嫁が気付いた時には  室温がすーっと下がった気がした

二ヶ月前見合いで結婚した
6つ年下で長身美人、料理も結構美味いし、
仕事柄頭も良いし、
何よりコミュ障の俺と違って愛嬌もあって、
話術も巧いので、俺の母と妹にも好かれてる
何で俺みたいな年収以外は中の下の男と
結婚してくれたんだろうなーと毎日不安に思ってる

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せめて金銭的な苦労はさせまいと、
色々欲しい物があれば遠慮せずに買えと
去年末から言い続けてきたんだけど、
先月ぽつりと猫が飼いたいと言いだした

俺のマンションペット不可だったんで、
慌ててメゾネットタイプ庭付き物件にw
職場からは遠くなったし家賃もアップしたけど、
嫁が喜んでくれるならと喜んで引っ越した

そして事件は一昨日起きた

嫁は今年31
堀北真希の目許をもっとクールにしたような顔にショートヘア
でも髪伸ばそうかなーと最近言ってる

飼いたい猫とやらは、嫁が実家で飼ってた猫2匹の事だった
それまで使ってたタワーとか、
猫グッズがアパートの中に一気に増えた
それは良い

俺は工場勤務で夜勤もあるし、
最近忙しい所為もあって24時間帰らない日もある
シフトなんであってないようなもん
嫁はその日俺が正午で仕事あがって帰ってきた事には
まったく気付いていなかったらしい

リビング隣室のソファで寝転がっている俺には全く気付いた様子無く
嫁は冷蔵庫に買い物してきた物をしまい始めたらしい

ビニール袋のカサカサと言う音を聞きつけて、
猫が二階から階段を降りてきた
俺にはまだまったく懐かんが、白黒猫と三毛猫の可愛いやつらが

餌のおねだりをしたんだろう、ン~ナ~と高い声が聞こえた
その直後、嫁の甲高い声が響き渡った

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「んっきゃーーーーーーーー!もー○○たん▽▽ちゃんかわいーっ!かわいいー!
あーもう可愛いお前は天使!もう絶対に離れない!
ずっと一緒だよー寂しい思いさせてごめんねごめんね!
(チュッチュッチュッチュ)」

その後は@53;ljug%3nba!!
みたいな文字起こしするのが不可能な黄色い悲鳴が続いた

メールの文面なんか凄い素っ気なくて「了解」くらいしか帰ってこないし
会話もまだ堅くて敬語とか使ってるような感じで、
凄い落ち着いた印象の嫁が
こんなアホみたいなテンションで猫に接してると思わんかった

出て行くに行けず必死で寝たふりしてる
俺の存在に嫁が気付いた時には
室温がすーっと下がった気がした
冷たい汗が噴き出てきた
でも、意外な本性を知ってしまった事でより
一層嫁を愛せそうな気がした

昨日晩酌の時に、一生大事にするよと意を決して言ってみたら
この子達(猫)も同様に宜しく、と返されたけど

正直見合い結婚なんて、
利害関係の合致だけで愛情の無いもんだと思ってたけど
この人を嫁に出来て良かったと今では思ってるというノロケ

祖母の紹介でだが
ケンカらしいケンカもなく仲良くやってる

もうすぐ10年だ

相手もそこそこ年収あるんだよw
700万あれば女一人でも充分だろ
因みに俺1200

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