結婚の挨拶に彼の実家に行ったらボロボロの木造の家だった

1年付き合った8歳年上の彼から
「両親に紹介したい」と言われ
続けて「両親が気に入ってくれたら結婚したい」
と言われた。

なんか微妙な気持ちになったが、
そういうものなのかな~とも思った。

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彼の実家に向かう車の中で
「俺んちド貧乏だけど、家は家、俺は俺だから
お金のことで苦労はさせないつもりだから(キリッ」
と言われたけど
でも親がダメって言ったらダメなんでしょ?と
ここでも微妙な気持ちに。

両親に紹介したいと言われるまでは、
この人と結婚できたらいいなぁ~って
すごく気持ち的に盛り上がっていたのに、
なんで今こんな気持ちなんだろうと、よく分からなかった。

でもとにかくご両親に会ってみようと
それだけ思ってついて行ったら
彼の実家は本当に、頑張ったら倒せそうなぐらい
ボロボロの木造の家だった。
玄関の引き戸も踏ん張らないと横に引けないぐらい固くて
中に入ると田舎のおばあちゃんちの土間みたいな臭いがした。

そして目の前の光景に圧倒された。
6畳の和室にご両親と
おばあちゃんが2人(父方と母方の)いた。
それと伯母さんだと言う人と、
その伯母さんの娘だという30歳ぐらいの女性、
総勢6人で住んでいるというその家は
6畳と4畳半と2畳ぐらいのキッチンとトイレ。
おふろはないそうだ。

畳も何かの汚れで光ってるし、座布団もない。
「こないだ言ってた結婚したい女、この人」
ってざっくり紹介されて
とりあえずその場で正座して挨拶したら、
「いいんじゃない?」「いいね」「いいわね」と
口ぐちにOKされてしまった。

帰りに
「ビックリしただろ?
でも向うは向うで生活してるから気にしなくていいから」
って言われて
「で、式あげるのは秋ごろでいい?」って言われた。

自分でもどうしたいのか分からなくなってきて、
でもそんな勝手に進められてもって気持ちだけは
確かにあったので返事は保留にした。

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そしたらその一週間後、突然彼が
「今からご両親に挨拶にいく」って電話してきて
頭真っ白で両親に話して、迎える準備をしていたら、
なんとご両親も連れてきた。
「どうせ親同士の顔合わせとかするんだから」って
もう完全に結婚が決まったことになっていた。

幸いご両親は前回会ったときと違って
キチンとした恰好をしていたから
私の両親も慌てて着替えて応対はしたものの、
こんな大切なことをアポなし突撃ってことに、
かなり心象を悪くしていた。

が、それでも表面上は和気藹々と会話がされ
彼の父親は相当なグルメを気取っていた。
あの家を見たあとだったので、
私には信じられなかったけど。

夕方だったので、
このあと良かったらご一緒に食事でもってことになって
近くにある馴染みの和食のお店に行って
簡単な夜のコースを注文したんだけど、
コースの途中に出て来た
「タラバガニのグラタン」の甲羅の部分を、
彼の父親が色んな角度からしげしげと見つめ
「これは・・・タラバガニじゃありませんな・・・ふむ」

何を言い出してんだ?とみんなが注目する中、
「これはズワイですな。全くなっとらん店ですな」
とのたまった。
いやいや、どうみてもタラバには見えないと思うんだけど・・・。

この一件でモヤモヤが晴れたというか、
この家族とは無理と思えて
彼のこともこんなに一方的な人だったのかと正直失望した。
私はそれまでモテない人生で、
25歳にして初めて付き合った人で
結婚を意識しまくっていたので、一旦冷静になれて良かった。

数日後、結婚は考えられないと彼に告げて別れを切り出した。
「親にまで紹介させておいてそりゃないぜ」とか言われたけど
私の意思を無視して勝手に進めたくせに何言ってんだと思った。

「訴える!」って
どっかの法律番組みたいなセリフも飛び出して
「受けて立つからどうぞ」って答えたものの、
その後一切音沙汰はない。

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