今までで一番衝撃的だったのは
高校2年の夏休みに母親の心臓が
止まったことだな。
両親が診察から帰ってきて父は庭で花の手入れ、
母は疲れたので休むと2階へ上がった。
その時、居間でゲームしていたのだけど
「喉が渇いたから何か
冷たい飲み物を持って来てくれ」と言われ
すぐに中断できるものだったので
麦茶を用意して渡しに行くと
母は畳の上に座布団も敷かずに
うつ伏せと横向きの中間ぐらいの感じで寝てた。
帰ってきてからほんの数分で
寝てたのでよっぽど疲れていたののかな、と思い
麦茶を置いて「ここに置いとくからね」
とすぐ居間に戻ろうとした。
だが普段から人に何か頼んでおきながら
寝るような人じゃなかったのと
いびきをかいていたので気になり
体を揺すってみると、縮こまっていた体を
顔面を畳で擦るようにしながら伸ばした。
「あ、これヤバいやつだ」と思い
すぐに窓を開けて父を呼ぼうとしたのだが
俺はしばらく使ってなかった部屋で、
鍵の開け方のコツを忘れててすぐに開けられなかった。
(ここがたぶん一番焦った)
階段を駆け下りて
「お父さん!お母さんが!なんかヤバい!」と叫び、
すぐに部屋に戻って母を仰向けに引っ繰り返したら
息してなかった。
駆け寄ってきた父に
「あ、お父さん。お母さん息してないよ」
と言いながらコナンを思い出す。
父「え~息してるだろ?ちょっと音するよ」
俺「唇真っ青じゃん。
これチアノーゼ、酸素足りない、コナンで見た」
父真顔になる。
父「早く救急車呼べ」
俺「あ、ケータイ充電中だお父さんやって。
俺心肺蘇生やる」
で前の年に受けた救急救命講習思い出しながら、
気道確保する。
父が電話してる横で
心臓マッサージと人工呼吸してた。
この時は救命講習で消防士さんが
「心臓マッサージのペースは
世界に一つだけの花と同じぐらいがちょうどいいよ」
といっていたものだから
口ずさみながらマッサージしてた。
救急車が家に来る少しぐらい前に
呼吸も意識も戻って、父と二人でよかったよかった
言ってたがその時の母親が少し面白かった。
意識戻って数秒で
「麦茶ありがとう」
今心臓止まってたんだよ
「そうなの。疲れてるから休むね、ご飯適当に食べて」
今救急車の人きたよ「着替えなきゃ」
「2階散らかってるから自分で階段下りる」
とか言うもんだから
全力で立ち上がらないようにさせてた。
父が救急車に一緒に乗っていったのだが、
その日は父だけが帰ってきて
入院するものと思ってたら
病院に迎えに行った伯父さんの車から
降りてきたから驚いた。
狭心症の発作だったらしく、
2回ぐらいカテーテルとかの手術して
すっかり元気になった。