当日挙式の時間になっても新婦&新婦家族がこなかった

今から30年近く前の話。
見合い結婚の新郎新婦だったが、
当日挙式の時間になっても新婦&新婦家族がこなかった。
ようやくやって来た新婦両親は真っ青で憔悴しきった様子。
新婦が脳味噌にホテイアオイが群生したような置手紙を残し
トンズラこいたという。

曰く「義理もあり、新郎さんに不服もなかったので一度は結婚を決意した」
「でも、式間近になって、私は運命の愛に出会ってしまった」
「私は、女として、この真実の愛に生きたい」
「新郎さん、きっとあなたにも運命の人が別にいるはずです。その人を幸せにしてあげてください」

新郎呆然、怒りに震える新郎親族、続々集まる招待客、
途方にくれる式場スタッフ&受付係。
どうするどうなるのカオス状態。その時新郎が言った。

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「…今日は僕の30歳の誕生日なんです。誕生パーティをしましょう」

そのまま招待客にはお席についてもらい、
高砂席のど真ん中に新郎着席。

「今日は僕の誕生パーティにようこそw…って、
こういうのやってみたかったんだよなあwww」

うすうす事情を察しながらも、
新郎の決死のノリにあわせる優しい招待客たち。
さすがに余興・スピーチはそのままとは行かなかったが、
余興でバイオリン演奏を頼まれていた新婦友人が、
所属のアマ管弦楽団のメンバーに連絡を取ったところ、
手の空いてた何人かが来てくれてプチ演奏会。
和やか…とまではさすがに行かなかったが、
「お誕生会」はなんとか終了した…という。

ホテイアオイ新婦は一年たたないうちに
「真実の愛」とやらに捨てられて、実家にリターン。
真実の愛の結晶が腹にいたため、
父親が軟化して家には入れてもらえたらしいが、その後は不明。

一方、「もう女の人とは縁の無い人生でいいわw」
と仕事一筋に打ち込んで行った新郎は、
数年後雪道で立ち往生していた女性のチェーン装着を手伝ったのが縁で
その女性と結婚し、
二年後に私の父親となりましたw

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昨夜実家に電話して、費用などの話を聞き出そうとしたのですが、
「フッ…そんな昔の話は忘れたぜ」とスカされてしまいましたw
(アルツハイマーさんか!?と突っ込むと、
「違う!ハンフリー・ボガートさんじゃ!」…植木等みたいな顔してるくせに…)

誕生パーティwの御祝儀について、
父は「受け取れるわけないじゃろw」と言ってましたが、
祖母の話だと親戚の人とかで「お食事のお礼」と、
後で送ってきた方とかいたそうです。

先方様のことも含めて、そのあたりの話は祖母もあまりしたくないようなので、
ムリには聞かないことにしました。 ごめんなさい。

つか、父が「誕生パーティをしよう!」と言い出したとき、
祖母は、ショックで父がちょっとどうにかなってしまったんじゃないかと
思ったそうです。

父は

「あの時、俺の周りの人はいい人ばっかりだなあ、と思った。人は大切にせんといかん」

「まあおかげで○子さん(母w未だに名前で呼び合う夫婦ですwww)と結婚できたから、
結果オーライじゃ」

とか笑ってますが、
今でも人と待ち合わせをするのが苦手…というかできません。
相手が来なかったら、置いていかれたら、と思うと怖いそうで、
必ず迎えに行くか来てもらってます。

あと、あの結婚式の日は、別に父の誕生日ではなかったそうですw

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