祝儀要員だと割り切って参加した友人の披露宴。10年間会うことはおろか連絡のやり取りもしていなかった。

祝儀要員だと割り切って参加した友人の披露宴。
10年間会うことはおろか連絡のやり取りもしていなかった
小中の同級生から披露宴の招待状が届いた。

事前に共通の友人を介したメールをもらっていたのもあり、
参加に丸を打ち返信ハガキを出した。
正直、私は人数合わせか祝儀要員なんだろうなぁと思っていた。

というのも、彼女は団体行動が苦手で勉強も運動もソコソコ、
太っていたり毛ジラミがあったり宿題もやらずによく先生に
怒られていたり母子家庭で色々と複雑だったりと、
学年で悪い意味で目立っていて友達があまりいなかったから。
私は偶然クラスが9年間一緒で、一緒に遊んだり
勉強をみたりしたから、呼びやすかったんだと思う。

スポンサーリンク

それで披露宴当日、小中の同級生は5人来ていた。
みんな昔も今も性格がいい人たち。
時間になり、新郎新婦入場。
10年ぶりに見た友人は綺麗な女性になっていた。
面影はあるんだけど、顔つきや雰囲気はまるで別人。
旦那さんもめちゃくちゃかっこよかった。
ゲストもみんな品が良いというか穏やかで、
心から2人を祝福している感じ。
料理が美味しくてダルい演出もなく
ゲストへの配慮が行き届いている披露宴。

友人が友人のお母さんにスピーチした時なんかは、
あまりにも知的で真心のこもった内容だったり話し方だったりで、
私が知っている友人はどこにもいなかったから、
感動よりも驚きの状態のまま、
気がついたら式が終わっていた。

そして満額でお車代を包んでくれていた。

帰り道、引き出物と一緒に手紙が入っているのに気がついた。
5枚の便箋に、ぎっしりと文字が綴られていた

私への感謝の言葉だった。

勉強のやり方を教えてくれたこと、
箸の持ち方や食べ方を教えてくれたこと、
太っていることがどんなリスクになるのか教えてくれたこと、
本が楽しいと教えてくれたこと、
運動の大切さを教えてくれたこと、
卑しさと心の豊かさを教えてくれたこと、
笑顔の大切さを教えてくれたこと、
人の目を見て会話することの大切さ、
女らしさについて、などなど。

私からしたら当たり前な事を、
彼女は何度も何度もありがとうと手紙に書いてくれていた。

お母さんに教えてもらえなかったんだなと、少し同情した。

後日、友人から会いたいと連絡が来た。
日曜日で予定もなかったから会った。
友人は、旦那さんと2人で来た。
彼女は私の顔を見た瞬間にボロボロと泣いた。
ずっと私子に感謝していた、ありがとうって何度も伝えたかったと
泣きながら絞り出してそう言った。
旦那さんにも何故か感謝された。
友子から私子さんとの事は聞いています。
友子はもし私子さんに出会っていなかったら、
今の人生を歩めていなかったと日頃からよく言っています。と。

スポンサーリンク

友人は、私や私の家族の言動とか考え方とか暮らしぶりと、
友人の家庭環境を比べて、このままじゃやばいと思ったらしい。
それで高校の時くらいから、丁寧な人間関係を築くことを心がけたり、
勉強を必死にやって良い大学に入って
そこでも歯を食いしばって努力したり、
旦那さんと出会い誠実な付き合いをしてゴールインしたとか。
仕事の方も、コツコツ頑張って結果が付いて来ていると
話してくれた。

しかも、英語も流暢で今は中国語を勉強しているんだって。
なんだかもう、私なんかよりよっぽど人格者で立派な大人になった友人に
言葉が出なかった。

そして普通な家庭環境で育った私の人生で、
まさかそんな素敵な人間から、
泣きながら感謝される日が来るとは思っても見なかった。
ただ、嬉しかったけど自覚がなくて戸惑った。
だって、口が裂けても祝儀目当てで呼んだんだろうと
卑しい考えを持っていただなんて、本人に言えなかったから。

墓場までもっていこっと。

貧乏な時代を惨めで恥ずかしいと思っていたけど、
最近やっとそれが逞しさの振り幅に繋がるんだって
気がつけたと話してくれました。

本当にそんな感じでした。
こうした方がいいとか押し付けたりはしていなかったのですが、
友人は私や私の家族がキラキラして見えたらしく、
よく真似をしていたんだとか。

あはは、そう言って頂けてありがとうございます。
祝儀要員で何度か呼ばれたので疑心暗鬼になっていたんです。
反省反省。

言葉足らずと、軽すぎるネタでごめんなさい。
慕ってくれる友人の事を守銭奴や銭ゲバの様に思ってしまった事を
本人には言えないなという点が墓場にもっていかなきゃと思ったんです。

いえいえ、こんな話をしたら恥ずかしいのですが、
友人を見下していた自分がいたのに気がついて、
動揺していたのも事実なんです。
家庭環境のアドバンテージで胡座をかいている間に、
いつのまにか色々と豊かになっていた友人から、
まだまだ私子ちゃんには届かないけど
私子ちゃんを目標に頑張ると言われてしまい、
幻滅させたくと言うかされたくなくて、
とてもじゃないけど私の小さくて卑しい部分を
出せれなかったんです。

旦那さんもシラミの事は友人から聞いていたみたい。
彼は笑いながら家庭環境は自分では選べないんだから
友子は悪くないよと言っていたので大丈夫でした

調べました。
頭ジラミですね!
小学生の時に、友人が見学していたんです。
ご指摘感謝です!

スポンサーリンク