盆休みに関西に住んでる大学時代の友人に会いに行った。
お昼頃、商店街を少し外れた車通りの多い大通りを汗だくになりながら
歩いていると、じいさんの叫び声が聞こえてきた。
そこには、お世辞にも身綺麗とは言い難いじいさんと、
大きな楽器っぽい何かを背負った女の子Aがいて、
じいさんが一方的に怒鳴っていた。
じいさん「あぁ!!??なんやねん文句あんのかお前は!
そんな訳分からんでっかい荷物しょって
さぞ親にたんと金出してもろとるんやろうな!(以下理不尽ないちゃもん)」
女の子A「・・・・・」
遠くからでも聞こえるような大きな声でじいさんはひたすら
女の子Aに理不尽に怒鳴ってた。
多分、ただの八つ当たりかいちゃもんだと思う。
女の子Aは大人しそうな子で、
じいさんに言われるがままで、
反論もせず縮こまっていた。
炎天下の中だったから汗だらだら流しながら顔真っ赤にして、
泣きそうな顔してて、本当にかわいそうで見ていられなかった。
その周りには多くの通行人がいるけど、
みんなチラチラ見てるだけでスルー。
あと遠巻きに見てる野次馬。
恥ずかしながら、私も友人もフリーズするしかできなくて、
助けなきゃ!とは思ったけど
どう声をかけたらいいか分からず、身動きがとれなかった。
そしたら、別の女の子Bが私たちを追い越してたーっと
走って行った。
女の子B「すいませんうちの妹がなんかご迷惑おかけしましたー?」
じいさん「迷惑もくそもあるか!!!
おどれらみたいな奴がおるから世の中あかんように◎▽□%&$!!!」
女の子B「あー…こんなあっつい日にそんなカッカしてたら
余計あつなるやないですかー!それにおじいさんイケメンやのに
怒ってる顔したら勿体ない!」
じいさん「なっ・・・(呆気に取られてる)なにをゆーとるんじゃお前は!」
女の子B「まあまあ。この子には家帰ったら
ちゃんと私が怒っとくんで!ここらへんにしといたってくださいなー!ね!」
じいさん「・・・あほらし!せっかく説教したったのに損したわ!」
女の子B「お元気でー!」
始終にこにこしながらハイテンションの女の子Bに呆気に取られながら
たじたじのじいさん。最後は吐き捨てるように叫んで自転車爆走してました。
ああ、いいお姉ちゃんだなあ。
お姉ちゃんが来てよかったと思って
横を通り過ぎようとしたら2人の会話が聞こえてきた。
女の子B「ごめんなあ初対面やのに勝手にでしゃばって
姉ってことにしてもーて!大丈夫やった?怪我とかしてない?」
女の子A「あ、あの、ありがとうございました・・・」
女の子B「こんな可愛い女の子困ってたらおねーさんほっとかれへんわー」
なんと、姉妹じゃなく通りがかりの赤の他人だったみたいで、
とっさに姉妹だと嘘をついて助けた様子。
女の子Aは緊張がきれたのか だーっと涙を流していて
「すみません、ありがとうございます」
を繰り返してた。
そのあと、BはAにすぐそばの自販機で水を買ってあげてたみたいで、
「暑い中あんなおっさんに絡まれて
ずっと一人でよー頑張ったなあ!5分だけの姉からのご褒美!」
と笑いながら言ってる声が聞こえた。
女の子Aに対して何もできなかった自分を恥ずかしく思うと共に、
あんな風に次は誰かを助けたいなあと思いカキコ。
上に入れようとして入り切らなかった会話をもう少しだけ。
水を買って、泣いてる女の子AをBがよしよしと励ましてるとき、
猛ダッシュで2人の方へ向かう男の子が。
女の子Bの知り合いらしく、Aが泣いてるのを見てギョッとしてた。
男の子「Bがなんかご迷惑おかけしました!?」
女の子A「え、え!?いや、その」
女の子B「ちゃうねんこの子おっさんに絡まれとってなー」
男の子「そうなん?!・・・大丈夫でした?どっか怪我とかしてません?」
女の子A「あ、はい、大丈夫です!この方が助けて下さったので」
女の子B「(ドヤ顔)」
男の子「まーたお前は無茶しよったんか!」
女の子B「しゃーないやろー困ってるのにほっとかれへんやんか」
男の子「いつか痛い目見るかもしれんし危ないから
やめろっていつもゆーてるのにお前はほんまに!
しかも俺トイレ行っとっておらんかったから
何かあったとき助けられへんやろ!」
女の子B「結果オーライや!」
いい笑顔でグッと親指を立てる女の子Bの頭をスパンッと軽く叩いたのを見て、
女の子Aがくすくすと笑って、改めて2人にお礼を言ってました。
ちなみに男の子と女の子Bは美男美女で、
それはそれは絵になる様でした。
喪×2には眩しすぎてとても辛い空間でしたが、
素直に女の子Bが羨ましかったです。
世の中捨てたもんじゃないと思った日でした。
蛇足だったらすみません!