僕らこれで付き合ってるって言えるんでしょうかね

新年早々、両親の馴れ初めを聞いてしまった。
この気持ちをどこかで吐き出したい!

大卒父が勤めてた会社に事務員として高卒母が入社。

27にもなって女っ気無しのもっさりで存在感の薄い父を
同僚や上司が母の目の前で

「母山さんとお似合いだ」

だの

「父川はいい男だよ!」

だのとけしかけて、父を勘違い男に仕立て上げてしまった。

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母もささやかには抵抗したけど、
高卒で男女経験もない小娘の言う事なんて
誰も受け入れてくれずでとても辛かったと。

時間が合えば最寄り駅までずっと後ろをついて来て
自分だけ途中の喫茶店に寄ろうとして、
着いてこない母をじっと見るというのを
数か月も続けられてしまってた。

ある日突然、もう仕事を辞めてもいい!と腹を括った母が
父を振り返って文句を言おうとしたら、父が

「僕らこれで付き合ってるって言えるんでしょうかね」

とベソかいて問いかけて来たと。
母は大いに焦り、同時に激怒して

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「何も言ってくれないのに付き合えないでしょ!」

と誤返答。(母談)
すると父が泣きながら

「大好きです!付き合ってください!」

とお辞儀。母は

「最初から言えばいいのに!喫茶店行きたいのに!」

とまた誤返答。(母談)
涙目で嬉しそうにコーヒーを飲む父を見つつ、
ホットケーキを食べてた母は

「この人と結婚するんだろうなぁ」

と、しみじみと思ったと。

余談として、手を繋ぐのもキスをするのも
母が半ギレで促したことが
母にとって未だに悔しい事らしく、
生きてる間に言うのも恥ずかしかったとかで
思い出すたびに仏壇に向かって怒ってるんだってさ。
まぁ女としてはちょっと気持ちは分かる。

ちなみにこの馴れ初めの話、
父が言ってたのは

「母さんが可愛くて可愛くて仕方ないから口説きまくったんだ」

なのよね。

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