私の親友はよく笑う

私の親友はよく笑う
些細なことが楽しいんだという

昨日は親友と親友の彼氏の三人で
レストランに行ったんだけど、
何を間違ったのか
親友彼氏のデザートについてたスプーンが子供用だった

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私と親友のは普通のスプーンだったので、
男の人に不釣り合いな
小さな子供用スプーンの組み合わせに、
私はなぜか言いようもない気まずさを感じた

でも親友は笑って
「わぁ、子供用スプーン可愛いね!」と
彼氏と自分のスプーンを交換
「こういうスプーン使うの何年ぶりだろ!なつかしい!」
と楽しそうにデザートを食べた

親友はこういう人
誰かの失敗も楽しいこととして笑顔で受け流せる人
でも、親友は笑ってばかりだから
バカにされやすいし、侮られやすい

一例だと、学校で体育大会があったとき、
発注した応援Tシャツを染めてチーム名を描いていたら、
クラスの仕切りをしてる女子グループの一人が失敗した
茶色のペンキがすれてついて、
ウ〇コを擦り付けたみたいになっていた

「親友さんなら不良品でも文句言わなさそうだから
親友さんに押し付けよ」とゲラゲラ笑ってて、
誰一人止めなかった
偶然を装って親友にそのTシャツが当たるように
女子グループはTシャツを配った

親友にことの次第を話すと、
「それなら堂々とアレンジできるね!」と
先生に事情を話して許可をもらったあと、
ペンキで好きな絵を上から描きたした
結果親友の応援Tシャツだけ、
派手でおしゃれな感じに仕上がった

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そしたら女子グループから目をつけられ、
「一人だけはみ出たことしないでくれる?
チームワークも勝敗の点に関わってくるんだけど?」
と文句を言われた
すべての原因は女子グループのせいなのに

親友はそれを聞いて、
担任に皆のTシャツも余ったペンキで
好きにペイントしていいことにしようと提案して、
その時のクラスの応援Tシャツだけおしゃれになって
評判もよかった

でもそれを女子グループが
「私達のおかげ」と言いふらした
親友はずっと
「みんなのTシャツ、個性出てて面白いよねぇ!」
と笑ってた

大人になってからは
このクラスの女子グループみたいなのは、
店員や見知らぬ他人にかわった
誰かが親友に迷惑をかけても、
親友が怒って感情を顕にしないから、
侮られてろくな謝罪もなかったりする

でも親友は傷ついてるし、陰で泣いてるのも知ってる
黙ってその店を利用しなくなることも知ってる

人は「怒るべきときに怒らない方が悪い」
「自業自得だ」という
他人に理想を押し付けるのは
いけないことだって解ってるけど、
本来なら寛容な親友の態度に感謝して謝罪こそすれ
侮る態度をとったり、ナアナアで済ますなんて、
どれだけ育ちが悪いんだろうと思う

よく笑う人を「バカっぽい」とか、
「こいつなら誤魔化せそうだ」と
判断するのはなぜなんだろう
よく笑うことって利点のはずなのに、
どうして大きな欠点となりうるのか
とても不条理なことに感じてしまう

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