俺の最大の修羅場は、元彼女の死亡と
そのせいで元彼女の婚約者に
訴えられかけたこと
俺と元彼女は、地元の高校での同級生だった。
俺の地元はけっこうな田舎で、
みんな必ず東京の大学に行くんだって
口々に言っていた。
そんなことを言いながら、
たいていの奴は地元から離れず、
電車で行ける地方大学行くんだけどね。
でも、多少頭も良くて、
父親が公務員していたので
そんな金曜日の夜に、
>今週も頑張った自分にビールとスルメで
個人慰労会していた時、
スマホに着信があったんだ。
誰かと思ったら、元彼女からだった。
電話を受けると、
間違いなくなつかしい元彼女だった。
「ひさひさ、あたし元彼女。
突然、ごめんね。元気してたー?」
確か、そんな感じの軽くて
明るい口調だったのを覚えている。
俺も懐かしくて
「最近どうよ?」
とお互いの近況を報告したり、
昔話で盛り上がった。
でも、元彼女は途中で何度も、
うっとかなんか苦しそうにしたり、
苦しそうな息遣いをするんだ。
酔ってた俺は元彼女が彼氏を作ったのを
聞いていたので
「なんだ? 新しい彼氏としながら電話かー?」
なんて言った。元彼女は
「風邪だよー。ちょっと今、体調が悪いんだ。
んで、さびしくなったのさ」
なんて軽く返した。
その後、しばらく話してから元彼女が
「眠くなったから切るねー」
と言って、電話が切れた。
この時俺は、元彼女の気まぐれだろうぐらいに
思っていた。
その次の週の半ばに、
電話があったことすら忘れていた俺のところへ
母親から電話がきた。
元彼女が山の中で車で事故って死んでしまって、
いついつ告別式があるって連絡だった。
そういうわけのわからないところも
魅力だと思っていたんだが、
そのおかげで告別式中に、
俺を浮気相手だったと思い込んだ
元彼女の彼氏に殴られるという
修羅場になったのだけは勘弁してほしかった