友人が突然訪ねてきて「10万円貸して」私は何も聞かずに50万円出した

こんな家が他にもあるかもしれないとか信じたくない…

友人(A)が嫁いだのは超田舎の膿家脳の家だったらしい。
元A旦那一家はテンプレ通り
Aが嫁ぐまで本性を隠していた模様。

それまで私とAは数か月に一度は連絡を取るほど
(家族と変わらない頻度)親しかったが、
Aの結婚を期に一年半ほど連絡が途絶える。
私は、結婚したんだしそんなものかな?と
特に気にしなかった。

Aが結婚して約一年半後、
仕事から帰ったらマンションの前にAの姿が。
以前のAからは考え付かないほどヨレヨレの格好で、
雰囲気も凄く儚くなってた。

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何でいきなりAが?とは思ったけど、
雰囲気から何か余程悪いことがあったとしか思えなくて、
とりあえず無難に
「A?久しぶり~」明るすぎないように声をかけた。
Aも振り向いて、「久しぶり」と返してきた。

正面から見たAは、『やつれている』という表現が
そっくり当てはまるような風体だった。
大学受験で二浪した時よりずっとやつれていた。
標準よりちょいぽちゃで普通に身だしなみも整えてたのに、
そのときのAはすごく痩せてて、頬も少し窪んでいて、
綺麗だった髪もバサバサで、
服も今時売ってないような古臭い感じで、
Aの家族に何かあったんだろうかと不安になった。


「A、どうしたの?家族は?」

「…あのね、私子」

「ん?」

「お金、貸して欲しいんだけど…」

「…何円かな?」

「…十、万円」

その時のAの声は今でも憶えてる。
物凄くか細くて泣きそうで、
でも全く声は震えてなかった。

Aが元彼に振られた時も、泣きはしたけど
こんな絶望的な声なんて聞いたことなかった。
Aのご両親に頼まないのも、何か理由があるのか、
既に断られた後なのだと勝手に脳内で結論付けてた。

大金を無心されたので、本来なら何に使うのか、
どうして必要なのかきっちり聞くべきだけど
Aの雰囲気があまりにも異様だったので、
聞いちゃいけないような気がして聞かなかった。
そして今思えば自分でもびっくりするほど快諾した。

まだ銀行が開いていたので、
Aも連れて行ってその場で50万引き出した。
封筒も買って、全部入れてAに渡した。


「えっ?え…?」

「持ってって」

「え、でもこんなに…」

「いいから」

「…わたし、何も話してないよ?」

「うん。私も聞いてない」

半ば無理やり押し付けてAに渡した。
なぜこんな奇行をしたのか自分でも分からない。

Aは本当にお金を無心しに来ただけで、
すぐに行かないと、と帰って行った。
「ありがとう、ありがとう、絶対、絶対に返すから」
って言葉に、何を思ったか
「うん、応援してる」と
意味不明な返事をして、Aと別れた。

50万はAにあげたつもりだったから
気にもせずに過ごしていた。

それからは特に音沙汰もなかったが、
さらに半年ほど経ったところで
Aが再びマンション前に現れた。

半年前よりちょっと身綺麗になってたので、
呑気に「あれから事態が好転したのかな~」
と思って「A、久しぶり~」と声をかけた。

Aは振り向いて、
何故か私子にタックルをかましてきた。


「ちょ、A、くぁwせdrftgyふじこlp」

「やっと、やっとあのクソ共と絶縁できた!!」

「!!?」

Aはいきなり謎の宣言をしたあと、
せきを切ったように泣き始めた。

いくら人通りが少なくとも公共の場所なので、
とりあえず私の汚部屋に上がってもらった。
お金を渡しただけで何も分からない私子は
Aが泣き止むまでおろおろするしかないw
以下、Aの説明

・付き合ってた時は元A旦那も、
 婚約の挨拶をしに行った元義実家も普通だった

・婚約して同棲し始めた時から
 元旦那の束縛が増えていった

・愛されている証だと思ったし、
 多少文句を言われても自分が結婚相手として
 至らないせいだと思った

・婚約中は優しい義実家だったから
 同居も大丈夫だと思ったが、
 結婚してから態度が一変した

・炊事、洗濯、掃除、全てやらされて、
 文句を言うと凄まじい勢いで罵倒された

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・そのうち嫌味まで追加されるようになった

・一度実家に連絡を取ったときにも罵倒され、
 自由に外と連絡を取れないようにさせられた

・次第に歯向かうと手を出されるようになり、
 怖くて逆らえなくなった
 (この時点で大分精神的に参っていたっぽい)

・パートもやらされ、休日には畑
 (家族で食べるより少し大きい程度。
 中途半端な広さ。当然手作業)に駆り出され、
 実質休み無し

・当然元トメが財布を握り、
 自由に使えるお金が実質0円

・A個人の私物をほとんど捨てられる

・執拗な男孫梅攻撃

・実家に帰る時は元A旦那も一緒
 (ヘルプ要請させないため?)

・これを約一年半

ここまで聞いて絶句した。
信じられなくてファンタジーでも聞いてるようで、
何も考えられなかった。

・半年前、朝から追い出されたときに
 たまたま一万円を拾った

・今しかないと思って、とにかく元義実家から離れた。
 気が付けば新幹線に乗っていた

・しかし実両親は現在海外に在住。
 途方に暮れてる時に私を思い出した

・あの時はとにかく
 元義実家から当分離れられるお金が欲しかったが、
 私が思いもよらない大金を渡してくれた

・何でも出来る気になって、
 元義実家の鼻をあかしてやろうと思った

・私のお金で離婚に関することを
 一晩で出来る限り調べて頭に叩き込んだ。
 弁護士の番号も控えた

・レコーダーや小型カメラを買って、元義実家に帰宅

・元義実家ではAのことを探してもいなかったので、
 これ幸いと買ってきたものや余ったお金を
 バレないように雨がしのげる場所に埋める

・元義実家が寝静まってから帰宅(田舎だから鍵かけない)、
 レコーダーや小型カメラを設置

・三ヶ月ほど耐え抜き、
 元義実家から少々離れた交番に駆け込む

・即保護され、離婚等の手続きがスムーズに進み、
 約二ヶ月半で決着。慰謝料もがっぽり

Aも泣きながら声を荒げながら話したけど、
私もとにかく謝りながら泣いた。
何でAがそんな目に合わなくちゃいけないんだと
怒りが湧いたし、それ以上に
何であの時何も聞かなかったんだろうと情けなくなった。

Aが
「あの時何も聞かないでいてくれたことに救われた。
事情を説明すれば
元義実家に連絡を入れられるんじゃないかと思って
気が気じゃなかった」
と言われて更に泣いた。
二人して数時間泣いて、泣き疲れて寝た。

次の日に「離婚おめでとうパーティー」を
ささやかに開いた。

Aが今でもあの時渡したお金の余りを
大事に取っていると聞いて、またちょっと泣いた。

ちなみに貸した50万は倍額になって返ってきたw

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