産まれた時から知っているご近所の女の子が東京の大学へ行ったら豹変して帰ってきた

ご近所さんちに生まれた女の子、
すごく可愛くて人懐こい子で
節目節目を微笑ましく見守ってきたAちゃんって子がいた。

うちには子供がいないから、
カルピスとかチョコとか頂き物があるとお裾分けしていたら、
修学旅行のお土産を買ってきてくれたりして、
本当にいい子だった。

勉強もできたらしくて、
有名な私立中学に進学したけど全然気取らなくて。

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そのまま某有名大学に現役合格して
東京に行ってしまったんだけど
大学2年の夏に突然キンキンの金髪になって真っ赤なルージュ引いて
乳首が見えそうな胸の空いたシャツでお尻プリプリさせて帰省してきた。
最初はAちゃんって分からなかったぐらい。

その日の晩にご主人の怒号が聞こえ、奥さんの悲鳴が聞こえ
ガシャーンガシャーンってガラスの割れる音が聞こえた。
どどどどうなってるの???ななななにがあったの???と
ブルブル震えながら耳を澄ましていたらAちゃんの
「二度と帰るか!」みたいな声と共に
カッカッカッとヒールの音が小さくなっていった。

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以来そのお宅からはご近所付き合いは徹底的に避けられ
(うちだけでなく、他のご近所さんも)
半年ほど経ったとき黒い搬送車がそのお宅の前に止まり、ひっそりとお葬式があった。
事情もなにも分からず、聞くこともできず、
ただお焼香だけして帰ってきたが
大学に入学する直前ぐらいの頃のAちゃんの遺影に
悲しみよりなにより衝撃しかなかった。
その後すぐにそのお宅は引っ越して行ったけど、
いまだに一体何があったのか誰も知らない。

近所のお姉さんも豹変したなあ。
数軒隣に住んでいた一つ上のお姉さん。
小さい頃からしっかりしていて
面倒見よくて明るくて可愛くてオシャレで、
私はお姉ちゃんお姉ちゃんと言って金魚のフンのごとくついて回っていた。
それでも笑って相手してくれて、優しくて大好きだった。
小学校は同じ学校に通えたけど、お姉さんは頭も良かったから中学は進学校へ。
低脳の私は、お姉さんに勉強見てもらっても
どうにか平均値の中学にしか入れなかった。

それから私は引っ越して、どんどん疎遠になってそれっきり。
再会したのは大学に入って。
私はその後も低脳で、むろん入った大学も知れているのに、
なぜか秀才のお姉さんが同じ大学にいた。
お姉さんは一目で私がわかったみたいで、声をかけられた。
でも私にはわからなかった。それくらい別人だった。
髪の毛はボサボサなのに脂ぎっていて、
顔はすっぴんで眉毛すら描いていない。
毛玉だらけのニットは微妙な色でスカートも微妙な色。
どこでその服売ってんだってレベル。
そして何かのチラシを配布していた。

お姉さんとわかった後も信じられなかったし、
信じたくなかったので曖昧に逃げた。
しかし押しつけられたチラシは何度も読み返した。どう考えても胡散臭かった。
今ならわかる。あれはサークル活動を隠れ蓑に宗教勧誘していたんだ。
なぜ完璧だったお姉さんが宗教にはまったのか
今もよくわからない。

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