「できる男性ほど育休は取らせてもらえない」
「男性で育休が認められるのはできない社員だから」
という考えが間違ってる、と気づかされたときが衝撃だった。
昨年、同じ部署の男性社員A、Bがほぼ同時期に、
奥さんの出産のため1年間育休を取りたいと言い出した
Aさんはすごく仕事ができてみんなから信頼されてる人。
Bさんはすぐ終わるような仕事を
だらだら時間かけてやって、
そのくせ忙しいアピールをするような人。
私としては、Aさんに休まれたら
仕事が回らなくなるし困るなー、
Bさんはいるだけで部署の雰囲気が
悪くなるし(残業代稼ぎがミエミエだから)
休んでくれてもいいかなーって思っていた。
けれど、上司が出した結論は、Aさんは育休OK、Bさんは考え直すようにとのことだった。
(Bさんに育休取るなとは会社としては言えないから、考え直せという言い方にしたらしい)
上司の言い分はこう。
Aさんはすごくできる人だから、
他社からも引く手数多だろう。
育休を認めなければ、認めてくれる会社に転職してしまうかもしれない。
それに、Aさんが今やっていて、みんなが「Aさんしかできない」と思っている仕事も、
万一Aさんが病気でもして休んでしまうようなことになれば、
やらなければならなくなる。
だったら、育休という機会を利用して、Aさんの仕事をみんなもできるようにしてはどうか?
メンバー全員がAさんのレベルに近づけるチャンスなのではないか?
それに、メンバーも、Aさんのためならば
1年間仕事が増えても良いと思えるのではないか?
Bさんは、残念だけど大した仕事はしていない。
Bさんが育休を取ったとして、その仕事をメンバーに
割り振ったとしても、メンバーのレベルアップにはつながらない。
なにより、メンバーの気持ちとして、
Bさんのために仕事を増やすということはモチベーションダウンになりかねない。
だからといって派遣社員などを雇おうにも、
Bさんの仕事はかなり機密性が高いので、外部の人に任せるのは難しい。
結局、Aさんは育休を取り、Bさんは職場に残った。
Aさんが育休に入って約2ヵ月が経ったけど、
メンバーみんなAさんのために!Aさんに追いつけ追い越せ!って頑張ってる。
もちろん引き継ぎは大変だったし、
まだAさんの仕事に慣れなくて以前より残業は増えたけれど、
Aさんが来年安心して復帰できるよう、みんな必タヒになって取り組んでる。
1年間Aさんの仕事を続けたら、きっとレベルアップできるだろうなとみんなが感じている。
Bさんは、Aさんの仕事を一部割り当てられたけど、
なぜか以前と終業時間は変わってない…。
たぶん自分の仕事を以前よりちょっとだけ早くやるようにして、残業代をキープしつつ
帰宅時間も変わらないようにしてるんだと思う。
上司に説明を受けなかったら、なぜAさんを休ませるの!?
と見当違いな怒りを抱いていたかもしれない。
目先のことばかり考えてしまっていたことを反省した。
男性に限らず、「できる人の育休は周りにいい影響を与える」
「できない人の育休は周りに迷惑」ということかな…。
自分も将来育休を取るかもしれないから、
Aさんみたいな人にならなきゃと思った。難しそうだけど。