40代、婚活市場で売れ残っていた嫁さん

煽られるかもしれないがお互い40代のくせして新婚夫婦。
嫁に初めて会った時

「え、なんでこんな人が売れ残って(失礼)たんだ?」
と思った。
容姿も性格も平均以上だったし、
ちょいオドオドしてる所を除けば常識ある優しい女性だったからね。
言っちゃ悪いが婚活市場で40代は、男女とも難あり物件ばかりだから。
しかし嫁と親しく話すようになって納得した。
嫁は5歳上の兄のお世話をずっとさせられていた。

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素人判断でこういうこと言うのはいかんが、
多分今なら発達障害の診断が下りてたんじゃないだろうか
忘れ物が多く、片付けられず、落ち着きがなく、
知的には正常範囲なんだが
日常生活を支障なく送るのが困難な兄だった。

嫁親は毒じゃないんだが要介護の祖父母がいて、
子供たちに手が回らなかった。
自然と嫁が兄の尻拭いをするようになり、
兄が交通事故で亡くなるまで続いた。
当時兄40代、嫁30代。
嫁は今でもこの事故に対し
「自分が兄から目を離したから」
と自責の念を持っている。
目を離したも何も、その時嫁は自宅にいて、
兄は十数キロ離れた所で飛び出ししたんだから
俺から見たらまったく責任ないんだがな。

それから数年後、嫁は俺と結婚。
俺は独身歴が長いので身の回りのことはできる。
独男スキルだから雑ではあるが、ほっといても生きていける。
嫁はそれを物凄く素晴らしいことのように誉めちぎる。

事あるごとに

「あなたは凄い」「何でもできる」
「自立してる」「大人だ」
「結婚して良かった」

俺が土曜昼にレトルトカレーをあっためてるだけで驚愕する。
だがその反面「本当に私、何もしなくていいの?」と連発する。
俺が明日持って行くものを揃えたり、
脱ぎ散らした服を拾ったりしなくていいんでたまに不安になると言う。
どうも嫁父も、兄ほどひどくないが同じタイプだったらしい。

そんな父と兄を30年間見てきたせいで、
一人でそこそこやれる俺が聖人に見えると言う。
そして「兄に責められる夢をよく見る」と嫁。

「俺(兄)にしたように、どうして旦那にしてやれないんだ!」

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と兄が夢で責めるらしい。
だからあまり眠りたくないと嫁は言う。

「お前はもうお世話係しなくていいんだ」

となんとかうまい言葉で言って安心させてやりたい。

アドバイスに従って、今日は嫁にネクタイを選んでもらって来た。
実際ろくなネクタイ持ってないしな。
料理本を二人で見て

「これうまそう、今度作って」

とお願いする作戦にも出た。
早速明日作ってくれるそうだ。
いきなりいっぺんに色々頼むと不自然だから小出しにしていこうと思う。

以下自分語り。
40以上が婚活市場で難ありばかりならお前も難ありだろ!
と突っ込まれていたが、はい俺も難ありです。
俺、若ハゲだったんだわ。高校生の時から来ていて、渾名は「ウスラー」

女の目線が頭に集中している気がしてしょうがなく、
男ばかりの学部に進学し男ばかりの会社に就職した。
開き直れたのは40過ぎてから。
40過ぎたら薄いのは俺だけじゃないと思えるようになった。
相談所に登録して、大勢の女相手は委縮するが
一対一なら話せると判明した。

ハゲ・低身長・コミュ障はやはり不利だったが、
それでもいいという女性を何人か紹介してもらい
その中に嫁がいたという次第。

俺と同じ悩みを持つ人の参考に少しでもなるかと思い書いた。
ご静聴ありがとうございました。

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