嫁不足の村に嫁いできてやったんだから 農作業はしないが豊かな生活を保障しろ

昔、私がまだ小学生だった頃、
嫁不足の私の田舎でお見合い番組の収録があった。
ナイナイの前、紳助がやってた頃。
小さかった私は自分の街がそんなに嫁不足だったことも
その番組に村がどれだけ力を入れてるかも良く分かってなかった。

でも、独身だったおじちゃん(父の兄)が
親戚の人たちに物凄く応援されてて
なんか凄いことがあるんだってことだけ理解してた。

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おじちゃんは一番二番人気ではなかったけど家には5人ぐらい来てて
最終的に告白した20代の女性にOK貰って付き合い始め、
その人はおじちゃんのお嫁さんになった。
父も母も祖父母も、みんながでかしたでかしたって喜んでて
村でも割と大きな規模で結婚式をやった。
私も姉も、華やかな雰囲気の花嫁さんにうっとりしたものだった。

が、しばらくするとその女性が本性を出してきた。
嫁不足の村に嫁いできてやったんだから
農作業はしないが豊かな生活を保障しろって態度。
おじちゃんからお金を引き出しては東京に遊びに行って
あれやこれや買い物して帰ってきた。

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当時は千疋屋なんて店があることすら知らなかったけど
そこの高級な果物をしこたま買って帰ってはひとりで食べてた。
旅行なんかもしょっちゅうしてた。
おじちゃんとじゃなくて、両親や自分の地元の友達と。
もちろんお金の出どころはおじちゃん。

その番組が馴れ初めで結婚した夫婦は
おじちゃんとこ以外にも何組かあったが
子供も生まれて夫婦仲よくて、家業もしっかり引き継いで・・・って所は
3組ぐらいだったと思う。
結婚してもすぐに「やっぱり田舎は嫌」って実家に帰っちゃった人もいたけど
そっちの方がまだマシだったと思う。
おじちゃんは結局、おじちゃん名義で貯金してたお金を殆ど食いつぶされて
3年ぐらいで離婚した。子供もなし。

当時はおじちゃん可哀想、女ひどい、と思ってた。
でも大人になって結婚すると、違った角度から見えてくるものがあった。
確かに女も酷い。
でも年収1000万とか見栄張って、農家だから必要経費とかもあるし
年収には波があるのにそういった話はきちんとせずに、いいとこだけ話して
年齢とちょっとばかり見栄えのいい女ってだけで選んだおじちゃんもアホ。

おじちゃんが番組に出演した頃、すでに40歳になってたと思うが、
そんな崖っぷちの独身男が、番組に出た途端に若い女に目がくらむのは
一体どういう病気なんだろうと今でも思う。

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