中卒で職歴もないろくでなしだった俺が
10歳上の嫁のおかげで人生が180度変わり、
弁護士になれたので結婚した。
趣味を通じて出会った俺と嫁。
当時はお互い好きな人がいたし
どうこうなるとは思わなかったが、
何やかんや交際へ。
交際中、俺の家庭が崩壊したので
一人暮らしを始め、嫁が転がり込む感じで同棲を開始。
そして所謂八大士業と呼ばれる資格を
嫁が目指していたので、学歴のない俺も
一発逆転目指して嫁に教わりながら勉強、
2人とも無事合格。
お互い結婚願望はなかったが、
俺はその道で食っていけるようになったら
嫁にプロポーズしようと思っていた。
だが、司法試験のシステムが代わり
中卒でも受けられるようになったので、
俺の能力を見込んでくれた嫁に背中を押される形で
司法試験を目指すことになり再び勉強開始。結婚が遠のく。
元々何でも勉強は好きで出来る方だったし、
初めの資格を取る時も司法試験用の参考書を使っていたので
勉強自体は苦ではなかったが、
事務所で働きながらだったのでキツいのはキツかった。
この時は本当に嫁に支えてもらった。
3年勉強して予備試験は2回受けて合格、司法試験は一発だった。
ぶっちゃけ俺天才じゃねって思った。
司法修習が終わって俺は晴れて弁護士になり、
そこでようやくプロポーズした。
「嫁さんと家族になりたいです、結婚してください」
って言ったら嫁はめちゃくちゃびっくりしてたし、
せっかく弁護士になれたんだから
こんなおばさんじゃなくてもっと若くていい子探しなよとか言われた。
だから俺にとって嫁は人生の転機どころか
人生そのものだと思ってるからもう他の人なんか考えられない、
今の俺があるのは嫁のおかげだから
死ぬまで一緒にいて欲しいと土下座する勢いで食い下がった。
俺が一方的に話しまくった後、短い沈黙があり
「…別れたくなっても別れてあげないから」
という一言。
この時の嫁の顔は今でも忘れられない。
誰よりも美しいと思った。
お互い忙しかったし双方の希望で結婚式も新婚旅行もせず、
婚姻届を出しただけだったが、
嫁と家族になれただけで幸せだし嫁もそう言ってくれる。
機能不全家庭で育ちメンヘラだった俺が
初めて生きようと思えたのも、生きてて楽しいと思えたのも、
こうして幸せになれたのも全部嫁がいてくれたから。
これからも苦労かけるだろうけど、
俺は全力で嫁を幸せにするよ。