母の有責で両親が離婚して、
父と私たち子供の生活が始まって間もない頃の話。
自炊経験はあったけど、今までほとんど料理をしてこなかった父が
バタバタしながら毎日ご飯を作ってくれてた。
精神的にも凄く辛かった時期で、
私たちもよく状況がわからないまま過ごしてたと思う。
ある日、ダイニングで雑誌を読んでいたら、
台所に居た父が
「(私)ー、ハンバーグって片栗粉まぶすよな?」
って聞いてきて、
「いやまぶさんし!」と笑いながら答えた事もあった。
今調べるとそうすると美味しくなるという
レシピもあったので、間違いじゃなかったんだけど。
その日の夜に出てきたハンバーグは父の手のひらくらいでっかかった。
あとしゃばしゃばでニンニクのがっつり聞いた大量のカレー、
同じくしゃばしゃばの具がでかいシチュー。
兄弟みんな大好きでしこたまおかわりした。
ハンバーグと同じくらいでっかいとろっとろのコロッケ、
具のないチャーハン、その他色々。
数年後再婚して義母さんが料理を作るようになり、
父が台所に立つのを嫌がる為、あれからずいぶん父の手料理を食べていない。
義母の料理も美味しいけど、父の料理が一番好きだ。
来週帰省する予定なのでちょっと甘えてみようと思う
コロッケについては、もう十何年も前の事だから
あまりきちんと覚えていないんだけど、
マヨネーズを大量に入れてあって、
さらにポテトが原型をとどめていないタイプだったから
揚げた際の熱でマヨネーズが溶けて普通のコロッケのような
ホクホク感がないとろっとした中身になってて
思い出フィルターなのかもしれないし、離婚した母の
コロッケはいつも出来合いだったのもあって、
マヨたっぷりのとろとろコロッケは本当に子供心に衝撃で美味しかったんだよ
世間一般的なおいしいじゃなくて、
超局地的家庭だけで通じる美味しいなんだろうなと思う
どのご家庭にもあるんじゃないかな