ある日後輩が真っ青になって私のところに飛んできた。「お得意様が亡くなりました!」しかし

2年ほど前、うちの後輩がやらかしてしまった。
ある日後輩が真っ青になって私のところに飛んできた。
なんでも、取引先である女性の娘さんが来社した時

「母が亡くなりました。これから葬式です」

と言ったらしい。
母が亡くなりました=お得意様が亡くなった。
私も応接間に飛んで行き、娘さんに
お葬式の場所など聞いてすぐ上の人たちに連絡。

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話を聞いて10分後には、お得意様が亡くなられた!
お花をださなくては!誰か弔電!
昨日までお元気だったのに!と会社中大騒ぎに。
あれよあれよと我社のお偉いさん
5名位が予定を全て変更しお葬式に行くことに。
ところが社長が行く前にお得意様の自宅に連絡したところ、
亡くなられた筈のお得意様ご本人がお出になられる。

社長パニック、「死んだんじゃないんですか」
とは聞けないのでなんとか探りを入れたところ、
「あらー!亡くなったのはうちの姉よ!?」。
で、話を整理すると、アンジャッシュのコントみたいなことが起きていた。
娘さん「叔母さんが急死しまして」
この時少し娘さんが噛んでしまって「お母さん」に聞こえたらしい。
後輩「まあ!お母様が!?」
娘さん「はい」
後輩「お母様のお葬式が、これから!?どちらであるのでしょうか、
すぐ上の者に伝えます…」
私登場。

私「お母様が…本当にいつもいつもお世話になっておりましたのに…
なんと申し上げたら….なんとか最後、ご挨拶をさせて頂きたく…」
娘さん「…(あ、お母さんと間違えてるわ。まあいっか、話合わせとこ)
母の葬式は、ここで行う予定で…」
という流れ。

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後で娘さんから「母と間違えてると気づいたんですが、
急いでるしまあいっかと思ってそのまま話を続けてしまって…
まさかお葬式に来ようとすると思ってなかったんです」と電話があった。

もう後輩真っ青。「申し訳ございません、
お得意様に頭を下げて謝ってきます。
とんでもないご無礼をしてしまいました。」
とパニクって出かけようとするのを「私も間違えたから!」
止めたり、お花の発注をキャンセルしたりとまた大騒ぎになった。

後日お得意様が元気な姿で来社し、お詫びの品までくれて、
土下座せんばかりに謝り倒す後輩にも「そんな落ち込まないで!
娘には親戚一同しっかりお説教しておきましたわ!本当にすみません」
と声をかけてくれた。

真面目で、ミスしてるところを見たことも無いような
できた後輩だったから、よりにもよって人の
生死のことでミスしてしまったなんて大変な
修羅場だっただろうなと思う。
処分も致し方なしと落ち込む後輩を社長や私で
励ましていた時も(できる後輩が辞めてしまうのでは)と修羅場だった。

というか、間違いに気づいたなら訂正してあげて欲しかったよ…

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