中3になったばかりの頃、
それまで親友だと思ってたA子が
突然私に対してイジメの先導を始めた。
朝いつものようにA子の家に迎えに行ったら、
もう家を出てて
何か急用でもあったのかなぐらいしか
思わずにひとりで登校したら
教室の私の机に犬のフンが置いてあって、
A子が
「私子くさ~い」
「臭いの移るー」
「近寄らないでー」
っておどけて言って、
いつの間にか8人グループ作って
臭い臭いと連呼を始めた。
わけが分からなくて、
とにかくフンを片付けたんだけど、
男子の一部もくせーくせー言い出して
前日までと世界が入れ替わって、
その世界で私はひとりぼっちになった。
他の女子と話しをしていると
A子グループがその子を引っ張っていってしまうし
元々そんなに友達多くなかったから
アッと言う間に孤立した。
何がキッカケでそうなったのか
本当のところは今でも知らない。
私は学校を休みがちになって、
ギリギリの日数しか登校せず、
優秀だった兄に教えてもらいながら
自宅で勉強した
先生が何度も登校を促すように訪ねてきたけど、
学校に行くのが怖かったし
無理して行こうとすると吐いた。
修学旅行にも行ってない。卒業式にも出なかった。
親戚の家に下宿して、
他県の高校に進学した。
私のことを誰もしらない高校では、
昔のように楽しく通う事が出来て
友達も出来たけど、いつ裏切られるのかと
ビクビクしてた。
幸い裏切られるようなこともなく
その後大学に進学し、就職もして
順調ではあったけど、
地元に帰省するのはいつも緊張した
ある時、私が帰省してることを
知ったらしく実家にA子が訪ねてきた。
「実はもうすぐ結婚するんだ・・・」
と切り出された。
「ふーん」
としか言えなかった。
すると
「実はお腹に赤ちゃんがいるの」
と言い出し
「妊娠してこの子の未来のこととか
考えることがある。そんな時に中学の頃のことを思い出して、
自分がとんでもないことをしたと思い当たった」
と言い、そこから畳に正座し直し
「ごめんなさい」
と頭を下げられた。
黙っていたら頭を上げてA子も黙ってるので、
質問した。
「あの日、私の机に犬のフン置いたのA子?
って聞いたらゆっくり頷いた。
「今、謝って許して貰えると思ってる?」
って聞いたらゆっくり首を横に振った。
「正解。無駄な事はしないで」
と言って帰って貰った。
その後、全力で婚約者を探ったが、
意外と簡単に彼氏の名前と勤務先が分かったので
会いに行った。
昼休みに会社に電話して
「A子の中学までの友人なんだけど
渡したいものがあるから」
って言ったら出て来た。
ずいぶん年上の男だったのは意外だった。
(あとで知ったが40代だったようだ。
ちなみに当時の私20代半ば)
そしてラッピングした袋を手渡しした。
2重にジップロックに入れたけど
少し臭いが気になった。
怪訝そうに
「なんですか?」
って聞かれたので
「犬のフン」
と言ったらビックリしてた。
道端で拾って集めたやつ。
「それと同じものを中学の時に机の上に置かれたの。
A子にね。
A子がリーダーになってずいぶん
イジメてくれたわ。
おかげで他県の高校に進学するしかなかったの、
私。素敵な婚約者ねw」
それだけ言って帰ってきた
翌日、帰り支度をしていたら
A子が怒鳴り込んできた。
「これがあんたの復讐なの!?汚いわ!」
とか言われたから
「復讐のチャンスくれたのあんたじゃん。
寝た子を起こした結果でしょ」
って言ってやった。
10年も経てば、犬のフン置かれて
イジメられてショック受けてた頃の
私とは違うんよ。
ちなみにA子の結婚は延期になって、
その後破談になり、今は母子家庭。
生まれた子供には申し訳ない・・・
とは実は思ってない。
たぶん私もどこか壊れてるんだろうと思う。