弟と一緒に小遣い貯めてファミスタを買って弟を待っていたら事故にあっていた

もう十数年も前の話。

当時小学生だった僕は、ファミスタという
ファミコンの野球ゲームが欲しくてたまりませんでした。

弟も欲しくて、2人で小遣いをためて
やっと買える金額になり、僕が買いにいきました。

無事買って、弟が塾から帰ってくるのを待っていました。
たった数時間が、とても長く感じたものです。

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しかし、弟が帰ってきたのは遺体となってでした。
塾の帰り道、自転車のチェーンがはずれて転倒して、
頭を強く打って即死だったそうです。

その自転車は親の反対を泣きながら押し切り、
修理して僕が乗る事にしました。
兄弟で貯金して買ったファミスタは一度もやることなく、
物置にしまいました。

それから3年ほどたっても、まだその自転車に僕は乗っていました。

ある日、その自転車が盗難にあってしまいました。
しかし次の日、驚くべき形で見つかりました。
なんと、盗んだ人が自転車をこいでいると、
突然チェーンがはずれ転倒し、車にはねられて死んでしまったのです。
僕も両親も、警察には弟が同じように死んだ事は黙っていました。
自転車はチェーンがはずれただけで、あとは傷ひとつついていませんでした。

さすがに変だなと思い、今度は両親がこの自転車を処分すると言いました。
でも僕はものすごく泣きじゃくり、

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「捨てるのだけはやめてくれ」といって、家の裏に置いておくことにしました。

そして僕が高校生になり、学校に通うための自転車を新しく買いました。
ところが、チェーンがしょっちゅうはずれる。
僕は、弟が寂しがってちょっかいだしてきてるんだなと思い、
よく泣きながらチェーンをはめたものです。
変な目で見られたりしたもんです。

でもいくら兄弟でも、そういう事があるとやはり怖いです。

ある日、ふと物置から、ファミコンとファミスタを出しました。
そういえばまだ一回もやってないっけと思い、
部屋まで形見の自転車の椅子と一緒に持っていきました。
椅子を自分の右に置いて、ファミスタを1人用でやりました。

「みたか?よしむらでホームラン打ったぞ」

なんて椅子に話しかけて。

終わって電源を切ってぼーっとしていたら、

「おにいちゃん」

ってはっきり一度だけ聞こえた…。
何度呼び返しても、もうそれを聞けることはなかった。
それからは、霊というのを信じるようになりました。
今日6月14日は、弟の命日なのです。

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