突如うちのドアを激しく連打する音と、「助けてーお父さんがお母さんを殺しちゃうー!!!」と絶叫する声が

その家とは、越してきてから普通に仲良く付き合う間柄。
うちは小梨、向こうは一人っ子蟻ですが、
親同士は年齢も近く、悪くない関係です。
この修羅場で一番可哀相だったこの子も、
この春めでたく大学に合格し、
一人暮らしをすることになったそうなので、
もうぼちぼち時効かな。
その子がまだ小学生だった、夏も近いある宵のこと。

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旦那は早めに横になり、
私は風呂を上がってのんびりしてたと思う。
その家から、ドダーーン!とただならぬ音が。
何事?強盗?どしたらいいの?としばし固まっていると、
突如うちのドアを激しく連打する音と、
「助けてーーーお父さんがお母さんを
殺しちゃうーーーーー!!!」と絶叫する声が。
その家の子だった。

パジャマのまま夫婦で走りました。
居間に飛び込むと、
お父さんとお母さんが絶賛夫婦げんか中。
というか、お母さんは比較的冷静なのだが、
お父さんの方が何やらブチキレていて、
お母さんを壁にぶち当てたり、
食器(料理入り)を投げつけたり、
テーブルを投げたりしていた
(先ほどの「ただならぬ音」は、どうやらその音らしい)。
床には、ぶちまかれた食事と、
コップやなんかのガラスの破片が一面に散乱していて、
さらにその上をお父さんが暴れ回ったので、
お父さんの足は切れまくってズタズタ、
床一面が塗りたくったように食事塗れ&血塗れ。
まだ暴れようとするお父さんを旦那が羽交い締め。
私は、おびえきってギャンギャン泣きわめく子を、
ハグしてひたすら宥めまくった。

そのうちサイレンの音が近づいてきた…!
パトカーが3台到着!
お巡りさんが5、6人、なだれ込んできた。
子供が、うちに走る前にとりあえず110番したそうだ。
すごい冷静な判断!えらいじゃん!
と子供を褒め称えてなだめていたんだが、
警察と言うのは、とりあえずその場にいる者全員に
聴取をするそうで、
しかも、怪我人がいた場合、
とりあえずその人を「被害者」と見なすんだそうだ。
つまり、お母さんの方を、「怪我をさせた加害者」と想定するらしい。
なもので、やっと落ち着きはじめた子供がまたギャン泣き。
「自分が110番したせいで、お母さんが逮捕されるーーーーーー!!!」って。
それを宥めそうとパジャマ姿でw
必死でヨシヨシする私にも聴取開始。

まあ、大したことは聴かれませんでしたが
(私と当事者との関係、なぜこの場にいるのか、などなど)、
子供はまた思い出して泣いちゃうし、
ヨシヨシと説明を同時にこなしつつ、
やがて聴取も一段落。
誰かが119番してお父さんを病院へ
連れて行き(旦那が付き添っていった)、
さて、お片づけをするか…となった時点で、
再び子供がギャン泣き。

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お父さんが帰ってきたら、
もう一度お母さんを殺そうとするんじゃないか、
怖いよ今のうちに逃げようよ!…
宥めるのはお母さんにお任せして、
惨憺たる様相の居間のお掃除を、私が担当。
フローリングは踏みつけたガラスで穴開いてるし、
料理が床にも壁にもこびりついてるし、
乾いた血溜まりって、
拭いてもなかなか取れないものなんですなあ…。

まあその後は何とか、
子供も落ち着き、お父さんも20針くらい縫われて
大人しく帰宅し、
まずお父さんを寝かしつけて(子供は頑として一人で
寝ようとしなかった。可哀相に)、
お掃除の仕上げをして、帰宅したら午前3時前でしたw
自分ちに旦那と犬と並んで座って、お茶を一杯飲みつつ、
どちらからともなく「うちは、こんなんだけど、よかったねえ…」w
喧嘩もするけど可もなく不可もなく、
何もないのが一番幸せなんだとしみじみ思った
一晩でした。

先日、その子とお母さんが
「大学受かったよ」と言いに来てくれて、
その時その子が「あのときありがとう」
と言ってくれた。嬉しいのう。

数日後にお父さんとお母さんが
謝りにいらしたんですが、
原因は、
食事を切り上げる前にビールをもう1缶開けるか開けないかとか、
ひっじょーーーに些細な事だそうですw
それ以後のヒートアップの状況は、
他所のおうちの事なので、敢えて詳しく訊いてません。
基本的に理知的なご夫婦なので、
ちゃんと話し合いをし、再構築成功。
子供は、最初はお父さんを避けまくってたそうですが、
現在はもう大丈夫。めでたしめでたし。

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