前の夫は釣りが趣味で、
交際時期にはよく魚を持って
うちに遊びに来てた
一人暮らしの狭いキッチンと
やっすい包丁で魚をさばくのは
大変だったけど
「俺の嫁になるならどうか覚えて!」
と頼まれたのでついその気になった
小料理屋をやってる叔母に頼んで
料理をひととおり習った
(←両親が他界してから親代わりだった人)
魚のさばき方は、叔母の知人の料理人に
わざわざ教えてもらった
道具もそろえたから
大物のブリだって鯛だってさばけるし、
魚料理に限って言えば結婚する頃には
「うちで出してもOK」
と叔母のお墨付きもらえるくらい上達した
結婚3年目に夫が釣り仲間と
ものすごく大きなブリをつってきた
釣り仲間から魚拓を取らせてと
頼まれるくらい大きくて
まるまる肥えてて腕が鳴った
叔母の店を借りて解体し、
ブリ大根とブリ刺身、
ブリしゃぶを振舞った
釣り仲間は喜んで食べてくれたけど、
ふと気づくと夫だけ食べてなかった
帰宅後に口に合わなかった?
と聞いたら、酔った夫が
「俺、魚料理嫌いなんだよね・・・
特にブリ大根大嫌い」
と口を滑らせた
そこから夫がさらに
「鯛料理も嫌い。鯛は味がしない」
とか言い出した
イカの刺身も、キンメの煮付けも、
とにかく魚料理自体がいやだったんだってさ
交際してすぐの頃の話だけど、
何かの流れで私が「釣った魚は食べて供養」
みたいなことを言ったら
釣り仲間たちが「そうだそうだ」と
賛同したことがあった
夫も確か「そうだ。食べてこそ釣り人だ」
って応じてたと思う
独身時代は「一人じゃ食べられないから」
という理由で家族持ちの人に
釣果を押し付けてたけど
結婚したら自分で持ち帰らないと
不自然になると考えた
釣るのは好きだけど食べるのは嫌いな夫は、
私の料理が下手だから食べないんだ、
という体でいけば
魚料理を食べなくても&残してもバレない!
と踏んでいたらしい
だけど私が本気で料理を覚えてしまったので、
ついに我慢の限界に達してしまったみたいだ
それなら最初から言えよ!
無理に料理しなくても
叔母の店に持って行けば喜ばれたのに!
と大喧嘩
朝イチで寝不足のテンションと勢いのまま
二人そろって役所に行って、
そのへんにいた人つかまえて拝み倒して
離婚届の証人欄埋めてもらって提出したw
(これは本当に申し訳なくて
あとからお詫びとお礼を送った)
話を聞いて激怒した叔母の招きに応じて、
鞄と段ボール箱3つ持って転がり込んだ
部屋探して出て行こうとしたら
「うちで住み込みで働け」
と言ってくれたので下積みから始めて、
今はお客さんから「ちび女将」
と呼んでいただいてるw
離婚から8年くらいたった先日、
元夫がお店に来て
「魚料理が嫌いってのはウソ!やり直して!」と
わけわからないことを言ったので
追い出そうとしたら、釣りが大好きな常連さんが
「釣るだけ釣って食べもしない
嘘つき野郎は出てけ!」
と野次って塩をばらまいたので
元夫は何かもごもご言いながら出て行ったw
あとから共通の知人に聞いたところ、
元夫は四十代を過ぎて
本当に和食しか受け付けなくなったが
再婚した奥さん(元夫より2周り近く若い子)が
肉料理しか作らないような子だったらしくて
私(というか料理)と元鞘を狙った・・・
のではないかということだったw
こちらは板長さんと結婚して
叔母の店を継ぐことが決まってるのに
誰が嘘つきなんかとやり直すか!ばーか!
もともと汗をかく仕事で
濃い味が好きな人だったので
繊細な味はわからなかったのかも
それでも濃い目に味付けしてたんですけどね
料理なんかで離婚して馬鹿馬鹿しいと
親戚に言われて落ち込んでたけど
料理を商売にしてみると、そのたかが料理、
されど料理だとしみじみ思います