俺達は幼なじみだった。
嫁には兄貴がいて、俺よりも2つ年上だった。
俺は嫁の兄貴の事が大好きで、毎日の様に遊んでた。
嫁の兄貴「けーすけ」俺の2つ上
嫁「舞」俺の2つ下
で見ててくれ。
保育園も同じで、毎日の様に帰宅してはけーすけ君と遊んでた。
けーすけ君家で遊んでたら、必然的に舞も一緒に遊ぶ事になる。
当時はすっごい子供ってか幼児?
だったけどメチャクチャ可愛がってた。
けーすけ君は舞の事凄く可愛がってたし、
俺も凄く可愛がってた。
お互いの親同士も仲が良くて、
よくお泊まり会的な事もしていた。
そんなこんなで俺は小学生になった。
その時けーすけ君は3年生で、
凄く大人っぽく見えたけど、
なんかワルガキみたいになってた。
俺はそれが「カッコイイ」と思った。
授業中、外見るとけーすけ君達が体育してたんだけど、
けーすけ君は先生の事凄い怒鳴ってた。笑
理由は後から分かるが、
けーすけ君家は犬を飼ってたんだけど、
それが放し飼いで、けーすけ君の後をついて
学校まで来ちゃったらしい。
それを先生が木の棒持って追い払ったみたいなんだけど、
けーすけ君はその事に怒ったらしい。
ちなみにその犬は頭良くて、
人の事噛んだりしない凄く優しい犬だった。
確か名前は「ごろ」
ごみ捨て場に捨てられてた所を拾ってきたらしい。笑
ってか一から語ると凄い長くなっちゃうな。
少しはぶるね。
中学生になった時、
けーすけ君はメチャクチャやんきーだった。
ホント地元じゃ知らない奴が
いないんじゃないかってくらいに。
それでも俺には凄く優しくて、
三年の溜まり場とかにも良くいったてたし、
周りの仲間の人も紹介してくれた。
俺は恐い先輩方に気に入られ、
暴走簇になった。
けーすけ君もゾッキーだったから、
その時に今の周りの繋がりができた。
それは友達じゃなくて、「仲間」だった。
俺は中1で暴走簇の一員になった。
けーすけ君は頭じゃなかったし、
俺は中1って事で特にカンパも回ってこなかった。
で、色々あったけどスレタイとは関係ないので割愛。
けーすけ君高校卒業、俺が高3になった時、
舞が俺の高校に入学してきた。
けーすけ君や俺を見ている舞は、
ヤンキーの道に入っていった。
まー俺が知ってる話だけだけど。
それが本当かどうかは分からない。
俺は舞をヤンキーにしたくなかった。
好きとかじゃないけど、
可愛いし優しい子だってのを知ってたから。
けど舞はヤンキーよりになっていく。
俺が所属してる暴走簇の集会にも顔を出すようになってきた。
俺は舞を見掛けるたびに、もう来るなって言ってた。
舞が参加してたら必ずケツに乗せてた。
中間あたり流しながら、
絶対に舞が警察のお世話にならないようにしてた。
俺は変な虫がつかないか常に舞の事を気にしてた。
それは「好き」とかそう言うのじゃなくて、「妹」みたいな感じで。
それが過剰だったのかもしれない。
一個したの奴が、舞ちゃん可愛い♪
みたいな感じで言ってて、舞に手を出そうとした。
簡単に言うと、酒飲ませてヤっちまおう。みたいな感じで。
カチ切れた。
俺はその後輩をボコボコにしました。
舞には、「ただ単にムカついたからヤっちゃった♪」
みたいなかんじで伝えた。
舞は何故か軽く怒ってた。
舞「何でやったん?」
俺「いや、何となくwwwなんかあいつムカつくし。」
舞「は?それだけの理由?」
俺「おう。それだけのりゆー。
ってか何?怒ってんの?www」
舞「怒ってるわ。そんな人間じゃないと思ってた。
何となくとか。呆れるわ。」
俺「あらそー。お前に何と思われようと俺は別に何ともない。
そんな事でいちいち呼び出すな。」
こんな感じで会話したと思う。
俺はその後けーすけ君に呼び出されて、
けーすけ君家の近くの公園でけーすけ君と話した。
けーすけ君「舞から聞いたぞ。」
俺「はい…」
けーすけ君「お前、舞に何にも話してなかったんだな。
話せば良かったのにwww」
俺「そーなんだけどさ。
舞の為に後輩ぶっ飛ばしたとか言うの何か嫌で。」
けーすけ君「まーお前がヤらなくても
俺がヤっちゃってたけどwww」
俺「けーすけ君が動く前に、あえて動いたんだよwww
あんた加減知らないかんなwww」
けーすけ君「なんじゃそりゃwww
俺だって加減位わかるわwww」
俺「だめだめ。信用ならんわwww」
けーすけ君「ま、妹には嫌われたみたいだけど!
守ってくれてありがとな!!」
俺「やっぱ嫌われたかー!まーしゃないね!www
けーすけ君も舞も俺は兄弟だと思ってるからさ!
兄弟守るためだったらなんだってするよ。」
けーすけ君「まーあんまムリはすんなよ?
お前に何かあったら俺も嫌だからさ。」
俺「うん。ありがと。」
それから約二週間後、けーすけ君が亡くなる。
単車の事故で。
即死だったらしい。
友達と単車2ケツして走ってて、
巻き込み事故みたいな感じだった。
詳しくは分からないけど、けーすけ君は吹っ飛んで
コンクリの壁に叩きつけられたらしい。
まーこんな話は詳しくする必要ないよな。
けーすけ君の葬式の時、終わってから舞から呼び出しがあった。
舞「あの時ごめんね」
俺「何が?」
舞「守ってくれてたんだね。」
俺「あー何?けーすけ君何か言ってた?」
舞「全部聞いた。ありがとね。」
俺「そっか。。。別に感謝される事なんて何もしてねーし。
お礼言うんだったらけーすけ君に言えよ。
けーすけ君が俺と仲良くしてくれなかったら、舞とも仲良くなってないし。
けーすけ君の妹だから助けただけ。俺はお前の事妹だと思ってるし。」
舞「だよね…。でもありがと。守ってくれて。」
俺「勘違いすんなよ?単なる「女」だったら助ける訳じゃないから。
「舞」だから俺は動いた。俺はお前の事を兄弟だと思ってる。
可愛いしほっとけないから。」
舞「うん。分かってる。」
俺「もう集会にも出るな。良いことなんてなにもないから。」
舞「けど寂しくて。兄貴がいなくなって、心に穴が空いたみたいでさ。」
俺「それは分かるよ。俺だって悲しい。
俺が今ここにいるのも けーすけ君がいたからだし。
けーすけ君がいないなら俺もここにいる意味はないよ。
別にヤンキーになりたかったわけじゃないし。
俺はあの人の様になりたかっただけだしな。」
この言葉は凄い覚えてる。
よくペラペラ出てきたもんだ。
舞はそれから集会には顔を出さなかったみたいだ。
横の繋がりで聞いたけど、
他の(俺が所属してた所)集会にも出てなかった。
らしい。。。
高校時代はこんな感じだな。
全部話すと長くなっちゃうし。
俺は卒業してから親戚の経営してる屋根屋さんになった。
もちろん職人として。
毎日が楽しかった。けーすけ君がいないのは寂しかったけど、
毎日職人のオッサンと話したり、たまに言い争いになったりwww
1日1日を凄い楽しんでたと思う。
ってか楽しんでる。
ってか話は変わるけど、俺は「けーすけ君」を凄く意識してる。
考え方も、けーすけ君だったらこーするだろう。
とか、けーすけ君だったら ああいう言い方するだろうとか。
俺の中の「けーすけ君」と言う存在は偉大だ。
亡くなった今でも思う。
ちょくちょく舞とは連絡取ってた。
学校はどーよ?とか、男出来たか?みたいな感じで。
舞は可愛い癖に男を作ってなかった。
俺が知る限りね。
それに引き換え、俺は彼女が出来たと思ったら、
他にも気になる子がいてさー。とか舞に話してた。
そのたびに舞は「チャライなーwww」とか
「もう良い大人なんだから一途になりなよwww」とか言ってた。
あーだめだ。
やっぱ眠い。。。
落ちて無かったらまた今夜
けーすけ君が亡くなってから、けーすけ君ん家に行く事を控えた。
おじさんもおばさんも凄い悲しんでたから。
俺が元気づけようとかも思わなかった。
けーすけ君を失った悲しみを受け入れる期間も必要だと思ったし、
俺を見れば思い出しちゃうと思ったから。
それが正解なのか間違いなのかは今でも良く分かってない。
俺は暴走簇を抜けて、職人をひたすら頑張ってた。
舞も高校卒業して働き始めた。
ずっと男の影無かったらから、
マジであいつ大丈夫かよwwwとか思ってたな。
舞は可愛かったから、しょっちゅう告白はされてたらしい。
俺も友達から相談された事もあった。
友「なぁ、舞ちゃんマジで可愛いんだけど。
遊び誘ってみようと思うんだけど、どー思う?」
俺「いーんじゃない?ってか何で俺に相談するんだよwww」
友「いや、お前舞ちゃんと仲良いし、
許可取っておこうと思って…ってかお前舞ちゃんの事
好きなんじゃないの?」
俺「いやいやwww無いわ。いもーとですね。」
みたいな感じの会話を何人かとした。
皆振られてたけど。
遊びくらい行ってやれば良いのにwwwとか思ってた。
あまりにも男を作らないから、俺は一度聞いた事があった。
俺「なぁ、お前、男に興味ないのwww?」
舞「無いことは無いんじゃない?いきなり何でよwww」
俺「いや、作る気配全くないからさ。好きな男とかいねーのかよ?」
舞「好きな人はいるよwwwずっと変わってない。」
俺「え!?いんの!?全然知らんかったわ!!
僕にその子の事話してごらん?相談のるよ(^^)?」
舞「あんたに相談しても何にもならんわwww
明日朝から仕事だからもー帰るよー」
俺「仕事頑張ってんな。偉いぞ(^^)じゃー帰るか!」
ちなみにこの話した時舞は19歳になってた。
仕事はトラックの運転手。
しかも大型な。
おいおい舞ちゃんマジですかwwwとか思ってた。
ある日後輩から「舞って俺君の事好きなんじゃないです?」
とか言われた。
俺は、んな事ないだろーとか言ってたけど、
なんか心に引っ掛かった。
俺は舞を呼び出した。
けーすけ君ん家(舞ん家)の近くの公園に。
俺「お前、そろそろ男でも作れよ。
恋愛すれば何か変わるかもよ?」
舞「前も言ったけど、好きな人はいるから。
あんたにとやかく言われる筋合いはない。」
俺「…。それって俺か?」
舞「…そうだよ。小さい頃からずっと好きだった。
兄貴から聞いてないの?」
俺「マジか。何も聞いてないわ…」
どんな女と喋っても、沈黙とかした事無い俺が、
何話して良いか分からなくて黙ってた。
多分5分くらいなんだろうけど、俺にはそれ以上に長く感じられた。
舞「けどさ、昔っから一緒にいるし、
女として見られてないのは分かってるから!
まー気にしないでよ!!」
俺と舞は付き合い始めて結婚した。
三年前に子供も産まれた。
去年に第二子が産まれた。
ここまでが幸せな話。
去年第2子が産まれて、お互い幸せだった。はず…。
俺は職人として働いて金稼いで、
舞も舞でトラックのドライバーやってた。
別に俺の稼ぎが少なかった訳じゃないんだけど、
仕事が好きだったらしい。
勿論妊娠中とかはさすがに仕事させなかったけど。
俺は舞をメチャクチャ大事に思ってた。
今年、舞が死んだ。
俺と子供達を残して。
交通事故で。飲酒運転の奴に。
即死だったんだって。
後ろから突っ込まれて。
舞「ちょっとアイス食べたいからコンビニ行ってくるー!」
とか言ってたくせに。
帰ってこねーじゃん。
待ってんのに。次の日仕事あんのに、
寝ないで帰り待ってたんだが。
知らない番号から電話がきた。
相手「○○さんのお宅ですか?
直ぐに△△病院まで来て下さい!!」
は?って感じだったよね
病院行ったら、「残念です。」だと。
何が残念なの?
顔綺麗だけど。良く寝てんなwww
いやいや、跳ねられたんでしょ?
顔に傷一つあったっておかしく無いじゃん?
けど顔は綺麗だった。
傷一つなかった。
え、テレビですか?
みたいな感じだった。
お前いなくなったらどーすんの?
産まれたばっかの子供は?
俺ミルクでねーぞ。
ってか俺お前いないと生きていけねーよ。
好きなのに。ふざけんなよ。
見てくれてた人は少ないだろうけど、吐き出したかった。
こんな人生の奴もいるんだぜって。
こんなスレに付き合ってくれた人、
保守してくれた人達。ありがとう。
犯人はまだ捕まってないんだ。
警察より先に見付けたら俺が殺してやる
孫の顔見れるのはまだまだ先だなー