いじめられ仲間だった奴に 「なあ、A・B今ここでしばきまわしてんだけど、お前も2,3発殴っとく?」

昔々の話で、当時はTVにも取り上げられ結構騒がれた。

その事件当時私は大学生だったんだけど、
中学生の頃A・Bというやつらに
ものすごくひどい”いじめ”に遭ってたんだよね。

でも当時いじめ事件といえば、
被害者だけが有名になりどんないじめを受けていたのかを、
事細かに面白おかしく書かれたり公表されるだけで、
今みたいにネットで加害者や先生関係者が特定されてさらされたり、
なんてことはなく、
まあPCもDOSだなんだといってる時代だから仕方がないんだけどね。

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そしてある夏の日に元同級生(いじめられ仲間)だった奴から
電話がかかってきた。
電話の向こうでは何人かの話し声と、
誰かが泣いて謝ってるような声がうっすら聞こえてた。

いじめられ仲間だった奴に
「なあ、A・B今ここでしばきまわしてんだけど、お前も2,3発殴っとく?」
て言われたんだけど、
なんか電話の向こうでうっすら聞こえる声が怖かったので、
俺は返事ができなかった。

しばらくすると、
「やっぱ気にせんで。電話なかったことにしてくれや。」
と言われて切れた。
(中学の時は虫も殺せないようなおとなしい奴だったのに、
不良になっちゃったんかなあ。)
とか考えて、もうそのこと自体忘れてたら、
ある日警察から電話があった。
A・Bがずいぶんとひどい暴行を受けて殺されて、
犯人の自供の確認を取っているということだった。

俺は一瞬俺が疑われてるのかと思ったんだけど、
そうではなくて動機の解明ってやつで、
俺たちがされてた”いじめ”がどんなにひどいものだったのかを
確認に来ただけだった。
俺は正直にどれだけひどい”いじめ”だったかを伝えた。
警察は”いじめ”の話を聞くと、ため息をついて帰って行った。
結果、元同級生は集団でA・Bのリンチ殺人の主犯として捕まった。
残虐な犯行だということで死刑を求刑された。
執行されたという話は聞かないので、まだ塀の中にいるのかなと思う。
元同級生の家族はどこかに引っ越していってしまったから
もうよくわからない。

でも、TVなんかでは不良同士の対立という事だったけど、
誰だってあんなひどい”いじめ”を受けたら
あんな風になってしまうと思う。
実行はできなくても死ぬまで恨んで忘れられないと思う。
だって俺は今でもあのときたまたま行かなかっただけで
迷ってたんだから。
たまに、いじめられてた時の夢や
いろいろごちゃごちゃした夢を見ると思いだす。
警察の人が来た時も修羅場だったけど、
いまだに整理しきれないことがたくさんあって修羅場が続いてる気がする。
正直に言えば、誰にも自分のされたことを話したくない。

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警察に話したのは、殺されてもいいくらいのことを
したということを伝えたかったからで
そうでなければ、警察にだって話さなかったですよ。

心の傷になってる自覚はあるけど、A・Bともにもう死んでるので
自分が何かをすることはもうないだろうし話すということが本当につらい。
思い出したくもない。
自分のことを知らない人にだからかけるということもあります。

今もただ単に自分の運が良かったからとしか思っていません。
あの時、本当に迷ったんです。
子供のころから人様に手を挙げてはいけないと
何度も何度も言ってくれた両親のおかげだと思っています。

逆に言えば、そう言われてたから大した抵抗もできなくて、
いじめがエスカレートした部分もあるのだろうとは思いますが。

誰かをいじめたことがあったり
いじめてるなら
それくらいの恨みを持つ人間がいるかもしれないよ。

そのくらい人の心はわからないってこと。

もう1度書くけど、
俺は”いじめ”も”殺人”も肯定はしないよ。

ただ誰しも魔がさすってことはあるからね。

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