スペック
私 24歳、社会人二年目
弟 21歳、大学生、美男子
DV男 25歳、私の元彼氏
就職が決まると同時に家を出て一人暮らしを始めた私。
しばらくして就職先で彼氏が出来たので同棲することに。
彼氏は優しくて気配りが良くでき、
正直私にはもったいないくらいの優良物件だと思っていた。
だけど時間が経つにつれて彼の本性があらわになり、
家事や炊事とにかく自分に面倒なことは私に押し付ける。
私が指摘すると暴言、暴力の嵐。
それがわかってから私は彼氏が怖くて仕方なかった。
一ヶ月くらい、彼に怯えながら生活し続けた結果、
私はそのストレスが原因で胃潰瘍になってしまった。
別れ話をしようにも、
彼氏にそれに至る理由を伝えた時にどんな暴力を奮われるかと思うと
気が気でなく中々実行出来ずにいた。
私は精神的にも耐えられなくなり、頼りになる弟に相談した。
すると弟は彼氏のDVに悲しみながらもかなり腹を立てていた。
私達は昔から、ハタから見ている人に恋人か?
と思われるほど仲良しな姉弟だったので
弟にはこの事でかなり凹んでいたようだ。
私が別れ話を持ちかけたいんだがどうしようと言うと、
弟は「それなら姉貴、いつも行きつけのレストランがあるだろ、
そこで別れ話をしろ。その時にビビる必要はない、
自分の思いを率直に彼氏に伝えるんだ。
その日の日にちと時間帯は分かり次第俺にも教えて。」
と言われた。
どういうわけかよくわからなかったが、
とにかく弟の言う通りにすることに。
その当日、私は弟の指示通り、
行きつけのレストランで彼氏に別れ話を持ちかけた。
一言も偽らずにありのままの思いを伝えた。
すると案の定彼氏発狂。
キレた彼氏が私の胸ぐらを掴みにかかった時、
誰かが背後からトントンと彼氏の肩を叩いた。
後ろを振り返るやいなや、フルスイングのカウンターが彼氏の顔面を直撃。
凄まじい威力だった。彼氏の顔が吹っ飛んで行くかというくらいで、
自然と彼氏は椅子から転げ落ちた。
よく見てみると、正体は弟だった。
一番端のテーブル席にそれらしき姿は見えていたが。
この瞬間を待ち構えていたらしい。
彼氏起き上がって「てめぇ、なにしやがん…」と言いかけたところで、
弟は彼氏の胸ぐらをグイッと掴み、
顔をお互いの鼻がくっつくかと思うほど至近距離に持って行き
「それはこっちのセリフだよ。
てめぇが今まで人の姉貴に手を出してたの全部知ってたんたぜ?
現に今も殴りかかったろ。てめぇは女はいたぶるもんだとしつけられてんのか?
そんな根性あるなら俺がてめぇの相手になってやろうか?あぁ?」
と低い声で言う。
さっきまで強気だった彼氏だが、体のゴツイ弟に凄まれて見る見る泣き顔に。
周りの客が終始こちらを注目、瞳孔開いて彼氏を睨みつけている弟の姿に、
正直姉の私も怖かったw
彼氏は攻めに攻められたストレスと緊張からかその場で嘔吐。
心配した店員さんがタオルを持って駆け寄ってきたが、
弟は店員さんからタオルをひったくり彼氏に投げつけ
「自分で拭けよな。拒否したら殴るぞ。
てめぇも姉貴にこうやって面倒なこと押し付けてきたんだろ?
もう二度と俺たち前に姿現すなよ。
余計なことしたら今度は本気でぶちのめすから覚えとけよ。」と…。
弟は自分の分の会計を済まし、
私の分の会計を彼氏に押し付けて、
ゲロ処理まっ最中の彼氏を横目に私の手を引っ張って店を出た。
後で弟に「確かによく頑張ってくれたけど、ちょっとやりすぎ…」
と伝えると、
「身内が精神病にかかる程傷つけられてんだ。黙ってられるわけないだろ…。」
と強気に、でも何処か照れ臭そうに言う弟。
それからというもの、よほどビビったのだろうか、
彼氏が私達の前に現れることは一度となかった。
少々強引な所もあるけど、私は弟を本気で誇りに思うよ…。