仕事のストレスで倒れた。俺「もう働けない実家に帰る」女先輩「じゃあさウチに住まない?」

嫁に初めて会ったのは入社した直後の飲み会。
当時俺22歳、嫁26歳。
違う部署だったが気さくに話し掛けてくれた。
嫁は優秀でかなり出来る先輩。
一方俺は新入社員であることに加え、
上司が問題のある人だったのでとても苦労した。
能力以上の仕事を割り振られたり、
過度な叱責など日常茶飯事だった。

そんなんで疲れ果てていた時、
嫁が飲みに誘ってくれた。
最初の頃は緊張していたけど、
何度も行くうちに愚痴を言えるようになった。
俺は嫁の事好きになってたけど、嫁は俺の事眼中にないと思ってたし、
気持ちを告げてこの関係が終わるのが怖かった。

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しかしついに俺はストレスで倒れてしまった。
医者には入院+自宅療養数ヶ月だと言われる。
上司は辞表を出せと言ってきたので、すぐに出してやった。
嫁は入院中見舞いに来てくれ、退院後はまた飲みに誘ってくれた。
回復後再就職を目指すも、1年足らずで会社を辞めてる事や、
ストレスで倒れた事で難航した。
嫁が気晴らしに連れ出してくれたのが救いだった。

その後なんとか職に就いた。前の職場と違いホワイトだった。嫁も喜んでくれた。
でも前職のトラウマか、数ヶ月で体調不良になり、上司に平謝りで退職した。
この時心が折れ、もう実家に帰ろうと思った。

俺実家は農家で果樹と米、自分達で食う分の野菜を作ってるから
バイトでも生活出来ると思った。

嫁と飲みに行った時それを伝えたら
嫁「え?何で?!」(この時嫁は俺がいなくなる事で
なりふりかまっていられなくなったらしい)
俺「もう働けないし、食う物は実家からある程度送られてくるから
節約出来るが家賃は厳しい。」
嫁「じゃあさウチに住まない?」
俺「え?」
嫁「だから同棲しよ!」

俺「いやいや同棲って恋人同士がするもんでしょ!嫁さん気を確かに!」
嫁「じゃあ恋人になったら来てくれるの?なら付き合って」
俺「いやいやいや嫁さんそんな簡単に」
嫁「俺くんの事好きなの!帰るなんて言わないで!(泣)」
俺「本当に?!俺も嫁さんの事が好きです!
でも本当に良いんですか?俺バイト位しか出来ませんし、同棲は負担になるんじゃ」
嫁「大丈夫!私結構稼いでるし、貯金もあるから俺位養える!」
俺「(いやバイトで金入れるから!ヒモにならねぇから!)じゃあよろしくお願いします」
ということで交際開始。即同棲決定。
電話で嫁の両親に挨拶と同棲の報告をし、次の休日引っ越し。

基本俺の家電は処分したけど、それでも荷物が多くて大変だった。
この時俺の秘蔵のDVDと本が全て処分され愕然としたが、夜にしっかり償ってくれた。
それからの日々は嫁が仕事に行き、俺が家事をし、バイトに行くという主夫生活。
毎日が幸せだった。嫁も妙齢なのでそろそろ結婚に向けて、お金を貯めようと思っていた。
あの日母から電話がきた。父が胃癌で手術をするとの事だった。

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しかも父は「どうせただの胃炎」と思い放っておいて、
発覚した時にはかなり進行していたらしい。
父方の祖父は俺が小学生低学年の時に死んだんだ。
祖父は農作業が生き甲斐で体調が悪くても畑に行ってたらしく、
作業中に倒れてそのまま目覚める事なくその日に息を引き取った。
当時俺は幼い事や、あまり一緒に過ごした時間も無い事で泣かなかった。
でもこの時父が死ぬと考えたら、いつの間にか号泣してた。
夜になり嫁が帰ってくると泣いている俺に何が有ったか聞き、
すぐに新幹線の券を手配してくれた。

地元に着くと兄が車で迎えに来てくれた。(兄は地元で就職していて妻子あり)
そのまま病院に直行。父は元気そうに声を掛けるけど、母は憔悴しきっていた。
幸い農繁期じゃなかった為、俺・母・兄嫁で父の世話や、
簡単な農作業、祖母の介護(ちょっと足が悪く週に数日デイサービスを利用してる)をすることに。

そして手術の日。結果胃の大部分と胆嚢を切除した。
今後転移、再発の可能性があると言われた。
その後父の退院、農作業が出来るまで回復する2カ月遠距離恋愛になった。
一度お見舞いに来てくれた。(すでに俺両親には挨拶済)
嫁とは毎日メールや電話をした。嫁は「元カノと浮気してない?」
など冗談を言い元気付けてくれた。(その子はすでに子持ちだ)
父も本調子ではないものの復帰したので、ある決意を胸に嫁の元に帰る事に。
先に連絡していたため嫁が駅で待っていてくれた。嫁に話があると告げ帰宅。

俺「話というのは、俺地元に帰ろうと思うんだ」
嫁「え?帰って来たばかりなのに?」
俺「いや、向こうに住んで実家の農業を継ごうと思う」(すでに両親、兄と相談済)
ここで嫁は定番の「一緒に来てくれ!結婚しよう!」
を期待したらしい。だが俺は
俺「だから別れよう」
嫁「え?何で?」(ちょっと泣きそう)
俺「嫁ちゃん今の仕事が大事でしょ?でも遠距離恋愛は俺的に将来性が見えない」
 「だったら嫁ちゃんは俺と別れて新しい人を探した方がいい。だって嫁ちゃんもう三jy(ドンッ)」
嫁「あん?!」
俺「イエ ナンデモアリマセン」
嫁はプロポーズされると思ってたら、
別れを告げられたうえ年齢についての発言(未遂)にぶちギレ大爆発
嫁「仕事は大事だけど、それ以上に俺くんが大事だよ!」
 「俺くんと別れても、俺くんの実家に行くから!」
 「俺くんの選択肢は私にプロポーズして奥さんにするか、
別れて私をストーカーにするかだけだから!(泣)」
俺「本当にいいの? 嫁さん俺と結婚してください!そして一緒に来てください!」
嫁「する~!いく~!(号泣)」

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時間を返せ!

すぐ嫁は会社に寿退職を通告。引き止められるも、渋々了承。
しかし引き継ぎ名目で引き延ばしにでる。
嫁両親に結婚の挨拶と田舎に連れて行ってしまう事を謝罪。嫁父は
「今生の別れでもあるない。二人でいつでも遊びに来なさい。
ところで本当に娘でいいのか?もうs(ギロリ)いやなんでもない」
結婚式の時嫁の上司から俺の退職について
謝罪され(クズ上司はすでにいない)同時に嫁を辞めさせた事に苦情を言われた。

地元に帰ってしばらくは二人とも俺実家に居候したが、嫁の就職先が決まり、嫁の職場の近くに引っ越した。
結構すぐに再就職が決まったのでさすが出来る女と思った。
あと引っ越す時母にニヤニヤされたのは気のせいだと思いたい。
引っ越してすぐ襲われた。溜まってたのもあるが、
以前の3○歳発言を気にしてかこの後ほぼ毎日迫ってきた。
俺頑張ったよ。一時期絞り取られたよ。結果最近無事懐妊。
嫁は高齢出産回避で安堵。俺は腎虚にならず安堵。
あとは母子ともに健康に産んでくれるのを祈るだけ。

あと馴れ初め板とは関係なくなるが
父は投薬や放射線治療のおかげか奇跡的に転移も再発もなく、
食が細くなったものの、油っぽいものを敬遠するように。
入院前に吸っていたタバコもやめ、晩酌も瓶ビールから350mlになり、
むしろ健康な様子。
実家の経済状態も以前は作物は親戚知り合いに売る以外はJA(農協)に売ってたが、
嫁のアイディアで販路開拓。そこそこ上向いた。
マジいい嫁もらった。そしておのれJA!(JAは農家の味方デス)

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