職場の同僚Aさんの子供が誘拐された。Aさんと仲が悪くて有名なBさんが犯人ではないかと疑っていたが

だいぶ誤魔化すけど

職場の同僚Aさんの子供が誘拐された。
当時はものすごく衝撃的で、本当に信じられなかった。
あんまり関わりのある人でもなかったけど、
テレビを見た時ものすごく驚いた。

出勤すると、やっぱりその話で持ちきり。
私の隣のデスクにはAさんと仲が悪くて有名なBさんが居るんだが、
その日は有給をとって休んでいた。

心ない人たちが、Bさんが誘拐したのでは?と言っていた。

スポンサーリンク

翌日、Aさんが当分休むこと。
何かあれば力になってあげようという話があがってた。
Bさんはその日は普通に出勤、普通に仕事をしていた。
Bさんが普段通り仕事をしているものだから、
余計に周りが「Bが怪しい」「警察に言うべきでは?」と
ヒソヒソして居る人がいた。

まあ、実際はBさんは、法事があって休んでおり、
アリバイがあるので関係なかったんだけど
「Bが指図してやった」とか言う人も居た。

テレビでは、Aさんが家族とビラを配ったり、
職場の人たちもビラを配ったり、
泣きながらAさんの子供さんが早く見つかりますようにと言っていたり…

職場の人の家族全員でAさんを励まそうと盛り上がったり、
少しずつ異様な雰囲気にはなっていた。

BさんはAさんを励ます会で盛り上がる人たちを冷めた目で
「俺ならそっとしておいて欲しいよ」といつも言っていた。

数ヶ月後、Aさんが職場復帰することになった。
職場の人たちは何故か、職場の入り口から建物に入るまで
全員並んで拍手で迎えよう!となり

「うちの娘の吹奏楽部を呼びましょう!」
「花束を渡そう!」
「幸せの黄色のリボンを結ぼう!」

と大盛り上がり。
ちょっとそこまでしなくても…と思っていたら、案の定、Bさんが

スポンサーリンク

「なんだよ、お前らAのこと何にもわかってねーんだな、気持ち悪い!」

と叫んだ。
盛り上がってた職場の人たちはBさんに対して
「人でなし!」「最低!」「気持ちがわからないのはお前の方だ!」と怒っていた。

Aさんが出勤した日、予定通り、
全員がAさんに励ましの言葉を言いながら拍手で出迎え、
吹奏楽部は用意できなかったのか「翼を下さい」を流し、
一番、Aさんを励ましたいと言っていたおばさんが花束を渡していた。

みんな胸ポケットに黄色のリボンをつけて出迎えていた。
Aさんは「ありがとう」と何度も言いながら頭をペコペコさせていたけど、
Bさんだけが、黄色のリボンをつけず、いつもの仏頂面で立っている姿を見て、
号泣。

Bさんに駆け寄り

「B、お前だけだよ!俺の気持ちわかってくれるやつは!」

と言い、花束を床に投げつけ、会社を飛び出し戻ってこなかった。
Aさんの為に盛り上がった人たちは

「私達がAさんの為にどれだけ頑張ったか認めてくれないなんて!」

と斜め上の方向にショックを受けていた。
その後Aさんは休職、Bさんも体調不良になり退職、今は実家の手伝いをしてるとか。
私も結婚を期に退職。

もうAさんの子供のことはニュースで話題にも上がってない。
探しての張り紙をたまに見るけど、一向に見つかってない。
子供が行方不明になると、必ずAさんのことを思い出す。
あの子はやっぱりもう頃されてるのかな
犯人はどこにいるんだろうかとか
色々考えてしまう。

行方不明のままです。
私やほか数名は、事務的な立場なので社員のことに何も言えませんでした。
中にはおかしいと思っていながらも、言い出せない人も多かったです。
職場は今もありますよ。花束を渡した女性は今は管理職をしていると聞いています。

宗教法人ではないですが、強い思想を持った人が数名居ました。
まともな人は割と早くに退職しますし、
中には私みたいに給料が良かったので割り切って仕事をしている人も居ました。

スポンサーリンク