20年前に母と5歳の私と2歳の弟置いて消えた父が家の前に「俺はもうガンで死ぬんだ~」

もう数年前の話だけど、
母と弟と3人で「今晩は外食にしよう」って盛り上がって、
近所のレストランに予約の電話入れて、
戸締りして車の準備してさあ出かけようって時、
家の前に小汚いおじさんがいたのね
誰と思ったら、母が「もしかして○○さん?」と名前呼んで、よく見たら、
それは20年前に母と5歳の私と2歳の弟置いて、
職場のお金に手を付けて女性と海外に消えた父だった

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で、「お前たち、悪かった」
「許してくれるか」とか
「俺はもうガンで死ぬんだ~」
「お前はもしかして~~(名前)か?」
とかとか言ってて、
えーそうなんだと驚いたけど、
とにかく予約に遅れたらレストランに悪いから、
父のことは取りあえず置いといて車で出発した

レストランで「あの人どうするか」という話し合いになったけど、
弟は「父親なんて顔も全く覚えてなかったしどうでもいい」と言ってて、
母も「もう恨んでもないしとっくに
もう死んでると思ってたからどうでもいい」と言ってて、
私も「まあがんで死ぬって言ってたから、介護とか来るのは
みんな忙しいし迷惑だね」と言う結論になり、
とにかく相手すると損だから会わないようにしよう、
こじれたら警察に相談しよう、となり、

丁度その時期、私の結婚が決まって
婚約者と新居を探してたし、
弟も就職を期に一人暮らしを検討してると言い出して、

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「じゃあもうあの古い家は売って、
私は職場の傍に中古のマンションでも買う」

と母はその場で決断し、
レストランで家族の解散の乾杯をし、
今まで3人楽しかったねという思い出話で酔って
盛り上がり(運転係の私除く)、元気に帰宅した家は
すぐに不動産屋に任せ、更地になった後間もなく売れた

この春、父の遠い親戚から父の他界の連絡が来て、
母が始末のお礼にと香典1万送ったと聞いた
がんで死ぬとわざわざ捨てた家族に哀れそうに言いに来た割には、
数年は生きたのかすごい図々しいなあと驚いた

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