四月に入った新入社員数人が俺の課に配属され、
仕事のフォローしたり飲み会に連れていったりしている。
そのうちの一人が、俺に毎晩のようにメールしてくる。
「課長、昨日はごちそうさまでした。
今度二人きりで飲みにいきましょう」とか
「課長みたいな上司に出会えて、本当に幸せです」とか。(書いてて恥ずかしいな)
そんなメールをシタ嫁がこっそり見ているのを知っているが、あえて知らないフリ。
(やましいことないから、携帯はロックもかけずに机に放置)
心の中では笑いながら、こう言っている。
シタ嫁よ、俺にメールする部下は、
名前が女ともとれるが(まこと、とか、ひろみ、とかそんな感じ)
れっきとした「男」だ。柔道やってるイカチイ奴だ。
毎日メールしてくるのは、俺が毎日叱ったり、仕事のフォローをするからだ。
あと、社会人として一人称で「俺」はやめろ、と言ってあるから、
メールの一人称は「私」なんだ。
「最近、私が不倫していたときの貴方の気持ちが
分かってくるようになったの。本当にごめんなさい」
とさりげなく言い、以前にもまして俺に甘えたり、尽くしたりするシタ嫁。
そろそろ事実を公表すっかー、と思いつつ、この状況を楽しむ俺がいる。
俺、性格悪いな。
昨日、残業で遅く帰宅したら、幽霊のような状態でふらりと嫁が玄関に登場。
突然泣き出したかと思うと、半狂乱で叩いてくる。
「復讐?」だの「あてつけ?」だの、
しまいには「何でもするから離婚しないで!」とまで叫ぶ始末。
結局、事情を話して、誤解を解いたけど、
その際、例の部下に自宅まで来てもらったりと、大変だった。
因みに部下は部下で、紛らわしいメールを送ったことを反省していたし、
アッー的なメールは「ヨイショが入っていました」だとさ。
上司に前にヨイショとか言うなw
とりあえず「勘違いとはいえ、苦しませてゴメン。
でも、不倫される気持ちが良く分かっただろ?」
みたいな事を言ってやったよ。
嫁は嫁で号泣して「ごめんなさい」を際限なく繰り返していた。
あとさ「こんな苦しい気持ちになっても、私と一緒にいてくれてありがとう」とも言ってくれた。
正直、再構築後から色々言われた言葉の中で一番うれしかったな。
嫁に対する愛情が殆ど消えかかっていたけど(だから適当に再構築なんだけど)
今日仲直りデートしたら、心ならずも嫁にときめいてしまった。
まぁ、バカなサレ夫め、ATM乙って言われそうだけどさw
不倫発覚は明らかに嫁の様子がおかしかったから、興信所つけたら一発だった。
証拠書類見たときの絶望感と言ったら、一生忘れられないだろうね。
悩んだ挙句、離婚を考えたけど、先ずは嫁の考えも聞きたかったから、
単刀直入に「不倫してるだろ。俺と離婚したいのか?」って聞いたら、
泣いて謝って来て再構築をお願いしてきた。
原因は簡単に書くと若い男に誘われいい気になってしまったんだとさ。
家庭を壊す気は無かったんだと。
もちろん、それを「はい、そうですか」なんて素直に受け入れられないよな。
離婚して親権が嫁に行って子供と離れ離れになるのも嫌だし、
何より嫁が離婚反対なんでお決まりの協議、調停、裁判のコースのうち、
調停一回目でエネルギーが尽きた。
ショックで心身ともに力の入らない状態の俺には無理でした。へたれでスマン。
それで、もういいやって感じでズルズル再構築。もとい、
ただの法的な婚姻継続って感じだった。
正直、嫁と一緒にいるのが苦痛で、家庭から逃げるように
仕事に没頭していた。(おかげで出世できたけどw)
家に帰っても、嫁と会話する気が全く無かった。
(不倫前までは笑いながら話し合っていたのにさ)
そんな状態が半年以上続いて、なんだか再び疲れてしまった。
何に、って言うと、嫁を恨んだり、不倫を悲しむことに疲れたんだよね。
何で悩む必要があるんだろう?苦しんでなんかいいことあんの?
って計算的な考えが生まれた。
そしたら、なんか心がスッキリしてしまった。
好きになった女が、俺の子供をきちんと育てて、美味い飯を作り、
毎朝パリっとしたワイシャツを用意してくれるんだからいいじゃん、と。
それこそ、ここのスレタイ通りに「適当」でいいじゃん、と。
それと、こんなこと書くと叩かれるは承知だが、
興味をなくすことが嫁に対して最大の復讐になるんじゃないかとも思った。
実際、不倫前後で態度の変わった俺に嫁が悲しんでいるのは知っていたし。
妻ではなく、仲のいい女友達(但し体関係はない)
みたいな感じといえばいいんだろうか?
で、自然と嫁との会話も復活。冗談も言えるようになった。
嫁も無視よりはマシと割り切ったのか、笑顔が少しずつ戻ってきた。
それで今に至るわけなんだが、今回の事件もその延長線上みたいなものだった。
自分としては、親友をからかうような、ちょっとした復讐のつもりだった。
メールするくらいだし、本当に不倫していたわけじゃないし、
そんな気もさらさら無いからね。
まさか嫁があそこまで苦しんでいるとは、その点は深く反省している。
自分の場合は、たまたま目の前に転がり込んだ機会を手に取り、
それが良い(?)方向に運んだだけだと思う。
もし部下のメールが無ければ、夫婦関係は近い未来に破綻していたかもしれない。
その点はラッキーと言えるだろうね。
だから決して他人に誇れるようなことではないし、逆に皆さんのレスを読んで、
却って恐縮してしまい、ここに真実を話すことにしました。
俺の場合、本当の再構築はこれからだろう。
今度は適当ではなく、真摯に向き合うことになるだから、
このスレは卒業かな?とにかく頑張ってみます。