就職して一人暮らししている時に食費を節約するため
会社からの帰り道にあるスーパーの弁当売り場で
弁当を買って帰ってたんだがそこの従業員だったのが妻。
仕事柄、制服にエプロンに帽子にマスクをつけていることが多く
何となく気にはなってたが基本俺と同じくらいの年齢
で名札を見て〇〇さんって言うのか程度の認識しかなかった。
それどころか妻の同僚のおばさんと仲良くなって良く世間話してた。
ある日、いつものように弁当買いに行ってたら
レジに立ってたおばさんと妻が暗そうな雰囲気で
ボソボソ話してて俺に気付くと急にいつもの笑顔で
「いらっしゃいませ」「いつもありがとうございます。」
と言ってレジを打ち、弁当を受け取る時、おばさんが
あのね。この娘(妻)今彼氏がいないんだって。
俺君もし彼女居なかったら付き合わない?とダメモトな感じで言って来た。
あっ〇〇さん彼氏と別れたのかと悟り、
その時俺も彼女と大喧嘩してしばらく会って無い空白期間だったし
え?俺で良いの?本当に?全然大丈夫。と二つ返事で答え、
妻と日にちと待ち合わせ場所を決め
何故か名刺を渡し、職場も教えた。
(今思えば身分を明かして妻を安心させるためだったんだろうな。)
その時妻の顔を見て改めて思った。
やっぱ〇〇さん中学の時の同級生?
いや、そもそも苗字違うし
それにこんなところ(失礼)で働いている訳無いよな・・・と。
中学の時の同級生とは初恋で二年と三年の時に一緒なクラスになり
よく話はしていて恋心を抱き何度も告白しようかと思ったが
成績は上位で俺は中くらい。不釣合いこの上無く
初恋が進学校を目指しているのを聞いて完璧に諦めた。
卒業式の後、教室に集まり担任の挨拶が終わり、
解散する時に初恋が友達数人と出て行く時の
後ろ姿が今も焼き付いて忘れられない。
次の週の月曜祭日にホームセンターの駐車場で待ち合わせしたんだが
車で妻の側まで来ると笑顔で頭を下げた。
その時私服で髪を下ろした(店では後ろで縛って帽子被ってる)妻の姿を見て
やっぱ中学の時の初恋の●●さん・・・
いややっぱり違う他人の空似だわと心の中で悶えた。
早速妻を車に乗せ涼しいところに行きたいって言うんで
車で一時間半の場所にある県指定天然記念物の鍾乳洞へ行った。
よくもまぁデートでセンスの無いところへ平気で行ったもんだなと
我ながら思うわorz
車の中で妻の下の名前聞いて驚いた。
中学の時の初恋と下の名前と読みは一字違いで好きな芸能人と同じ
例を上げれば 初恋 友里恵 妻 有紀恵 女優 由紀恵 (本当は〇〇美)
年齢も同じだが年度を跨ぐので厳密には一つ下
当然ながら初恋とは別人。
行き当たりばったりだったが鍾乳洞は結構土産物屋があり
観光客で賑わっていて
鍾乳洞なんか来たことが無くてとても新鮮だったと言ってくれたし
あれこれ土産物買って楽しんでた。
夜は回転寿司(orz)で軽く食って待ち合わせ場所まで送ってメルアドを交換・・・
何と携帯の番号まで教えてくれて(感動)その日は別れた。
「今日は楽しかったです。気をつけて帰ってくださいね。
明日もお弁当買いに来てください!」
と小さく手を振りながら見送る妻を見て俺は誓った。
俺でも手が届く初恋のスタンダードグレードを見つけた!
(失礼この上ないorz)絶対に結婚してやる!と
それからしばらく経って彼女から電話とメールがあり、
俺どうしたら良いんだ?と思った。
これまでは彼女と付き合って約4年。
20代も中盤になりお互い結婚する認識で進んでいたと思うし
そのつもりで付き合ってた。大喧嘩とは言え、
俺はしばらくしたら仲直りしようと心の中で決めていた。
そしてまたこれまで通りの生活に戻るつもりだったが
妻との出会いで大きく変わった。
思い切って彼女に別れ話を切り出したら当然ながら揉めて思わず
恋愛に浮気も何も無いみたいなことを言ってしまい
絶縁宣言された。夜、寝てたらあまりにもの罪悪感から
目が覚め彼女の家の方向に向かって泣きながら土下座したわ・・・
未だに元カノのことをふと思い出し罪悪感に苛まれる・・・
妻と付き合い始めて頻繁に顔を会わせているせいもあってか、
数ヶ月で何年も付き合っているかのように打ち解けて
全てが順調に進んでいると思っていた。・・・が、
まさかの事態が発生した。
妻が急に携帯電話を換えて番号もメルアドも変えたと言ったので、
携帯換えたの?あれ?同じメーカーじゃん。
わざわざ番号変えなくても大丈夫なのに・・・。
なんて話しながら新しい番号とメルアドを聞いていたら
突然、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!と言って泣き出した。
俺は一瞬何が起こったのか分からなく、ポカーンとしていたが
我に返りとにかく妻を落ち着かせて何故泣いているのかを聞くことにした。
すると妻の口から「前の彼と何度か会ってました。」と言ってまた泣き出した。
それを聞いた瞬間頭の中が真っ白になって何も言葉が出なかった。
しばらくの静寂のあと妻が口を開き涙声で
「元彼にはもう会いませんとはっきり別れを告げて
番号もアドレスも変えました。
元彼には絶対に言ってません。」と言い
再び静寂に包まれた。俺は何を言えば良いか分からず、
ちょっと考えさせてくれと言ってその場を立ち去った。
俺はかなりショックを受けて最初は怒りしか湧かなかったが
数日経って落ち着いて考えられるようになれば そもそも俺には怒る資格が無い!
喧嘩の冷却期間を拡大解釈し、他の女(妻)と付き合って乗り換えた
妻と付き合った理由が初恋と似ているからとまともじゃない。逆に捨てられる。
それに妻は黙っていればバレないことなのに正直に俺に話してくれた。
と言うことに気付き帰宅している時間帯を見計らって妻に電話した。
電話をかけたら即、もしもし俺さん?と妻は応答し
俺はこれから会いたいと告げていつものホームセンターの駐車場で妻と待ち合わせた。
妻に詳しく聞き取りして、元彼とは本当の本当に別れたこと。
男女の関係はしていないことを確認し、
妻にこれからも付き合って行きたい旨告げると妻は緊張の糸が切れたように泣き出した。
妻はどうやら俺からの電話の声がかなり冷たい口調に聞こえたらしく
別れ話だと覚悟していたらしい。
そして落ち着くとそのまま仲直りの食事
(回転寿司・・・orz)に行きカウンターに座り
極力雑談のような雰囲気でそれとなく事情聴取した。
やっぱ情が絡むと割り切れないところも出て来ます。
この罪を一生背負って生きて行く覚悟です。
妻の話を総合すると、確かに一度は別れたが
俺と付き合い始めて一ヶ月くらい経って
元彼から会いたいと電話が有り、最初は断っていたが気迫(?)に負け、
4回程度(本人申告)会ってしまったらしい
その会った時間のほとんどが寄りを戻す交渉(本人談)
だが元彼と会う度に俺に対して申し訳なさが募り、
今度こそ本当に別れ、携帯も換えたとのこと。
最初は黙っておこうと思ってたらしく、
前の携帯をトイレに落としたとか迷惑メールがうっとおしかったとか
理由を考えていたそうだが、とても嘘なんか吐けず本当のことを言ったらしい。
俺もそれ以上の詮索はしなかった。妻との修羅場は今のところこれだけ。
それからしばらくはお互いよそよそしくなったが
気が付くと以前と変わらない関係に戻っていた。
ある日、妻と買い物に出かけレジで並んでいる時、妻が、
俺君ちょっと私メガネ見て来たいからあとお願いして良い?。
あっちのほうで居るから。と言ってメガネ売り場へと向かって行った。
会計を済ませ妻のところへ行き、あれ?妻ちゃんメガネ掛けてた?と聞いたら
あれ?知らなかった?いつもはコンタクトなんだけどいざっていう時の為に一応持ってる。
たまにしか使わないからレンズの度数が合わなくなって替えようかなーと思ってるの。
と色々試し掛けしている時、俺に悪魔の声が囁いた。(その時それを止める天使など居なかったな)
初恋がたまに掛けていたアラレちゃんメガネ(そういう世代です。)を見つけ
さりげなく案外これなんか似合うんじゃないの?と妻に言うと、
それ?色違いだけど同じようなの学生の時に掛けてたからいいよ
と言った。こいつどこまで初恋とリンクしてやがんだ!?と心の中で叫んだわ。
そうなんだ。じゃあ掛けて見てよ。と言うと妻が、
えーっいいよー。昔ずっと掛けてたからー。
と乗り気じゃ無かったが
俺は食い下がって、学生の時の妻ちゃんどんな感じだったか
知りたいからいいだろ?ちょっとだけ!と言ったら
えーっ何か恥ずかしいと言いながら妻がそのメガネを掛け、
照れくさそうに俺を見た。
その瞬間妻にセーラー服着せて押し倒し、
むしゃぶりつきたい衝動に駆られたわ(変態5秒前・・・)
・・・あの頃はそう思わないよう努力はしてたんだが
初恋の代わりって気持ちが圧倒的に強かった。orz
しかし本当に良く似ていた。
妻と初恋を切り離して見られるようになり
プロポーズを考え始めたんだが、ヘタレなもんで・・・
「ごめんなさい。」なんて言われてこれまでの関係が壊れたらどうしようなんて
考えてしまい言い出すことが出来ず、
ズルズルと一年、一年半、もうすぐ二年と過ぎ先延ばししているうちに
同僚が事故で入院。専門外の仕事を強引に引き継がされ
もう仕事のことで頭が一杯になって会う機会が急に減らしたんだよな。
あの時は仕事が忙しくなったと事前に断ってはいたが
余裕で2週間くらい会わなかったり
会っても食べるだけ食べてさっさと帰ったり
ほとんどメールも送らなかったり返信も放置とか次の日とか
怪しさ百点満点なこと平気でやらかしてたんで
いろんな意味で危険領域の奥深くまで入り込んでいたかも知れん。
そんな中、今日はもう無理と思い、いつもより早めに仕事を切り上げ
さっさと家に帰っていたが、気力を振り絞り妻に電話。
〇〇〇(店名)で食べよう!と誘うと妻も
「まだ晩ご飯食べて無いから大丈夫だよ。行く!」
とおkしてくれた。
その時の妻の声がとても嬉しそうに聞こえたな。
店で待ち合わせ食事を採り一息ついてボーっといると
店内に聞き覚えのある曲が流れていることに気付き
俺「お?この唄久しぶりに聞く。この唄良いよな?」
妻「あっ私もこの唄も好き!テンポ良いよねー。あ~最初から聞きたかった~っ。」
俺「俺CD持ってるわ。今度持って来る。」
なんて半分上の空で話していたが唄の歌詞が現状に被っているように思えて聞き入ってしまった。
曲が終わりしばらくの沈黙の後、
今しか言えない!と、思い切って「(妻)ちゃん、結婚しよう」と言ったら
妻は絶句して、え?今・・・ケッコンって?・・・ てな感じだったので、
もう一度「結婚してください。お願いします。」と頭を下げたら
口に手を当て目を潤ませながら頭を下げ
「こちらこそよろしくお願いします・・・」と言って泣き出した。
・・・焼き鳥屋でorz
笑い話で済まされる頃になって、たまに会う時の俺の雰囲気から
本当に仕事が忙しいと信じてはいたけど
どう考えても怪し過ぎる俺の対応で実は無茶苦茶不安だったと言ってたw
プロポーズした時、斜め向かいで食べていたカップルが
こちらを見たまま動かなかったのが印象的だったな。
あの二人も結婚してたら良いな。
その後、婚約指輪買おうと思ったが
(妻は結婚指輪だけで良いと言ったがそういうわけには行かない)
結局時間が取れずプチ資産で持ってた時価5万円相当の
小さくて薄っぺらい金の板(一応24金)を渡し
保証書(ただのレシート?)は俺が持ってるから現物は
妻が持ってくれと訳の分からんこと言って婚約の証とした。
そして結婚して現在に至る。
妻と名前が一字違い(間違っても初恋の名前ではないぞ!)
の人に妻の心を奪われてしまって寂しいので
あの頃を(嘘、大げさ、紛らわしいJAROに電話込みで)思い出して書いた。以上。
大黒摩季のら・ら・ら
ホント、奇跡のタイミングだったわw