求人票は捨てるな

派遣の契約期間が切れたから、
正社員になろうと就職試験受けまくった。
でも結果悉く惨敗。

もう何社受けたかわからなくなったくらいで、
ようやく就職が決まった。
その日は母と某有名人の講演会に出かけていて、
その帰りに電話を受けて、
喜びのままお祝いのお寿司を食べた。

翌日、うきうきと会社へ向かった。
家から車で15分、土日休み、社保完備、
残業代も出る。条件はよかった。
時給もこちらでは「事務員だとこんなもんでしょ」っていう感じ。
唯一の不満があるとすれば、就業時間が8時〜17時。
早起きが苦手な私にはつらいかもしれない。
そう思っていた。

会社について、まずはすでに出勤している社長にあいさつ。
やさしそうな人だ。
先輩方にも挨拶。
やさしそうな方たちだとほっとしたのも束の間。
衝撃の発言が飛び出した。

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「私達今日の午前いっぱいで辞めるんだよね」
「ていうか本当は昨日いっぱいで辞めてるんだよね」

私、目がテン。
え?なにそれ?もしかして私ぼっちなの?
(現場には他に人がいるけど、事務員はその先輩2人だけだった)
「…えっ?」
私は逃げる間もなく引継ぎを開始された。

就業時間は8時からとなっているけど、
実際は7時半までに来ないと
専務(この時点で全員の定時開始時間8時経過してる)に怒られる。
ちなみに7時半から8時までは無給。
空白の30分で何をするか…掃除。
工業地帯だから周りは煤だらけ、空気も汚い。
事務所の内外をその30分できれいにするとのこと。

あ、言葉足りてない。
全員の定時を過ぎてるのに専務ただ一人が出勤してない。
それなのに専務に怒られるっていうことね。

8時になったら取引先が計量に来るから、
計量器の使い方も伝授された。
軽量機の存在も知らないままに使い方だけ見よう見まねで
やらされることになった。
取引先の方に
「今日からこのお姉ちゃんだけしかいないからね、やさしくしてね」
と引き継いでいた先輩二人…
強面のおじいちゃんはむすっとしたまま帰っていった。

計量だけでなく、マニフェストとかいう名前の伝票?も教え込まれた。
マニフェストも計量も初めてで、なんのこっちゃわからない。
ちなみにその会社から離れて結構経つけど、いまだにマニの仕組みがわからん。

マニフェストだけならなんとかやれるかも?とか思っていたが甘かった。
もう一人の先輩に、今度はこっち、と言われた。

別のパソコンでは、売り上げを管理していたようだった。
一応商業系の資格を学生時代に取っていたので、
もしかしたらマニフェストとかよりも分かるかも!とか思ってたら
甘かった。
私は工業簿記が苦手で、それで上級の資格をあきらめたくらいだった。
やっぱりどっちかというとマニフェストかな…

って、誰も居なくなるから選り好みなんてできないんだよ!!!!!

引継ぎも甘いまま、先輩二人はこの時間分の給料を受け取って帰っていった。

ちなみに途中で専務が来たけど、てんぱってる私からしたら完全に空気だった

お弁当をほとんど食べる暇も無く、
慣れないというかむしろ分からない仕事をする私。
多分逃げるならこの時だったんだと思う。
でも、良い子ちゃんである以上に、
ここを辞めたらまたあの就活地獄に戻るのかと思ったら、
こっちのほうがそのときはマシだと思えた。
おとなしく逃げればよかったのに…

ほぼ取れなったお昼の時間が終わったら、
専務も社長も出て行ってしまい、事務所に一人。
たまっている伝票を売り上げソフトに入力し、
マニフェストをわけも分からず発行し、
それだけで定時になった。
この時点で現場で働いている人の存在は不明。
誰が居るのかも分からない。

入社した日の翌日が土曜で、その日と翌日は休みとなった。
休みを取って頭をリセットして、月曜からがんばろうと思った。

月曜、出社してみたら
山積みの伝票、マニフェスト。
鳴り響く電話。
どれから対応していいか分からない。
でも聞ける人なんて誰も居ない。
とりあえず電話を取ったら、
請求書の金額が違うとクレーム。
請求書をあげたのは前いた先輩二人だから、
私は何のことかわからない。
でも社会人である以上、それはただの言い訳に過ぎない、
むしろ言い訳にもならないことを知っていたので
ひたすら謝り倒した。

違う箇所を専務に何が違うのか確認し…たら
「俺もわからん、前の事務員に聞け」
と言われた。
前の事務員さんの携帯にかけるも、不在。
時間をおいてかけたら出てくれたけど、
「○○の伝票を見て。あとこれから出かけるから電話出れないから」
と切られてしまった。

仕方なしに自分で色々調べてみた。
請求書の間違いが1箇所だけならよかった(よくはないけど)
それが1社に対して複数あったり、そういうのが何社もあったり。
その日は計量と請求書の修正だけで終わった。

とりあえずマニフェストは溜めて、
売り上げだけは毎日入れるようにしたのだが
どうやら経理担当の人が入社するらしい。
これで溜まったマニフェストがさばける!売り上げ入れなくていい!
と喜んでいたのも束の間だった。(これ多いな)

入ってきたのは私より一回り以上歳の離れたオバサン。
不思議なことに、私は昔から一回り以上歳の離れたオバサンと仲が悪い。
理由はさまざまあるけどね。
でもこのオバサンとは仲良くやらなきゃいけない。そう構えていたのに

たった一週間で仲は壊滅状態に。

私がナメられまくった結果、
何も聞かずにほかの事まで手を出していたという…
でも今考えたら、私と同じで誰からも教えられずに
いきなりこれやってって言われたんだから
しょうがない部分もあったんだろうな。
当時はテンパっていたから、分からないなりに
色々教えてた私に聞かずに勝手にやるなってことで
腹立てたんだよね。
ものすごい怒鳴りあいになって、喘息の発作が出たし。

結局、会社の経理面、給与についてはそのオバサンが全面的にやることに。
売り上げとかは相変わらず私。
売り上げも経理面と言えば経理面なんだけど、なんで私だったんだろう…
私が子供だったからか。
今なら素直にごめんなさいって言えるけど、もう会うことも無いんだよね…
Kさん、ごめんなさい。

まあその話は置いといて。
そのサツ伐とした空気の中に、待望の新人が!
でも、そのオバサンが結構余計なことを言ったので
その新人は翌日から来なくなりました。

この時点で採用されて一ヶ月が経過してました。
雇用保険は私もオバサンもかけてもらってません。
こういった保険関係もオバサンがしてましたが
どんなに言っても「まだ早い」と言われていた。らしい。

それを新人に言ったからですかね、逃げたの。
まあ今更どうでもいいですが。
結局新人が逃げたので、振り出しに戻って二人で仕事。
仕事のこと以外はヒトッコトもしゃべりません。むかつくから。
独り言やため息がうっとおしく感じるけど、
誰も居ないよりはマシ、そう言い聞かせて数ヶ月。
だいぶ仕事に慣れて、取引先の方にも名前を覚えてもらえるようになった頃。

取引先の事務員さんが、私のいる会社に面接に来た。
ここがターニングポイント!

取引先の事務員さん二人が面接に来た。
その取引先は社長さんがちょっとヤンチャで、
事務員さん二人のストレスがはんぱなくって、もう辞めたいってことで
私がいる会社にお引越しを検討。

でも正直こんな零細企業に事務員(経理含めて)4人も要らないw
誰か首を切られるのか、私だったらいいのにな。そう思っていたのに

首を切られたのは、経理のオバサンでした。

経理としての仕事っぷりも評価に値しない、とか
電話もまともに取れない、とか
計量も教えてるのに全くできない、とか
(一応)先輩である私さんの話を聞いていない、とか
色々言われていて、その月の終わりで解雇となった模様。

その入れ替わりとして、取引先の事務員さんが入ってきた。
まずは給与とか経理関係も明るい人。

分かりにくいからAさんとします。

そのAさんが経理のオバサンと入れ替わりだから、
もちろん引継ぎもするんだけど
何かのあてつけのように、
月末の請求書〆で忙しいときに引継ぎ開始。
ちなみにお抱えの税理士さんは、
最初からすべて教えなおすつもりだったらしく
帳簿の位置とソフトの使い方だけ習っておけと言ってた。
でも実際に教えていたのは全く関係の無いことで、
そのオバサンが退職してからAさんが困り果ててた。

Aさんは電話魔というか、物怖じしない性格というかなので
税理士事務所に逐一電話して聞いてたけどw

私にもそういう度キョウがあったら、
引継ぎ半日でも前の事務員さんに電話できたんだろうね。
まぁ半月で電話出てもらえなくなったけど…

んで、Aさんには経理だけじゃなく売り上げ入力もお願いすることにした。
いい加減入社して時間が経ってたから、何を入力していいのかとか
そういうことはちゃんと教えられた(と思う)

おかげで山積みになっていたマニフェストの消化に取り掛かることができた。

Aさんが入ってきて変わったこと。

今まで空気だった専務が事務所にいるようになった。
残業をしなくてよくなった。
土曜出勤の必要がなくなった。

冒頭を除いてはいいことづくしだった。
雑談とかもできるし。

ちなみに、面接を受けに来ていた事務員さんは二人なんだけど
この時点ではまだAさんしか入社してません。
もう一人の方は引継ぎとかで残ってるようです。

あ、もうひとつ忘れてた。
このAさん、実は私がいる会社に移ることを
もともと居た会社の社長をはじめ、従業員にも言ってませんw
なので、しばらくは取引先(Aさんがいたところ)の人が来ると隠れてた。

平和に過ごしていたある日、会社の電話が鳴った。
ハローワークから問い合わせの電話だった。

「先月退職したKさん(経理のオバサン)の雇用保険の番号を教えてください」

…え?
そういうのって本人に被保険者証渡されるんじゃないの?

その電話を受けたAさんが
「もしかして、私さんもKさんも、雇用保険入ってないんじゃないの?」
と言い出した。
そういえば、雇用保険も社会保険も全く引かれてない…
専務に「雇用保険どうなってんの?」と聞いたところ
「前の経理に任せてある」
と一言。お前じゃ話にならん!
そう思って社長に聞いてみた。
「私の雇用保険ってどうなってるんですかね?」
「あれ?専務か経理の人がやってくれてたんじゃないの?」
「いや、かくかくしかじかで」
「そうかー…すまんかったなぁ。
社会保険はすぐに離職するから三ヶ月は待つんだけど
雇用保険はすぐにかけないと労働基準局に言われるもんなぁ…
明日にでも手続きしておいで。社会保険も。」

…え、社長も知らなかったのかよ…

ちなみにこの時点で入社してすでに半年以上が経過してた。

なので、ハローワークに
「雇用保険届出すんの忘れてたー許してニャン☆」の書類を出して
社会保険事務所に手続きに行って、無事保険適用となった。
やってくれたのは経理担当のAさん。

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普通はこういうのって、一人で行けるものなんだけど、
なぜか専務が運転手として着いていった。
Aさん曰く「すごいじゃま」とのこと。

ごめんAさん、そのとき私のんびりと一人で仕事させてもらったわ。

そんな感じでちょっとだけアレ?と思うところがあっても、
なんとか仕事していってた。
Aさんともうまくいってるし、大きなトラブルもないし。
たまに発作的に現場の人が
「もうこんなとこ辞めてやる!」って言って
仕事投げ出して帰ったり無断欠勤したりするけど、
そこそこ平和だった。

時は流れて。
ようやく前の会社の引継ぎが終わった
もう一人の事務員さん(Bさんとします)が入社。
ここで完全に役割ができた。

Aさん:経理
Bさん:マニフェスト
私:売り上げ

いい感じだと思っていた。

事務所の空気がサツ伐としてないからなのか、
Aさん狙いだからなのか、専務がよく事務所に居座るようになった。
正直居ても居なくても変わらないし、
どうせだったら居ないほうが気楽なんだけど。

専務は色んな仕事を取ってくるのが仕事らしく
建築現場に行ったり、海に出向いたりとかしてた。
そんで、話を付けてきても事務所に一切言わず、
突然事務所に知らない会社から専務の名前を出して電話があって
「取引がどうの」「契約書がどうの」と言われて
私達三人を困らせた。
特に契約書は相手先の会社も何の取引か単価が
どれくらいなのか契約期間ryが分からず
しょっちゅう専務に電話して聞いていた。
どうでもいいけど、契約書作って印鑑つくのまでが私の仕事。

ただの事務員がそこまでしていいのかなーと思いつつも、
やれといわれたからにはやるしかない。
どういう取引なのかもよく分からず、契約書のテンプレそのまま印刷して
印鑑を押していた。

実際取引が始まってみると、
すずめの涙ほどの利益で経費ばっかりかかる仕事とか、
法律にかかるんじゃねーの?みたいな仕事ばっかりだった。

法律すれすれの仕事がまた厄介で
法律すれすれだからこそややこしくて、
いまだにどういう取引がなされていたのか分からない。
ただ、現場の人が朝3時に出勤して、パッカーに乗って、
どこかの処分場に行くというのは
はたから聞いていてもとても怪しいものだった。
別に遠くの処分場とかじゃなく、
一応名の知れているところではあるけど、
その前に何か通さないといけない、みたいな。
そこで社長とひと悶着あって、
その人が一週間くらい仕事ボイコットしたけど、それはまた別の話。

後から聞いた話によると、
私がいた会社では処分品目にないものを処分するとか請け負って、
他のところに出してたっぽい。
ヨクワカンナーイ。

事務所の話に戻ります。

Bさんが来てくれたおかげで、
山のように積んでいたマニフェストがだんだんと無くなっていった。
本人曰く「入力は得意」なので、
そのスピードは私なんかよりもはるかに上だった。

ちなみにAさんはというと…
経理の仕事がひと段落したら、専務に連れられて飛び込み営業に行っていた。
二人で行動するよりも、一人ひとりで行動したほうが効率がいいのに、
専務はやたらとAさんを連れて行きたがった。

Aさんはそれを苦々しく思っていて
「男女二人で営業にきたら、
男女二人ってだけでよく思わない人もいるのに
専務はそんなことも分からないのか」とか言っていた。
確かに美人の営業を侍らせてる職権乱用エ◻オヤジにしか見えないんだよね。

いつだったか、専務が何かの試験を受けるために、一日事務所を空けた日。
その日はAさんの大暴露大会だった。

以下ムナクソ注意↓
奥さんは難病持ちらしい、でも財産もあるから一緒にいる的な発言。
奥さんタヒんだら子供育てられない。でもAと一緒なら育てられる。
(一応言っておきますが、Aさん既婚者で旦那さん一筋で子煩悩です。)

Aさんの暴露に乗じて、ここで他の話も暴露。

ドライバーさんが何かやらかしたときに
「一緒に謝罪した方が」と頻りにドライバーさんに言われてたけど、
「ああ、するする」と言ったきりスルー。
それからだいぶ経って一応専務が現地に謝罪に行ったけど、
先方の社長に会わず、事務員さん(女性)に会ってお詫びの品渡しただけ。
しかもそれがエ◻カレンダー。
取引の長い会社だからそのときは打ち切られてなかったけど、
今はどうだろうね…
実際その事件があって電話減ったし。
まだBさんが来る前にこの会社の繁忙期があって
そのときに専務はなんと、
ハワイに行って癒されてましたwwwwwwwwww
私達には「出張に行ってるって取引先に言っておいて」とか言ったくせにwwww
電話すげーなるし受注めっちゃ入るし、
でも専務しかわからないことがたくさんあったのに
本人は国外逃亡wwwww
しかもおみやげナシwwwwwww

おみやげはもうどうでもいいけど
自分の会社の繁忙期がその時期って分かってるのに、
あえてなのか何なのか、その時期に家族旅行とかもうほんと
上司としてあるまじきだねー

とかAさんとBさんとで話してた。

他にもまだ出るよ。
お土産ナシってことで分かるように、専務はけちです。
筋金入りのけち。

例えば、必要なもの(最安値計算した上、
その月たまたま買うものが多かった)を
明日来るとか買うネットとかに注文したのに
利用料金が高いとか言って、
退社後の事務員三人ともに怒りの電話をかけてきたり
従業員のお土産独り占めしたり
取引先の方からのお土産独り占めしたり
お中元、お歳暮の独り占めもあったなー。
社長がそれを受け取ったら山分けなんだけどね、従業員で。
社長と専務は血がつながっているはずなのに、どうしてこうも違うのかね。
とか言ってた。

別にけちでもいいけどね、人間性がよければ。

Aさんの暴露大会で一番ひいたのはこの話。

実はAさんがこの会社に移るとき、
旦那さんに反対されてたらしい。
今まで居た会社から遠くなるし、
車がないと通勤できないようなところだから。
Aさん専用の車はないので、通勤はどうするの?
というところで。
それを専務に相談すると
「よし、じゃあ会社負担で車を買ってやる」
と言われたんだと。

それを信じたAさん、旦那さんにその話をして
「そういうことなら…」と入社決定。
だけど、実際は車なんて支給してもらえず結局自腹。
それどころか
「雇用保険貰いながらうちで働いて金貯めて車買えばいいじゃん」
と雇用保険の不正受給を促した。
もちろんお断りしたってAさん言ってたけど。

どこの世界の経営者に雇用保険の
不正受給を教唆するやつがいるんだろうね。
心底ぞっとしたわ。

その話を聞いて、事務員三人はいかにして後腐れなく辞めるか考え出した。
AさんもBさんも旦那さんに反対されての転職で
転職したのにもう辞めたいというのはちょっと…って感じだった。
ここでうまく逃げれそうなフラグが立った私。
そんなにうまく逃げれるとは思っていないけど
たまたま似た業種の嘱託職員の募集があったから
それに応募してみた。ダメ元で。

結果ダメだったけどw

そのときにはいかにして逃げるか、どこに転職するかで
仕事中も携帯片手に求人サイト見てるような状態だった。
一応専務とかが来たら隠してたけど。

他の事務員さんも、専務が居ない間は思い思いに就職活動をしていた。
応募の電話をしたり、ハロワのサイト覗いたり。

みんなやってたことは同じだったのに
なぜか私が目を付けられた。
でも本当は、Bさんが来た時点で
このシナリオはできていたのかもしれない。

ある日の帰り、私だけ専務に呼び出された。
「いよいよだな…」
私はそう思った。
Bさんは不安そうに帰っていった。

単刀直入に言うと、業務態度が悪いという理由で解雇になった。

解雇、ということで私は求人票を取り出した。
どこかのサイトで見たけど、求人票の効力は一年間らしい。
私はこの会社に入ってもうすぐ一年。
効力が切れる前にこの求人票に書かれている、
でも一度も存在を聞いたことの無い
「有給」について聞いてみた。
「この求人票には有給がある旨書かれています。
半年勤めたら有給が出る、と。
私はもうすぐ一年なので、もちろん有給はあるんですよね?」
「あるよ」
「私が就職活動するときの休みは全部有給に充てて欲しいのですが」
「わかった、いいよ」

ここで録音をしていなかったのが悔やまれる。
事務員三人で常々
「あの専務は言うことコロコロ変わるから録音してないとね、
ちゃんと言質とらないと」
と言っていたのに。

後日、なぜか社長夫人(自称「相談役」)が出てきて
「うちの会社に有給なんてものはありません!」
とか言い出した。
それだけじゃなく、私の解雇もなかったことにされかけた。
なぜか分からないけど、私は社長夫人にはとても気に入られていたようだった。
社長夫人は手放したくない、でも専務は私を不用品と思っている。
社長夫人は「残ってくれるなら時給上げる」と言っていたが
辞めると決まって他の事務員と万歳三唱した以上、この気持ちは揺るがない。
結局「専務が解雇って言うなら」
って言われて解雇になったけど。

解雇通告されたとき、
「これって会社都合なんですよね?」
と三回は聞いた。
で、実際に離職届け?みたいなのを書くときにもう一度専務に
「これって会社都合なんですよね?」
って聞いて了承を貰ったから、会社都合で退職となった。

ちなみに有給はしゃしゃり出てきた社長夫人の手によって消されて、
そんなもの最初からなかった扱いになった。

私の有給発言で、求人票が見直されることになった。
とてもじゃないけどハローワークに出せないような内容に。
残業手当も出ないし、有給もないよ!
あ、忘れてたけど土日出勤の手当てもないからね☆
みたいな感じに。
そんなんで誰が来るのかって感じだけど、
就職難なのかな、不思議と誰か来るらしいんだよね。

結局私が勝ち取ったのって、
「会社都合で辞めた」ということだけ。
それでも自分の怠慢の結果なのに解雇を言い渡しただけ
で「会社都合」にしてくれるあたり
本当はブラックじゃないのかもしれない。
たとえ半年以上雇用保険すらかけてもらえてなくても(当時手取り18万)

ここからは後日談。

それから私はすぐに次の仕事が決まった。
事務員さんとはたまにLINEしたりとか
facebookでやりとりしたりとかしてる。

Bさんは私が退職して割とすぐに退職して
今は私と同じように全く別業種で働いてる。
Aさんはしばらく残ってたけど、
退職したそうだ。

ちなみに会社はまだ続いていて、
他の犠牲者を出している模様。

書き出してみたらそんなブラックじゃなかったな。
私が辞めた後のほうが残業手当なくなってブラック化したみたいだし。
ごめんね。

ただ、ここで学んだのは

求人票は捨てるな

だな。

さて、お弁当の準備して寝ますかね。
お付き合いいただきありがとうです。

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