小さい頃近所の竹やぶの中に秘密基地を作って、いつも幼馴染の女の子と一緒に遊んでいました

小さい頃近所の竹やぶの中に秘密基地を作って、
いつも幼馴染の女の子と一緒に遊んでいました。
大抵お互いが持ち寄った人形などで
ママゴトやヒーローごっこをしていました。
彼女は母親が作ってくれた人形をいつも持ち歩いていて、
それはボロボロで薄汚れていましたが
とても大事そうに可愛がっており、
僕がその人形を怪獣にみたててウルトラマンなどでやっつけたりすると、
彼女にものすごく怒られた思い出があります。

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そんなある日いつものように彼女の家に誘いに行くと、
なにか様子がおかしいことに気付きました。

彼女の家はパン屋だったのですが、
毎日開いてるはずの店が閉まっていました。
幼い僕は彼女は家族と一緒にお出かけしているのだと思い、そ
の日は一人自宅で遊んでいました。
昼になり昼食をとっている僕に母が神妙な面持ちで言いました。

「○○ちゃん、お引越ししたみたいよ。 寂しくなるわね。」

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母が何を言っているのか理解できなかった僕は、
ただ彼女に会いたくて慌てて家を飛び出しました。
やはりパン屋は閉まっていました。
近所を探しても当然彼女の姿はありません。
走り疲れた僕は無意識に竹やぶの秘密基地へと来ていました。
基地を目の前にすると不思議とそこに彼女がいる気がしたのです。
目を閉じて(願掛けのつもり)ダンボールの扉を開き、
ゆっくり目を開けました。

誰もいませんでした。

そのかわりテーブル代わりのみかん箱の上に、
彼女が大切にしていた人形が置いてありました。
その後どうしたのか記憶が曖昧なのですが、
きっともう彼女に会えないと確信した僕は、
一人泣いたのだろうと思います。

後日、母から彼女たちは借金苦から
夜逃げをしたのだと知らされました。
たぶん別れを告げられないまま去っていく
彼女の精一杯の贈り物だったのかもしれません。

最近、娘がこの人形を欲しがっているので
譲ってやろうと思い、区切りの意味でここに書き込みさせて頂きました。

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