大学卒業して就職するんで
養父に今まで育ててくれてありがとうってお礼を言った。
本当の両親はオレが10歳の時に事故で亡くなって、
お袋の弟である叔父一人に育てられた。
妹はまだ高校生だが、
当時も今も独身の叔父が一人で兄妹二人を育ててくれた。
オレはたぶん地方に配属されるだろうから
家を出て寮に入ることになる。
うまく近くの拠点に配属されたら自宅から通えるけど、
最初は地元から遠くに飛ばされることが
多いらしい。
大学まで行かせてくれてありがとうございました。
妹はまだ手がかかるけど、オレがいなくなっても
これからもよろしくお願いしますって畳に両手ついて
心を込めてお礼したのよ。
そしたら、正座されて
「こっちこそ今までありがとうな。お前を育てて面白かったわ。」
って頭下げられた。
「子供育てるなんてどんな無理ゲーって思ったけど、
お前らはベランダのトマトよりスクスク育つんで
楽しくてしょうがなかったわ。」
ってにこにこ笑いながら貯金通帳の束と印鑑を渡された。
両親の保険金が結構な金額あって、ほぼ手付かずだった。
「このお金は姉さん夫婦がお前らに残したお金だから、
これからはお前が管理してね。」
「なるべく使わないよう頑張ったからお前もくだらないことに使うなよ。」
「親戚の○○と××は色々あって仲が悪いから注意してね。」
って言われた。
で、一緒にお酒の飲もうって、
さっきまで湯豆腐食べながら日本酒飲んでた。
死んだお袋の子供の頃からの話をずっと教わってたら、
途中で部活から帰ってきてTV見てた妹が
参加して横で聞いてた。
オレが盲腸の手術した時とか、
妹が痴漢捕まえて警察に行った話とか、そういえばそんなことあったよな
って話を細かく思い出話した。
途中から記憶が曖昧になったけど、
妹が彼氏連れてきたら地方から呼び戻すから一緒にいじめようなって
意気投合したことろで叔父さんがギブして寝室に行った。
鍋にはまだ湯豆腐が5切れ残ってるけど、
明日は早朝会議があるから家を出るのが早いらしい。
毎年ベランダのプランターでトマト育ててるけど、
いつも半分以上枯れるんだけどねww
すげえ楽しかった