華やかなキャンパスライフが始まるかと思いきや

小学校 同じ
中学校 同じ
高校  同じだがクラスが多く疎遠
高3  同じクラスで英語とかを教えるように
卒業式の夜 告白される→チュッ 

今に至る

なんか俺の馴れ初めギャルゲーみたいだ

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二人ともすげーど田舎出身
自動的に小中はみんな一緒やや仲の良い女友達の一人という感じだったが
なにせ田舎で彼氏彼女という概念が
ほとんど無かったので、何の発展もなし
美術の時間にミロのビーナスの代わりに、
ミロのビーナスを描く嫁さんをデッサンしてた記憶がある
嫁さんは照れてた

高校はいきなりマンモス校になり全然違うクラスに
すれ違うときに挨拶する程度の仲
高3で俺がいた文系クラスに嫁さんがやってきた
が、クラスはほぼ一年から同じメンバーで持ち上がりのため
仲良い女友達もおらず、何となく寂しそう
体調悪いとかで遅刻してくることも多かった
自然、幼馴染の俺と接することが増える
卒業式のあと仲の良いメンバーで、
広いガレージのある友達の家で鍋大会
その中に嫁さんがいたことに違和感はあった
クラスにそんな馴染んでなかったから
飲めない酒で酔っ払ってる中、外の庭に呼び出される
ははーん、これは誰かに告白するから、
俺に仲介役をして欲しいんだな?と思ってたらまさかの俺
嫁「──ずっと好きでした」
酔っ払った勢いでキス 交際始まる
しかし悪夢はここから

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二人して関西のそれぞれの大学に進学
華やかなキャンパスライフが始まるかと思いきや
嫁さんは実家の家庭崩壊に巻き込まれて
完全に鬱状態になっていた
(実は高3の頃からかなりやばかったらしい よく遅刻したり休んでたし)
俺をずっと好きだったと言うより、近くにいた誰かにすがりたかったのだろう
毎日精神的に不安定で、ほぼ俺の下宿で同棲状態
嫁さんはほとんど大学には行けず
家族と電話してる時はヒステリックに叫び散らしたりしていた
夜は中々寝付けず、二人で朝までなんとかやり過ごして
昼過ぎや夕方に目覚める日も多かった
夜中、意味もなく近くを散歩したり、
24時間のファミレスにいったりの毎日

俺は大学とサークルを終えたら飛んで帰って、
彼女の空虚な時間つぶしに付き合っていた
自然単位も取れなくなっていった
大学にいる、健康で楽しそうに笑っている同年代の女の子達と違い、
嫁さんは学校にも行けず、毎日目の下に大きなクマを作って、
拾ってきた猫と一緒に、狭い学生マンションでただ俺の帰りを待っていた
嫁さんは二年ほどで大学をやめ、
美術系の専門学校に、
休みがちながらも何とか通い始めた
その間もたくさんのトラブルがあったが挙げるとキリがない
自殺をほのめかす言葉もたくさん言ってた(手首を切ることは一度もなかった)
俺はバンドマンになるのが夢で、サークル活動だけは積極的にやってたが
ろくに寝れないため単位が取れず、
親から別れるよう命令され、窮地に陥っていった

嫁さんは、周りの人間と幾度となく
トラブルを起こしながらも美大に編入
途中、不仲だった母親が癌で死んだことで、
多少開き直ったようにも見えた
俺も親に何度も退学・帰郷を迫られながらも、
何とか周りに遅れて大学を卒業 そこそこの企業に入社
嫁さんも二年ほど遅れて、
大学を卒業した3月の終わりギリギリで、
念願のデザイン会社に内定を貰った

幸せな学生生活を過ごせなかった分、
夢に向かうパワーは凄いものがあったように思う
翌年の嫁さんの誕生日、お祝いに行ったホテルの屋上のレストランで指輪をパカッ
嫁さんはずっと泣いていた
意を決して二人して実家に帰り
(双方の親には、別れたことにしていた)
互いの親の前で頭を下げて、
結婚を許してもらうよう頼んだ
ずっと渋い顔をしていたうちの親も、
最後は折れて、「あなたはもううちの家族だから、
これまでの分幸せになりなさい」的なことを言った
俺は、安堵で頭がクラクラしてたからよく覚えていない

今は二人して関東に転勤、年末の挙式に向けて準備をしている
夜、二人して散歩とかしてると、あの頃の、
毎日が夜中で、お日様から見放されたような日々を思い出す
猫はもうおじいちゃんになってるけど、
今も元気

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