俺が住んでたボロアパートが火事になった。大家が泣きながら謝っていたがその半年後に

俺が住んでたボロアパートが火事になった。
1階の一番道路に近いとこの部屋ら辺が火元で、
その上の部屋とか、
隣の隣の隣あたりまで、数部屋が焼けてしまった。

昼間だったからみんな出かけてて、
幸いにも怪我人は無かったし、全焼もまぬがれた。

俺の部屋は道路から一番奥だったから、
ギリギリ焼けはしなかったけど、
すぐ隣の部屋まで火がきてたみたいで、
消火の水で水浸しになってた。

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夜になって帰ってきて、家焼けてるから呆然としてたら、
大家さんのおばあちゃんが消防の人となんか話してるのが見えた。

大家さんはアパートの隣の小さい家に1人で住んでて、
年金と家賃で暮らしてるって言ってた。
毎日アパートの通路や階段を綺麗に掃除してくれて、
宅急便とか預かってくれるし、宅急便取りに行くと、
ついでにお菓子とか果物くれたりすることもあって、
会うと気さくに声かけてくれるいい人で、
俺もいろいろ話したりして、
結構仲良くさせてもらってた。

大家さんはボロボロに泣いてた。声かけたら、

「私がちゃんとみてなかったから、こんなんなっちゃってごめんね」

って、泣きながら謝ってくれた。

大家さんこそ、アパート無くなっちゃって、
これからどうやって暮らしていくのか心配になって
こっちも涙ぐんでしまった。

他の部屋の奴らが帰ってきて大家さんを責めてて、
大家さんはやっぱり泣きながら謝ってた。
家財道具全部焼けちゃって、
キレる気持ちは本当に良く分かるけど、
大家さんを責めるのは何か違うんじゃないか、
なんて思いながら見ていた。

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その後、消防の人からいろいろ聞かれたり、
他にもいろいろあったんだけど省略。

友達に事情を話したら、しばらく泊めてもらえることになったから、
俺は自分の部屋に行って、貴重品と、
あとまだ使えるものは無いか掘り出したりした。
服や本、家電なんかは全滅だったけど、
CDとか皿とか無事だったし。
その時も、大家さんは手伝ってくれた。

で、荷物まとめて、お別れだねって話をした。
また大家さんは泣いて、泣きながら謝ってくれた。
俺もまた涙ぐみながら、いろいろお世話になりました、お元気でって、
大変だろうけど頑張ってって、挨拶してわかれた。

それから半年後ぐらいに、
その焼けたアパートに住んでた人から連絡をもらったんだよ。
(何かあった時の為に、数人だけだけど、お互いに連絡先を伝えてた)

火事の原因は放火だったって。
しかも犯人が大家。アパートにかかってる
火災保険目当てだって。

なんじゃそりゃ?もう衝撃。衝撃杉。つーかババァふざけんな!

何で一番道路側に火を付けたかっていうと、一応俺とは
仲良くしてたから気を使ってくれたんだって。

冗談じゃねぇよ!そんな気遣い全然いらねーよ!!
どうしてくれんの俺の服とか家電とか!

あん時ババァ責めてた他の住民さん正解。大正解。

最後の荷物掘った日、記念にって
焼けたアパートの前で一緒に写真撮っちゃったよ!!
あの日の俺の涙を返せ!思い出すたんびにすんっげー腹立つ。
マジムカツク。

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