5年ぶりに再会した元カノから「この子A男君の子供だよ」

A男…俺、当時27歳
A子…元カノ 当時26歳

大学の時付き合ってたA子と俺、
卒業して俺は都内に就職、A子は院に進んだ。
電車で大体2時間位の所なんだけど、
最初は何とか時間も作って会いに行ってたし、
時間的な余裕のあるA子も東京によく来てくれてた。

その内段々疎遠になってしまい、結局は自然消滅になった。
最後に会ってから約5年後、
新しい彼女も出来たり別れたりとしてた頃
突然A子が俺のアパートに来た。

驚いたけど懐かしくて、
嫌いで別れたわけでもないので楽しく会話。

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今彼女は東京に住んでると言うので、
ちょっと期待してしまった。
所が「今ね、実は妊娠してるの」と嬉しそうに言われ、
「そうか、幸せなんだな」と言うと、
「A男君も幸せでしょ?wこの子A男君の子供だよ」と。
冗談だと思って「えーそうなのかーw」と言うと「そうだよw」
「そっかじゃあ出来婚だなw」「そだねーw」。
まあ普通に軽い口調で言ってたのでそれで話は終わり、
A子は帰って行った。

数日後、親から電話で
「あんた結婚するならもっと早く言いや!」と怒られ、
彼女と別れたばかりだった俺は「何の話ね?」と言うと
「親馬鹿にして!相手の子もう妊娠までしてるっていうが!」
まさに( ゚д゚)ポカーン…
「お腹大きくなる前に結納して、
安定期に入ったら式にするか、それとも生まれてからにするか」

ってどんどん話が進んでいく。
話を聞いたらどうもそれはA子の事らしく、
もうA子とは何年も会ってない事、先日の会話を話して聞かせ、

「もしかしたらA子はちょっとおかしくなったのかもしれない」
「今度もしA子から何か言われたら放置しとってや」

と言って電話を切った。

次の日にまた親から電話、
何かあったのかと思ったら、
今度はA子親からも連絡があったという。

「娘を傷物にした」
「責任を取らせる!」
「孫をどうしてくれる!」

と怒って電話切ってしまったらしい。
これはもう放置しとけなんて
レベルじゃなくなったと思い、
親と一緒にA子実家へ向かった。

A子は俺を見ると嬉しそうに笑い、
A子親はいきなり俺をぶん殴った。
まあ何とか話を聞いてもらうことに成功、
最初は「このくそ野郎!無責任!」と罵られ、A子が必死に俺をかばい
「やめてーこの子のお父さんなのよー」とか言うし、本当に大変だった。
何を言っても信じてもらえず、

A子は泣き、A子母は泣きながらA子をかばい、
A子父は鬼の形相で睨んできて、
ちょっと刺激したらぶん殴られること間違いなし。
俺本気でビビッてたw
A子父も怖いんだけど、それ以上にA子が怖い。
怖いなんて簡単な言葉で表現出来ない位A子が怖かった。

で、オドオドしつつも「何で俺がこんな目に…」とがっかりする俺、
お腹をさすりながらシクシクなくA子って感じで
悪い事に俺の親もA子の言ってる事が正しいと思い始めてしまったようだ。

「本当にあんたの子じゃないんか!」

とか泣きながら言い出し、

「この子が、お腹に赤ちゃん居る子が、
子供の前でウソついてるんか!」

と俺を責め始めた。
何時間も責められ、見た目は俺が悪いとしか見えないだろうと
頭真っ白になってボケーっとしてきた。
だっていくら俺が「もう何年も会ってない」って言ったって
A子がものすっごく具体的な「俺と会ってた記憶」を語るんだもん。
証拠品とか言って映画の半券とか出してくるし。

A子父が痺れを切らして
「こいつと結婚するなら家にはもう入れない!」とか怒り出して
それでもA子が「子供の事を考えたらそれでもしょうがない。
私はA男君と結婚します」って言い切った。
大泣きしながら「勝手にしろ!」とA子父が退場した所で、
俺の親が「大変申し訳ない」と土下座して終了。

会社で上司に相談したら、
生まれる前にもDNA鑑定をする事が出来ると教えてもらう。
お腹に針を刺して羊水をとって、
それで鑑定するんだとか何とか。

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早速A子父に電話して、そのことを持ちかけ、
「自分の言ってる事信じてもらう為にはこれしかないんです!」と説得。
しばらくした後、A子父に呼ばれて、俺は親と一緒にA子宅へ。
泣き叫ぶA子、それをドア越しに説得する俺ら。
「お腹に針を刺すなんて可哀想で出来ない!」と泣くA子に
「赤ちゃんには刺さないんだよ」と言うも拒否された。
実際に調べたら、あんまりそれをしてくれ
る医者も居ないみたいで大変だったけど、
結婚してないし、それこそ何年も会っていないのだ、
と医師を説得してしてもらえる事に。
(よく分からないが、原則出産前親子鑑定はしないらしい)

だけども肝心のA子が同意しない。
でも俺は絶対にA子と結婚して子供を育てる気は無い。
しかしそのDNA鑑定と言う後ろ盾を手に入れて、完全に形勢逆転した。

堂々とそれを要求する俺、絶対にいやだとごねるA子。
やっと皆俺を信じてくれて、A子父も
「A子の子供の父親は誰なのか」と俺に聞いてくる始末。
「何年も会ってないのに分かりませんよ」と冷たくあしらった。

A子はA子でしつこく俺を責めてきて
「自分の子供の命をそんなに粗末に扱うなんて!」とか
「あなたは最低の父親ね!」とか言ってきてた。
心労が祟ったのか、A子は月足らずで女の子を出産。
そのちょっと後、A子母がDNA鑑定に必要な物を採取、
俺にもそれを要求してきた。
はい、当たり前ですが99%の確立で親子ではないとの事でしたよ。

その後、A子が子供を抱いて家に来襲、
でもその時点でその子供は自分の子ではないと
証明されてたから追い返された。

そのDNA鑑定に必要な物って言うのは口の中の頬の内側を
スプーンみたいなのでコリコリと削って、それを送るんだけど
A子は「一体誰のを送ったのよ!」と火病。

更にA子家族の前で再接種、
A子親がその場で封をしてもう一度送り、
その返事が帰って来た時、また集合、
みんなの前で封を開け、改めて俺の子供じゃないと証明。

「もういいわよ!わかったわよ!皆最低だな!
こんなかわいい赤ちゃんの前でそんな事ばっかり言って!
お前らが死ねよ!」

父親に「ったく口うるさい!あんたは金だけ出しといてよね!」と。
そのままA子は子供抱いて二階の自分の部屋に篭り、
その中から口汚く罵ってくるA子、呆然とするA子親を放置して帰った。
やっと開放されたと、本当に幸せな日々を過ごしていたが、
A子父から電話。

「A子とA子娘が居ない!」

何となく「赤ちゃんポストには今年も沢山赤ちゃんが捨てられてたみたいですよ」
と言ったら、A子父号泣。
実際には数日後に友人宅で子供だけ保護されたらしい。
A子が子供連れてその人の家に遊びに行き、
「ちょっと出てくる」と言ったまま帰ってこなかったそうだ。

A子は未だに行方が分かってない。

子供は今A子親が育てているようですよ。
名前が…俺の名前を一文字取った名前なので
呼ぶたびに複雑だろうなぁ…
(尚之→尚子みたいにね)
A子父に殴られたのは謝罪されまくりで困るくらいだよ。
四角くて恰幅のいい重役顔から、貧相な三角顔になっちまった。
正直俺に謝らなくていいから、
ちょっと自分の体なんとかしてよ!って感じ。

結局A子娘の父は誰なのか、それはもうわかりようがない、
肝心のA子が居ないし。
何と言うか、半分以上は子供の親が俺だと信じていると感じた。
だってDNA鑑定だって、封筒を開けるまで堂々としてたし、
自分が最初に親子関係を拒否した時なんて、
唖然として、目を見開いて、ガクッと力が抜けて座り込んで
「尚之(仮名)君…」
それで家の親も泣き、「この馬鹿息子めー」ってなっちゃったんだもん。

あとタイミングが最悪だった。
ちょっと前に姉が男の子を生んでたので、親も子供に弱かった。
親子鑑定がされる前、子供を見たら家の親だけでなく、
何と俺自身も目の前の小さな赤ちゃん見て、胸が「キュウ~~ン」と。
保育器に入っていたんだけど、
拉致同然にA子親に連れて行かれて会ったんだけどね。
看護師も医師も皆冷たい事この上なしw

師長さんに「あなたが親じゃなくてもいいから、この子に暖かさを分けてあげて」
んで、カンガルー何とか言う治療の一環で
上半身裸になって、子供を人肌で抱くってのもした。

果てしなくかわいかったが、親子としてではなくて
甥っ子に対する感情と大して変わらん。

まあ子供居ないからわからないけど。
むしろ甥の存在に対して涙が出るほど感動してたから、
赤ちゃんを見て父性を刺激されたのかな、と。
だってすっげーちっちゃいんだよ…
手なんて5センチくらいしかないんだけど、
モゾモゾ動くの。

甥が生まれた時よりもずっと小さくて(1キロ半の差があった)、
「甥は何年も望まれて生まれ、両親、祖父母×2、おじおば親戚一同、
本当に愛されて大事にされてるのに、この子は父親が誰かも分からない」
って思ったら涙が止まらなくて。
それを勘違いされちゃった、ってのもあるな。

師長さんに命の尊さを語られてさ~…
一瞬甥の顔が浮かんで、「俺がこの子の親になるべきか…」って思ったよ。
その時も一応、出生前親子鑑定をして欲しいと言った位、
この子の親ではない事を確信してると、
事情も説明したけどあんま聞いてもらえなかったな。

A子は理系、確かに理路整然としてて良くも悪くも曲がった事が嫌い!って感じの
ちょっと潔癖な位の子だった。
院に進むのも「ああいう性格の子だから、研究生活ってのはあってると思う」
ってのがみんなの感想。
真面目すぎたのが良くなかったのかな…
お金持ちの家のお嬢様だったし、
自分でどうしようもない事に対応できなかったか…

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