高校時代、地下鉄で通学していたとき、 制服のブラウスのボタンが突然弾け飛んだ

高校時代、地下鉄で通学していたとき、
制服のブラウスのボタンが突然弾け飛んだ。

ちょうど胸の辺りだけが弾け、胸だけが開く格好になった。
その頃は衣替えで半袖のブラウスしか着ていなくて、
開いたブラウスから胸元と下着が見え、
恥ずかしくてしゃがんでしまった。

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周りは興味本位で覗き込んでくるサラリーマンや、
ひそひそ話をしながらこっちを指差して笑っている
同じ女子高の生徒ばかりで、起き上がることもできず、
鞄で胸元を隠したまま半泣きになってしまった。

すると

「あらあら、お嬢さん大丈夫?」

と上品そうな初老のご婦人が声をかけてきてくれた。

「ちょっとすいませんね」

と周りに散らばったボタンを拾ってくれ

「お嬢さん、恥ずかしかったでしょう?こんなおばちゃんの服でよければ、ちょっと羽織ってて」

とカーディガンを羽織らせてくれた。

次の駅で私の肩を抱いて一緒に降りてくれた。

「これを縫わなきゃねぇ。でも、学校にはもう間に合わないでしょう?
おばちゃんが電話しておきましょう」

と学校と家に電話をしてくれた。
当時は携帯電話などなく、ご婦人は公衆電話から自腹で事情を説明してくださり

「お母さまがすぐ来て下さいますって。よかったわねぇ。
もう少し、辛抱してね」

と紙袋から上品そうなカットソーを手渡してくれた。

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「トイレで着替えるのなんて恥ずかしいかもしれないけれど、
これを縫わなきゃいけませんからね。こんなおばちゃんのお洋服だけど、
勘弁してちょうだいね」

トイレでご婦人のお洋服を着させて頂いた。
ベンチでご婦人にブラウスのボタンを縫ってもらう。
その間も色々と話して下さり、飴玉を頂いたり、
ジュースを買って頂いたりと本当に気を遣って下さった。

そろそろ縫い終わりかな、という頃、
母が駅に来てくれた。

平身低頭で母が感謝する中

「おせっかいかしらと思いましたけれど、真面目そうなお嬢さんが困っていらっしゃるのを
見ていても経ってもいられなくて…」

と逆に恐縮するご婦人。

「お嬢さん、はい、縫えましたよ」

すぐに、制服を渡してくださった。

「あの、お洋服…」

と言おうとすると

「いえいえ、困るものではありませんから…」

とそのまま帰ろうとするので、母が

「それだけは困ります」

と何とか連絡先を聞いた。
ちゃんとクリーニングに出し、両親と三人でお礼に伺うと、
逆に恐縮されてしまった。

その後も親戚のようなお付き合いをさせて頂いてます。

 
長くなりました。ごめんなさい。
 

 

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