の企業なら
始業時間もすぎてるはずだ。おかしいぞ…!
と思いなぜか母ちゃんに電話。

待ってたけど誰もこないし、
電話もでないからもう帰ってもいいかね?って言ったら
うん、もう帰ってもいいんじゃない?と当然のように言われたので、
もう一度会社に電話して誰も出なかったら帰るわ、
と告げ会社に電話した。

おねーさんが出た!!!!

おねーさん「…はい(会社名も名前も名乗らず)」

『もしもし、前日入社した〇〇ですが、
今日水天宮のセブンイレブンで待ち合わせな
はずなんですが誰も来ないんですが…』
おねーさん「はあ、では担当に連絡してみます」(基本やる気のない対応)

んですぐにT社担当とやらから連絡がきた。
どうやら違う路線の水天宮駅に
一番近いセブンイレブンだったそうで。
内心知らねーよ!って思ったが間違えたことを謝ってすぐ合流。
40後半くらいの仕事慣れたうだつの上がらない
感じのおっさんがきた。

で水天宮の雑居ビルが
立ち並ぶビルの一室に通されると
これまた20代後半くらいのチャラい兄ちゃんが
ここのリーダーらしい。
同じフロアなのに違う会社の人がいて
T社は自分含め7人しかいなくうち3名はおばちゃん。
昨日一緒だった男性もいた。

でなにをするかっていうと自己紹介は
すぐ終わりパソコンが一台もないデスクの席についた瞬間
バサッとン百枚はあろう名簿を渡される。

名前住所電話番号だけが一通りのった紛れもない名簿だった

え?と思ったら一枚の紙に要約された
電話対応マニュアルを渡され、とにかく電話して。
と冷たくいい放つチャラ兄。

とにかく紙の通りにやればいいから。
たくさん電話すりゃいいからとのこと。

はぁそうですか…
とマニュアルを見るとどうやら
自社商品のパンフレットを送るための営業マニュアル。

ただその商品が会社の負債なのよ。
しかも客には国債などの案内で〜と言って電話をかける。
名簿もコピー用紙にずらずらと個人情報が
書いてあるだけでなんというか素人が作った感満載。

これは…やばい案件です本当にありがry

で、業務中優しい隣のおばちゃんに
この名簿に乗ってる人たちってどうやって
集めたんでしょうね〜と何の気なしに聞いてみたら
「だいたいは昔株や有価証券で失敗してる人たちなのよ〜」
と悲しげな顔で言ってた。

この時点でまだ昼過ぎだったが完全に詐欺です本当にあry

で、一緒に入社した男Aがとにかく頑張りやで、
ヤル気満々って感じでとにかくめちゃめちゃ電話すんのよ、
パンフレットを送るには客が承諾しなきゃいけないんだけど、
客の承諾とれたらすっげぇ嬉しそうで
周りのおばちゃんやおっさんもすごいねA君!とはやし立てる。
自分は内心いやいやいや、みんな気づいてないの!?
この仕事おかしくない!?と思ってたが言えず。
おばちゃんの中には「この商品(負債)いいわよ〜
絶対儲かるようになってるし〜」なんて言ってた。
その手にはのるかBBA!!と本気で疑心暗鬼だった今でも
BBAが会社の回し者なのか、
それとも自分みたいにただの雇われで
負債が儲かると思ってたのかわからない。

とりあえず無事にその日は終了したので
同期Aと駅まで帰ることに。

A曰く「自分は大学中退して長く引きこもりだった。
このままじゃダメだって思って職を探したらなんとか
見つけられてよかった」みたいなことを言っていた。
だからあんなに頑張って電話してたのか…泣けるぜ

でも詐欺ですそれ
もう帰宅して即親に
『この会社おかしい…そもそも雇用契約書も書いてないし
給料の振込先や雇用規約すら見てない…絶対おかしい』
と社長が金髪ネックレスだったことから全部話す。

もう辞めといたら?絶対変と言われ
パソコンでT社を調べたら
その会社は存在してない、
と某知恵遅れに書かれているのを見て愕然。
自分の今日やった仕事も含め存在しない会社なんて
やはり詐欺だ…!!自分は詐欺の末端で詐欺がばれたら
罪を押し付けるために雇われたスケープゴートだ…!

T社のチャラ兄に電話し雇用契約書を結んでくれ。
給料の振込先を書くのに通帳も必要だろうから通帳を持っていく、
書類を用意してほしい。的なことをすんごくソフトに伝えた。

次の日もちろん会社には行きませんでした。

で次の日会社に行くかわりに行ったのは近くの警察署。
幸いマニュアルやパンフレットを持って帰ってたから
見せたら最初はちょっとグレーな会社くらいで…
って感じであしらわれてたけど
警察もパソコンでT社を調べてから態度一変。
水天宮のほうの警察と協力して捜査してみる。
ただ捜査状況やその後のことを聞かれても
あなたには教えられない、と言われた。
その後金融庁に電話。
自分の就職した会社が国債と謳った詐欺のようだと伝えると、
最近そういう詐欺が増えていた。
もし資料やパンフレット等があるなら郵送もしくは
FAXで送ってほしい。
と金融庁のほうはすごく食いついてきたんだ。

だが結局捜査のほうがどうなったか知らない。
ただその後T社の行方が気になり調べたところ、
詐欺会社に認定、ここから電話かかってきたら気を付けろ!
みたいな注意換気が金融庁でもなされてて、
自分が辞めた4ヶ月後、T社は倒産していた。
残念だが計画倒産でめっちゃ持ち逃げしたらしい…
そんな詐欺会社に関わってしまったときが修羅場だった
母ちゃんから「しばらく外出するときは気を付けな」
と脅されるし結構怖かったです。

その後業界大手の会社に就職しましたよ。

結婚して退職しましたけど。今は一児の母。

今はすでにありませんが
T社は東亜エナジーという会社でした。

聞かれていませんがちなみに店を出すはずだった
バイト先を辞めた理由はオーナー(60歳)から
愛人要求があったせいでした!ちゃんちゃん

ごめん〆たあとで申し訳ないが最後に。
詐欺業務してるときに一番印象に残ったのが、
明らかに詐欺案件だろ!って仕事を、
本当にいいこと、いい商品のように電話してた
おばちゃんたちがすごく記憶に残ってるんだ。
自分が悪いことしてるなんて夢にも思ってなさそうな。
なんでなんだ!?って本当に不思議だった。
思考停止してるといえばそれまでなんだけど。
詐欺してる側はみんな悪いことしてるなんて
思ってないのかな、とちょっと思った。
みんな最後までありがとう。乙でした。

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