カナダでスノボを楽しんでいたら・・・おばさんとおじさん「君の顔をもっとよく見せてくれ」「OMG!」

俺が今よりも馬鹿で、世の中に絶望してて、
どうしようもなく後ろ向きだった頃、
友人とカナダに旅行に行った時の話。

現地に着いてホテルのチェックを済ませた後
すぐに当初の目的であるスノボーを楽しむため雪山へ。
友人4人とギャーギャー言いながら滑ってると、
現地のおばさん(50代位)と接触事故。
完全によそ見してた俺の責任で怪我させてしまった。

すぐに友人が救急隊を呼んで
事情を説明をしておばさんを病院に連れていくことに。
診断結果は左足首の捻挫及び左肩の打撲。
おばさんはずっと号泣してるし、面倒臭せーなーと思いながら
英語の喋れる友人に通訳してもらいながら
ひたすら謝った(俺は[ソーリー]の一点張り)。

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おばさんの旦那さんも病院に来たと聞いたので、
一応そっちにも謝っとくかって事で病院のロビーへ。

息をきらしながら受付で
病室を訪ねてたおじさん(旦那さん)は俺を一目見て

「!!!!!?」

何故か驚愕の表情。
いっぱいいっぱいになってた俺はそれをスルーして適当に謝ってた。
そしたらおじさんはいきなり俺の肩をガッシリ掴んで
何か英語でまくし立てて軽くパニクってる。

友人に通訳してもらうと

「もっと顔を見せろ!」

「ああ神様!」

とか言ってるとの事。

「ハァ?」な俺は頭のおかしいおっさんだと思い軽くウンザリ。
とりあえず病室へってことで少し落ち着いてみんなでおばさんの元へ。
その間もおじさんは俺の腕を掴んだまま離さない。

「あ-相当怒ってるな-」

「もう一回ちゃんと謝っとくか」

と思い、病室に戻ってから2人を前にして改めて頭を下げた。

金とか要求されるとされるとこっちも堪らない。
誠意ある謝罪(のフリ)で切り抜けよう)

そんな事しか頭にない俺は本当に腐ってたと思う。

「落ち着いて聞いてくれ」

おじさんの話を例によって友人に通訳してもらう。

「事故の事は別に怒ってない、悪いのは完全にこちらの方だ」

(うわー!お人よしだねー!俺ならしっかり金取るけどなー!
でもまあ助かったかな?)

丸くおさまりそうな状況に俺は心の中で舌を出した。

「そんなことより聞きたいことがある」

「君の顔をもっとよく見せてくれ」

ずっと下を向いていた俺は2人に近づいてちゃんと顔を見せた。
そしたらまた

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「おお神様!」

とか

「なんてこと!」

とか言って泣いてんの。

どうやら俺が誰かに似てるらしい。

「君は私たちの息子にそっくりだ!」

その後に聞いた話に今度は俺がビックリさせられた。

マークイン夫婦(おじさんとおばさんの事ね)には息子さんがいたらしい。
息子さんは雪山が好きで学校の登山サークル(って言うのかな?)に所属してて、
よく雪山に登ってた。
それで90ヵ月前に遭難。マークインさん達も大金はたい
て捜索隊に探してもらったんだけど、遺体さえ戻ってきてないらしい。

絶望して生活も荒れてマークインさん達も
喧嘩が絶えなかったらしい。
それで全てに嫌気がさしたおばさんは
最近自殺未遂を繰り返していておじさんも悩んでたらしい。
実際おばさんの手首には無数の躊躇い傷があった。

それで今日もおばさんは雪山で凍死自殺するため雪山まで来てたらしい。
息子さんのスキー板で最後の思い出に滑っていたところ、
息子にソックリな日本人を発見。
無意識にフラフラとこちらに近づいてしまい、
結構なスピードで滑っていた俺と接触してしまったらしい。

どれだけ息子を愛していたか、息子を失ってどれだけ悲しかったか、
死に顔さえも見れずどれだけ辛かったか、マークインさん夫婦は話してくれた。

話を聞いてて俺はいつの間にかボロボロ泣いてた。俺には親がいなかったから。
物心ついたときから両親蒸発してて、俺は爺さん婆さんに育てられた。
2人とも俺に優しかったが、俺は歪んでいった。

「どうせ両親のいない人間なんて幸せになれる訳無い」

ずっとそう思ってた。

「親なんていてもいなくても同じ。どうせほかの親もそう思ってんだろ」

そんな気持ちがいつも漠然とあった。

でもマークインさん夫婦の話を聞いて本当の親心を知った気がした。
でもその場ではどうしていいかわからずにワンワン泣くしかなかった。

自分の親の事を考えた。マークインさん達の事を考えた。
息子さんの事を考えた。俺の事を考えた。
クソみたいな自分が恥ずかしかった。
頭の中がグチャグチャになった。またワンワン泣いた。

あれから2年たったけど、今でもマークインさん達とメールのやりとりは続いている。
あれから俺も少しはまともになった気がする。
今は年に1回2人に逢いに行くのが楽しみでコツコツ貯金もしてる。
英会話も習い始めた。

おじさん、おばさん俺をどん底から救ってくれてありがとう。
あなた達との出会いが俺にとって最高の宝物です。

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