観光でシドニーを訪れていたとき嫁に雰囲気のよく似た女性を見かけた

初めて会ったのは俺が27、嫁28のとき。
嫁は俺が昔つとめていた会社の取引先の社員だった。
それから嫁が会社を辞めたのは知り合ってから
半年ほど経った頃。

顔を合さなくなって以来2か月程経ち、
俺が観光でシドニーを訪れていたときのこと。
ホテルで朝食をとっていると
近くのテーブルで嫁に雰囲気のよく似た女性を見かけた。
似てる気がするけど、まさかなと思っていた矢先、
植物園の近くで写真を撮っていた嫁に話しかけられた。

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嫁もホテルのエレベーター前で俺を見かけたときから、
もしかしてと思っていたらしく「奇遇ですね」と少し話しをした。
別れたあと、その後市内でその日のうちに
シティレールやオープンカフェ等で顔をあわせること3回。

そこで旅行の話をしてわかったのは
参加しているツアーは違ったが日程が似ていること。
当時の俺は深く考えるよりも先に
「こんなところまで来て、日本で面識のある人に会った」という不思議さから
「夕食を一緒にとりませんか」と誘った。

それからは向こうの快諾で、
残りの2日間を結局ほぼ一緒に観光した。
お互い写真を撮るのが好きなのもわかったので、
撮った写真をまた見せ合おうとも話して連絡も交換し合った。
一緒に観光した2日間は楽しかった。
その頃はこれも社交辞令のようなものだと、
特に帰国したあとのことは考えていなかった。

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実は過去にも、他国で親しくなった
初老の男性と帰国後会う話をしたことがあったが
連絡をとりあうことはなかったので。
嫁が言ったのもきっとそれと同じ類だろうと。
「○○市まで行く用事があるので、
もしご都合が合えばお会いしませんか」と
嫁から連絡が来たのは帰国してからまもなくのこと。

それがきっかけで会うようになったが、
1~2回の時点ではまだ「元会社の関係者」で
「このあいだ観光であった人」でしかなかったし、
女性として意識していなかった。

食べ物の話や好きなこと、仕事のこと。
色々話しながら何度か会っているうちに感じたのは
俺と行動するペースがよく似ていること。
嫁といると無言でいるときの時間さえラクに過ごせる自分に気づいた。
まだ付き合ってもいないのに。

喫茶店で本読んでいて、
そろそろ別のところ行こうかなと思ったとき
「お時間大丈夫ですか?そろそろ行きますか」
とニッコリした嫁の顔見て
この人と居たら長い時間いても
多分居心地いいんだろうなあと思ったのは覚えてる。
あの直感は今でも間違ってなかったと思うことがある。

告白したのは数日後。
それから普通に付き合い始めて、
プロポーズより先に結婚の話になったぐらい自然に進んだ。
その後家に挨拶に行く前に正式に結婚の申し込み。

旅行した日、嫁にとっては
シドニーに住む友人に会うのが一番の目的だったそうで
その友人が住んでいる場所によっては、
嫁の旅行プランも変わっただろうし
観光先が違えば会うこともなかっただろうから、
どこで人がつながるかは本当にわからんものだなと思う。
文字にすると味気ないけどこんな運びでした。

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