どうしても書きたいので書く。
会話はなんとなくで補填してるのとフェイクあるのでよろしく。
当時のスペック
俺33歳 独身
嫁27歳 既婚子なし
嫁は俺の会社に中途採用で入ってきて、部下になった。
嫁は気さくで気遣いの出来る笑顔の素敵な女性だった。
中途採用なのは旦那の転勤に付いてこちらに引っ越してきたからというだけで、
なかなか美人で仕事もかなり出来るので
俺としてはホクホクだった。
俺は仕事柄外回りが多いんだけど、
その日は夕方の約束でしかも自宅方面だったので直帰する予定だった。
でも、その日の相手会社とのやり取りで、
どうしても今日中に会社に戻って確認したい案件が出来てしまった。
今だったらスマホでパッと確認できるんだけど、
当時は会社のPCでしか確認が出来ない。
ちょっと帰宅時間が遅くなってしまうけど、
やっぱり直帰せずに一旦会社に戻ることにした。
結局会社に戻ったのが21時頃。
遅くなっちゃったなーと思いつつオフィスに入ると嫁がいた。
まだ残業してたのかと思ったらなんかボロボロ泣いてる。
嫁も俺に気づいて必死に取り繕いながら、
嫁「あ、れ?俺さん直帰じゃなかったんですか?」
俺「いやちょっと確認したい資料があって……あの、どうしたの……?」
嫁「いや何でもないんです。ちょっと。あははっ」
俺「……」
でもどう見ても大丈夫じゃないし、
嫁の仕事量からしてこんな時間まで残業しなくていいはずだし……。
どうしようどこまで突っ込んでいいのかなぁと考えながら、
とりあえず資料を確認することに。
すぐに確認が終わり、改めて嫁に声をかけようとしたんだけど、
資料を確認している間に帰ってしまったらしい。
嫁が挨拶もせずに帰るなんてどこからどう見ても普通じゃないんだけど、
まぁ女性はいろいろあるからなぁと思い直して俺も帰ることにした。
週明け、改めて出勤すると嫁は普通に戻っていた。
まぁプライベートで何かあったんだろうと思って仕事をすることにした。
ところが、嫁はまだ普通ではなかった。
数日後、嫁が仕事で大きい失敗をした。
客からの発注に、とても間に合わない納期で受注してしまったらしい。
ところが納期を守らないと客には大きな損害が出てしまう。
とはいえ、うちだけでは全く納期に間に合わない。
嫁から話を聞いた俺も正直ヤバイなぁと思った。
完全に上に伝えるべき内容なんだけど、嫁の責任は大きいし、
というかこれ、俺が責任取る内容だと思って内心ガクブル状態だった。
嫁も復活したと思ってたけど、
やっぱり立ち直ってなかったんだろうなぁと思いながら
改めて嫁に状況整理のため聞き取り。
嫁「あの……本当にすみません。どんな処罰でも受けますので。」
俺「いや大丈夫。大丈夫だから、安心して。」
全然大丈夫じゃないんだけど、弱ってる嫁を叱っても仕方ないし、
なんか庇わないとこのまま辞めてしまうかもしれないから
引き止めないとと思って必死で安心させた。
その後、自分の仕事を残業に回し、
いろんな会社に頭を下げることに日中を費やすことになった。
実は俺には秘策もあった。嫁から状況を詳しく聞き取りした段階で一筋の光明が見えていた。
同業他社に行った友人も巻き込んで、
なんとか納期を守ることに成功した。
上にはもちろん事後報告。
嫁は全く責任を負わず、俺が上に
上「俺君、ちょっとこれ高いんじゃないの?」
俺「そうなんですが、これこれこういう事情(嘘八百)もありまして………」
上「うーん、そういうことなら仕方ないけどなぁ。次の目標で挽回しろよ?」
とちょっと怒られただけで済んだ。
さぁ、あとは嫁のフォローだ。
といっても嫁は女性だし既婚者だし、飲みに行って話を聞くのも難しい。
そもそもプライベートに首突っ込めないしなぁ……。
そこで喫煙室にいたA(♀)に話を聞いてみることにした。
俺「嫁ちゃん最近元気無いんだけどどうしたのかね」
A「なんか旦那と上手く行ってないらしいですよ?」
俺「あー、そうなのかぁ(口軽いなこいつ)」
どうしよう。夫婦関係で落ち込んでるなら、
ますます首を突っ込みにくいなぁ………。
しかし放置もできず、とりあえず就業時間内に
会議室を借りて二人で話をすることにした。
堅苦しくなってしまうからこういう形は
あまり取りたくなかったんだけど、まぁ仕方ない。
ひとまず問題が解決したことと、顛末を説明。
嫁は「本当にありがとうございました」と言いながらほっとしたようで、
ボロボロと泣いてしまった。
落ち着くのを待って、
「いろいろ大変なこともあるだろうけど独りで溜め込まないで、
少しは上司も頼ってくれよな」
みたいなことを言ったと思う。
とりあえず仕事が片付いたので、
その日は飲みに行くかと会社近くのバーに行った。
ゆっくり飲みながら、ふとトイレに行こうと席を立とうとしたところで、
目に入った端の席に嫁がいた。
どっちが先に入ったのか分からないけど、うつむきながら独りで飲んでた。
座席の場所的に無視は出来ないなぁとトイレの帰りに声を掛けた。
そのまま会計して帰ろうかと思ったんだけど、
マスターが「お知り合いですか」なんて言うもんだから
そのまま隣で飲む流れになってしまった。
しばらくはなんてことない話をしてたんだけど、
話が途切れて沈黙がしばらく続いたときに嫁がポツリと話始めた。
嫁「旦那が浮気してるんです」
俺「えっ」
そのまま嫁は話し始めた。
自分が妊娠しにくく子供が出来ないこと。
旦那の浮気に気づいたこと。
それでも旦那に対して一生懸命尽くしてきたこと。
それに対しての旦那の態度。
携帯を覗き見してしまったこと。
あの日、オフィスで泣いていた嫁は、
その日の旦那の予定を覗き見した携帯から知っていて、
今そのとき、まさに真っ最中なんだと思ったら
泣いてしまったということらしい。
酒が入っているせいもあって嫁は俺なんかに話をしてくれたが、
正直、俺はかける言葉が見つからなくて話を聞くことしかできなかった。
家に帰っても俺は嫁のことを考えていた。
きっと旦那は子供が出来ない嫁に愛想が尽きて他の女を漁りだしたんだろう。
後から知った話では実際その通りで、
それが原因で旦那の親と嫁の関係も良くなかったらしい。
だとしてもだ。
俺の知ってる嫁は、美人で気遣いがしっかりしていて、
思いやりがあって、仕事が出来て、理想の女性を絵に描いたような人だ。
子供が出来なくて一番辛いのは嫁のはずなのに、
それでも嫁は弱音や愚痴は吐かずへりくだって
旦那に接してきたんじゃないかと思う。
そんな嫁に対してこの旦那は………!
そう思ったらだんだん嫁旦那にムカついてきて、
嫁を助けてやりたい気持ちになった。
翌日嫁に合うと
嫁「昨日はありがとうございました。変な話をしてしまって申し訳ありません」
俺「いやいやこちらこそ。私で良ければ何か力になりたいし、
辛かったら話を聞くだけでも出来るから。」
嫁「はい」
その日から俺はバーに通った。きっと嫁が俺に話をしたければ来てくれると思って。
しばらく経った頃、嫁はやって来た。
しばらく当たり障りのない話をしてから切り出してみた。
俺「それで嫁さんはこれからどうするの……?」
嫁「……なんとかしなくちゃいけないですよね……」
聞けば何も進展はなかった。
浮気している旦那。
気づいてるけど気づいていない振りをする嫁。
ただひたすらにその関係を続けていただけだった。
自分の不妊のせいだという意識が強いために旦那を追求することが出来ず、
浮気の証拠を押さえるべきなのか、押さえたらそれでどうするのか、
いったいどうしたらいいかの独りで抱え込んで悩んでいたらしい。
それはそうだ。
旦那の転勤についてきてしまったせいで周りに相談できる家族や友達もいない。
優しすぎる性格なので相手を責めるという選択肢もない。
話を聞いて俺はもう居ても立ってもいられなかった。
俺「嫁さんさえ良ければ俺に任せてもらえないかな。悪いようにはしないから。
まず旦那の行動について調べよう。
それでちゃんとした状況を確認してから今後のことを決めよう」
嫁「でも俺さんにこれ以上ご迷惑はかけられません」
俺「大丈夫。嫁さんのために俺がしたいんだから」
俺は嫁の許可を得てすぐに興信所に旦那の調査を依頼した。
嫁のためならそれくらいしてもいいと思った。
このとき既に俺は嫁のことが好きだったのかもしれない。
結構な額がかかることを覚悟してたけど、
興信所にかかる金額というは調査期間によって決まる。
旦那がボロを出さず、調査機関が長くなれば長くなるほど高額になるわけだ。
ところが旦那はすぐにボロを出した。
出したところか、ひどい有様だった。
最短の契約期間で確実な証拠が出た。
これはまだ出るぞともう少しだけ延長したところ
思った通りボロボロ出てきた。
正直口に出すのもはばかられるような内容だった。
極めつけは調査最終日。この日は旦那が出張に出かけるという日だったが、
1週間の出張と言っていた旦那の言葉は嘘。
実際には有給を消化しての浮気相手との旅行だった。
嫁に見せると嫁は顔が真っ青になってしまった。
それはそうだ。旦那は今頃浮気相手との旅行中。
楽しくお盛んなのだから。
その日はとりえあず顔面蒼白で倒れそうな嫁をタクシーに乗せて家まで送った。
この日ばかりは旦那が旅行で居なかったのは逆に良かったかもしれない。
俺「明日は嫁さんは有給ってことにしておくから無理しないで。
2日でも3日でもゆっくりして大丈夫だから。」
嫁「すみません……」
嫁は翌日を休んだものの、2日後には出勤してきた。
そして時間を作ってもらえないかというので、
仕事の後会うことになった。
嫁はぽつりぽつりと話始めた。
旦那が大好きだったこと。
実際に旦那の行動を見てショックだったこと。
もう関係を続けていくことは無理だと悟ったこと。
離婚を考えているがどうしたらいいのか分からないこと。
俺は知り合いに弁護士がいるから一緒に相談しに行こう持ちかけ、
後日一緒に行くことになった。
知り合いの弁護士から適任の人を紹介してもらい、
離婚に向けて動くことになった。
確たる証拠もあるし滞りなく進行したけど、
その間の嫁は見ていて可哀想だった。
本当は弁護士を通せば直接話し会う必要はないらしいんだけど、
相手と嫁が直接会って話し合うことを希望した。
嫁は父を亡くしていて、兄弟もいない。
母は遠方にいる上にタイミング悪く腰を壊したところで来ることができなかった。
それで俺から申し出て旦那との話し合いには俺が付き添うことになった。
弁護士も立ち会うけど、ひとりで嫁を矢面に立たせるのは我慢ならなかった。
話し合いの席。
嫁はずっとうつむいていた。
旦那は悪びれるでもなく、謝るでもなく、
開き直って弁護士相手に慰謝料について話していた。
俺は旦那を殴ってやりたくて仕方なかった。
あるいは弁護士がいなかったら俺は殴っていたんじゃないかと思う。
必死で自分の足を掴んでそれを堪えていた。
この男は、この何も悪くない素晴らしい女性に、
死ぬほど悲しい思いをさせたんだ。
涙を流して俺なんかに助けを求めるくらい苦しい思いをさせたんだ。
なのにその態度はなんだ。地べたに這いつくばって謝っても、
いくら金を積んだって赦されるものじゃない。
本当に反吐が出る思いだった。
その後滞りなく話がまとまり、離婚は成立。
嫁は会社を辞め、地元に帰っていった。
しばらくして嫁自家から大層な荷物が届いた。
中には地元で採れたという魚介がたくさん入っていて、
これまたかなりの金額が詰まった封筒が入っていた。
嫁母と嫁それぞれからの「お世話になりました」という手紙には
「ぜひ一度こちらにもいらっしゃってください」とあった。
本気なのか社交辞令なのか分からないけど、
こんなにお金を貰うわけにもいかないので、
これは近いうちに本当に邪魔して返さないとなと思った。
嫁実家近くはちょっとした観光地でもあるので、
連休を使い、旅行を兼ねて嫁実家を尋ねることにした。
電話でその旨を伝えると、駅まで車で迎えに来て
案内してくれるということに。
久しぶりに会った嫁はすっきりした顔をしていた。
最後にあった頃の顔にはまだ悲壮感があって、
しばらく嫁の元気な顔は見ていなかったこともあってドキッとした。
やっぱり嫁は素敵な女性だなと再認識した。
嫁さんがいなくなって職場が寂しいよーとか、
この辺で取れる◯◯は美味しいんですよなんて話をしながら観光し、
夕方近くなってから嫁実家にお邪魔した。
「その節は……」「いえいえこちらこそ」から
「晩御飯食べていってください」ときたので、
せっかくなのでとお呼ばれすることに。
嫁からあらかじめこうなることは聞いてたので
ホテルは素泊まりだったしね。
お義母さんからは嫁の小さい頃の話とかを聞いて、
俺は会社での有能ぶりなんかを話してなかなか盛り上がった。
俺「ホテルを取ってるのでそろそろお暇します。
それで、今日はこれをお返しするつもりで来たんです」
母「そんな。大変なご迷惑を掛けたのに……。ぜひ受け取ってください」
俺「でも、こんなにたくさんは頂けません」
母「いいえお願いです。どうか受け取ってください」
そういって俺に封筒を無理やり握らせて話す
お義母さんの手は震えていて、目には涙が滲んでいた。
あぁ、このお義母さんは夫を亡くしてからひとりで娘を大事に育ててきたんだ。
娘の非常時に駆けつける事が出来ず本当に苦しい思いをしたんだろう。
俺「でしたら、今回の旅費にこれだけ頂きます。たくさん海鮮も頂きましたし。
わたしもこれきりで嫁さんに会えなくなるのは寂しいですし、
今度はそのお金で嫁さんとお義母さんで遊びに来て下さい。」
母「そうですか、分かりました。ありがとうございます。
ぜひ伺わせてください。」
ところがこの約束は果たされなかった。
翌年、お義母さんが急病で亡くなってしまったからだ。
訃報を受けて俺は再び嫁実家を尋ねることになった。
葬儀自体は簡素なもので、
親族がいろいろと動いてくれていた。
嫁は真っ白な顔をして俺に挨拶をした。
何度目だろう嫁のこの顔を見るのは。
もう俺は嫁のこんな顔を見たくない。
俺が嫁を笑顔にしてやりたい。
そんな気持ちで一杯だった。
俺「何かあったらいつでも頼ってきて欲しい。いつでも力になるから」
そうは言ったものの嫁と離れてしまっては何もしてやることが出来ない。
きっと今も辛い思いをしているはずなのに。
自分の家に帰ってからもずっとそんなことを考えていた。
しばらく経って、嫁から連絡が来た。
母と俺さんのところに行く約束があったのに、
結局母が行けなくなってしまった。
約束だし、せめて私だけでもと。
もちろん快諾して会うことになった。
待ち合わせ場所に着くと、嫁は今日は奢らせてくださいと言って
寿司屋に連れていってくれた。
いい店で美味しかったし、親方とカウンター越しの寿司屋では
自然と明るい話になり楽しい時間だった。
話しながら俺は、なんて素敵な女性なんだと改めて思い直していた。
その後店を変えて飲み直し、たくさん話をした。今までのこと。これからのこと。
嫁「俺さん、改めて本当にありがとうございました。
私は俺さんのおかげで前に進めました。
俺さんのおかげで今日はとても楽しい時間を過ごせました。」
俺「良かった。俺も楽しかったよ。」
嫁「はい」
俺「嫁さん、あなたは幸せにならないとダメだ。
俺は嫁さん程素晴らしい女性を見たことがない。人として尊敬できる。
でも俺は悲しんでる嫁さんをもう見たくない。
俺に嫁さんを幸せにさせてもらえないか」(あ、つい言ってもうた)
嫁「えっ、それって……」
俺「愛してる。結婚を前提に付き合って欲しい」(ええい勢いだ)
嫁「えっ、そんな……」←嫁は覚えてないと言うが本当にこう言った
俺(そんなってどういう意味だ)
嫁「ちょっと考えさせてもらえますか?」
俺「わかった」(これアカンやつや……\(^o^)/オワタ)
そのまま嫁を滞在しているホテルに送り届けてお別れ。
自宅に帰って風呂から出るとメールが入っていた。明日また会ってもらえますか?
すぐに了承して翌日も会うことになった。
翌日会うと嫁は海の近くにある大きい公園に俺を連れていった。
ふたりで散歩しながら他愛のない話をして、海が見えるベンチに座った。
嫁「わたしは幸せになっていいんでしょうか」
俺「何を言ってるんだ。もちろんだよ。」
嫁「たぶん、私は子供が作れません。前の夫もそれで私を……。
俺さんだってきっと辛い思いをします」
俺「俺は構わない。全く不妊というわけでもだいんだろう?
治療しながらゆっくりでもいいと思うんだ。
それでも嫁は辛いかもしれないが、俺は大丈夫。子供がいなくてもいいし、
欲しければ養子を取ったっていい。
ただ、嫁は必ず俺が幸せにするよ。約束する。」
嫁「俺さん、ありがとう。よろしくお願いします。」
嫁は涙目になりながら答えていた。
その日は俺の部屋に泊まり、嫁が帰ると遠距離恋愛が始まった。
週末になると俺は嫁実家に行き、嫁実家を引き払うための準備を手伝った。
それが終わると俺は嫁と住むための部屋に引っ越し同棲を始めた。
今考えると結構大変な日々だったはずなのに、
あっという間の楽しい記憶しかない充実した日々だった。
ところで気になる人もいると思うので説明しておくと、
元旦那は離婚後引っ越していて近くには住んでいないらしい。
まぁばったり会うなんてことはなく、今後もないだろう。
同棲して半年ちょっと。
お義母さんの一周忌で嫁の地元に帰り、そのときプロポーズした。
そのまま集まった少ない親族に結婚する旨を伝えた。
結婚式も披露宴もしなかったけど、
会社の人たちはレストランを貸し切って祝ってくれたし、
なによりも嫁の笑顔が見れる日々はとても幸せだった。
やっぱり子供は出来にくいみたいで、子供は出来なかったけど、
俺の両親もそれ程うるさくない人で衝突もなく、
俺は幸せで満足だった。
ここで、これを読んでくれている人たちに
残念がお知らせをしなくてはならない。
結局、俺は嫁を幸せには出来なかった。
ある日残業を終えて家に帰るとエプロン姿のまま倒れている嫁がいた。
駆け寄って声を掛けたが意識がない。頭の中を嫌な予感が駆け巡った。
お義母さんの死因はクモ膜下出血だったから。
すぐに救急車を呼んで嫁は搬送された。
医者の話ではやはりクモ膜下出血。
ようは脳のクモ膜の血管の弱いところが破裂するわけだけど、
この血管の弱さというのは遺伝するものらしい。
発見が遅かったのでこのまま意識が戻らない可能性も高く、
意識が戻っても重い後遺症は覚悟しなくてはならないと言われた。
もしあの日、俺が残業せずに帰っていれば……。
あるいは遺伝の可能性に気づいて前もって検査しておけば……。
悔やんでも悔やみきれなかった。
今、それから1ヶ月が経ったが嫁の意識は戻らないままだ。
どうにも辛くて、昔を思い出してこれを書いてる。
感情が溢れてしまって、かなり端折ってしまったけども。
今は嫁が回復するのを祈るばかり。
こんな終わりで申し訳ない。ちょっとつらくて誰かに話したくて。
実は励ましてもらえるの分かっててここに書いた。
本当に俺は器の小さい奴だわ。でもそれくらい参ってる。
なんか意識がなくても毎日の声掛けとか手を握ったりとか、
意識を取り戻したときのためにマッサージを続けるのが大事なんだって。
諦めずに希望を持って頑張るよ。