向かいに金髪ピアスと小2の兄弟が4人いる家族が引っ越してきた

出会いって不思議だなあと思ったこと。フェイク入り。

長男大学生、二男三男高校生、四男息子と同い年の小二の家庭が
うちの向かいに引っ越してきた。
長男二男三男は金髪ピアスで、引っ越してすぐコンビニ前でたむろ、
四男は真夜中までその辺をうろうろしていて、これはやばいなと思った。

四男は人に近寄る子じゃなく、むしろ逃げる子だったんだけど、
不潔な身なりで物陰から様子をうかがい、見つかると逃げて、また物陰から…で、
真夜中でもやってるんでオバケと呼ばれていた。
大人にも子供にもやるんで、気味悪がって誰も公園で遊ばない。
午後八時くらいに、老夫婦の庭の物陰に四男が座り込んでいて、
老婦人がものすごい悲鳴を上げて警察が来たこともある。
町内会で親に注意しに行ったら、
「じゃあそっちで面倒見て。近所の助け合いでしょ」と話にならない。
警察と児相に連絡しても動かないから、遠巻きにしていた。

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放置家庭が来て二か月ちょっとくらい、息子の遠足の前日の夕方に、
うちに長男が突撃してきて、
「ガキのリュックと、レジャーシートと、弁当箱って、どこ売ってるんすか?」
と聞いてきた。
インターホンで対応してたんだけど、片手に息子と同じ遠足のしおり、
片手に携帯で長男は一生懸命メモとってた。
大体の予算も教えたら、「あざっす」と帰って行った。
遠足が終わった翌日に、お菓子が入ったコンビニ袋を持って
「チビを遠足に行かせてやれたっす。まじ助かりました」
とあいさつに来た。
それからもときどき上の三人が、学校用品はどこに売ってるのか、
子供服はどこに売ってるのか、雑巾持たせるってどうするのかと聞きにきて、
教えると三人ともコンビニ菓子を持ってお礼に来た。
夏休み前には四男の徘徊もなくなっていた。

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上三人と二言三言話すようになって、上三人は母の連れ子、
四男は父の連れ子の再婚家庭で、
母は四男が継子だから一切無視で家にも入れず、
父は実の息子はかわいいけど、義理でも女親が何とかするだろうで何もやらず、
上三人が見かねて世話してると聞いた。

実際に遠足の時は、長男が四男連れて車でリュックを買いに行き、
二男と三男が早朝にコンビニで弁当やサラダ、お菓子を買ってきて
買ってきた弁当箱に詰めなおして送り出したそうだ。

二男が遠足のしおりを見つけて、四男に聞いてみたら、
四男が用意してたのが、茶色いしみがついた父のいらない手提げ鞄に、
柿ピーと水道水入りペットボトル、シート代わりのビニール袋だったそうだ。
上三人は母子家庭でわりとネグレクトで育ったらしくて、
普段から子供だけでお菓子やファストフードを食べて育ち、
母に恋人ができれば家を追い出されて、
遠足はボロボロのリュック、二、三本のウインナーに白飯の弁当、
お菓子なし、水筒なし、シートもなしで先生に分けてもらった思い出から
いてもたってもいられなかったそうだ。
その後は、夏休みは上三人が、夏休みの宿題の絵のために
四男を動物園や水族館に連れて行ったり、
冬には行きにつんつるてんのコートを着て三男と出かけた四男が、
ちょうどいいサイズのコートを着て、服の入った袋を持って
二人で肉まん食べながら帰ってきたりしてた。
数年たった今では、上三人は落ち着いた髪の色で、ピアスもなくなって、
すっかり普通の兄ちゃんになり、四男も優等生寄りの普通の子。
この前、引っ越してきた当時は眉がなかった二男が、
四男がいなかったら自分は極道になってたとしみじみしていた。

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