私は父に褒められた記憶がほとんどない。

私は父に褒められた記憶がほとんどない。

勉強に関して父は

「勉強しようとしなかろうと、その結果は全部自分の身に
ふりかかってくることなので自己責任」

というスタンスだったので勉強しろとか
成績悪くて叱られたこともないけど、
どんなにテストの点数や通知表が良くても褒められなかったし
なんなら結果を知らせなくても何も言われなかった。
中学の時どうしても欲しいものがあって

「次の期末テストで学年●位以内だったら買ってほしい」

と頼んだら

「君の点数が良くてお父さんになんのメリットがあるの?」

と鼻で笑いながら却下された。

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勉強以外でも、私が小学生の時父の誕生日に
夕食を作ることを計画して、サプライズしたかったから
当日は「今日は何時に帰ってくるの?」「絶対にまっすぐ帰ってきてね!」と念押しして
帰宅予定時間に合わせて肉じゃが、炊き込みご飯、味噌汁、
あとなんか副菜を作って待ってたんだけど、
父は予定時刻を過ぎても帰ってこないし連絡もなかった。

なのでこちらからケータイに電話すると、知人宅で飲んでると言う。
数時間後に帰宅した父は
「もう知人宅で飲み食いしちゃったから」と、
食事に殆ど手をつけてくれなかった。
父は毎晩ウィスキーで晩酌するからと
誕生日にいいウィスキーをあげた時は

「●●(他社メーカー)のやつなら同じ値段でもっとたくさん入ってるのに」

と言われた。

姉妹間差別もあって、
私にはやれと言った面倒事を姉にはやらせなかったり、
自宅で父のものではない煙草の吸い殻が見つかって
姉も私も(当時は両者未成年)自分じゃないと
否定したのに私だけ疑われたり
姉が部活の大会で二泊三日の遠征をすることになった時には
全額自腹で父も同行したのに
私が部活のコンクールで応募した作品が入選して、
日帰りで遠方で開かれる授賞式に出席したいと頼んだ時は、
私一人分の往復の新幹線代すら出してくれなかった。

補足しとくと姉はそれに乗っかって私を虐げたりしなかったし、
父は姉にも酷いことをする時があったので
私も姉も成長するにつれ父に違和感を覚えていき
父は私達の誕生日に欲しいものを指定すれば
買ってはくれるものの他(ごちそうとかケーキとか)は
何もしてくれなかったので、姉と私はお互いの誕生日にはプレゼントを贈り合った他に
私の誕生日には姉が私の好きなケーキを買ってきてくれて、
姉の誕生日には私がリクエストされたケーキを焼いたりして
姉妹仲は良かったし、少なくとも私は姉が好き。

そんな姉の結婚式の日、
新婦親族控え室にいると式場スタッフに
「新婦様の妹様はいらっしゃいますでしょうか。新婦様がお呼びです。」
と呼び出された。
結婚式で妹だけ呼び出されるってなんだ?と思ったので

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「父もいますが父は行かなくていいんでしょうか(母は鬼籍)」

と訪ねたところ
当日受付をしてくれた友人に出す御車代を受けとり、
新郎新婦の代わりに渡すためにこれから
新郎新婦控え室に行くと説明された。
普通はそういうのって親がやるらしいんだけど、式場スタッフが

「新婦様が『父は信用できないので絶対に妹を呼んでください』と御所望でして……」

と苦笑いするので納得した。

勿論新郎の方は親御さんが呼ばれたので、
新郎親族控え室から姉の旦那さん(以下義兄)のご両親が出てきたんだけど
結婚前の両家顔合わせはお互いの親と本人達のみで執り行われたので
私は初対面だった。
義兄のお母様は

「うちの息子全然彼女とか連れてこないから
結婚しないのかしらと思ってたんだけど、
あんな素敵な人がお嫁さんになってくれて本当に嬉しい。」

「A子ちゃん(姉)には夫婦喧嘩したらうちは
全面的にA子ちゃんの味方するからね!って言ってるの。」

「妹さんも是非これからよろしくお願いしますね」

とにこやかに言ってくださり、お父様も横でニコニコウンウン頷いていて
義兄も誠実で優しくて本当にいい人だから、
姉はご家族まで素敵な人と結婚するんだなと本当に嬉しかった。

しばらく雑談しているとお母様に

「ねぇ、他に妹さんはいらっしゃる?」

と聞かれたので、我が家は姉と私の二人姉妹ですと答えると
ニコニコしながら

「あのね、顔合わせの時そちらのお父様ずーっと
妹のB子さん(私)のことばっかり褒めてらっしゃったのよ。
思わずうちの人と『うちの子と結婚するのは”A子”ちゃんよねぇ?』
って確認しあったくらい!」

と教えてくれた。
その時私は、あぁなんだ、お父さん口に出さなかっただけで
ずっと私の事そんな風に思っててくれたんだ、
なんて暖かい気持ちになれるような段階はとっくに過ぎていて
むしろならなんで今まで全然褒めてくれなかったんだ?
お姉ちゃんばっかり贔屓したんだ?
褒めないのにミスや失敗した時だけ
いつまでも責められたり馬鹿にされたりしたから
ずーっと私は実の親にさえも褒めてもらえない
叱られてばっかりのグズなんだって思って成長してきたのに、
私の子供時代はなんだったの?
と今まで我慢していた気持ちが一気に溢れ出したし
そもそも姉の結婚の両家顔合わせで、
ご家族は一度も会ったことない全く関係ない妹を
褒めちぎるとか何考えてんだ?
姉の気持ち考えられないのか?と神経がわからなかった。

それまでは親に冷遇されてきた子供にありがちな
親への執着みたいなものがあったんだけど、
なんかその出来事で一気に冷めた。呪いがとけたような気分だった。

私が完全に絶縁してしまうと
何かあったときに姉とその家族に迷惑がかかってしまうので
縁は切ってないけど
今は別居してるし用事がなければ会わないし連絡もしない。
文句言われるけど知ったこっちゃない。
成長した子供にそういう態度取られるような子育てしてきたのはあっちだ。

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