俺の親父が熱だして今日当番医に行ってきたけど
待ってる間に嫁と付き合うきっかけが嫁を看病した事だと思い出した
出会った時は俺25の嫁16
俺が安いアパートを見つけてに引っ越してきた時にお隣さんにいた母子家庭の一人娘だった
ロフト付1Kのアパートで家賃も安いけど
いくら二人暮らしとはいえ広いとは言えないような部屋
引っ越しの挨拶をして3ヵ月は挨拶位で何も無かった
嫁の母とは少し会話する位で嫁の名前もうろ覚えな程度
ちょうど今頃の時期だったと思うんだけど
休みよ日に昼寝してたら呼び鈴が鳴るので出てみると嫁母がいて
仕事があるんだけど嫁が熱だしているから見て欲しい
近くに頼れる人もいないからお願いしたいと必死なので
俺は嫁家族の部屋に行って様子をみる事にした
嫁は当番医で貰ってきた薬を飲んで寝ているので
とりあえず食べられそうな物を作っていたら
嫁が目を覚まして声をかけてきた
嫁は母親だと思っていたようだがすぐに俺だと気付いて
パジャマ姿の嫁は恥ずかしさからか布団に潜り込んだ
顔だけ出しながらなぜ俺がいるのか聞かれたので
嫁の母親から頼まれたと言うと
母親は人を信用し過ぎるとボヤいた
料理のいい匂いで目が覚めたようで
少し何か食べたいという嫁に俺はおかゆを出した
実家から送られてきたフグがあったので
それを出汁にして作ったおかゆを嫁は美味しいと言って食べた
俺も食べるはずだったのだが嫁が全て食べてしまった
熱を計ってみると38℃を少し切る位まで下がり
嫁の母親が帰って来るまで嫁とお話をした
父親は2歳で死別してるから父親の記憶が無いようで
母親が女手一つで育ててくれた事
今母親とうまく行ってない事など色々話てくれた
俺は聞くことしか出来なかったけど
何かあったら隣にいるから俺を頼りなよと言ってあげた
嫁は安心したのか腹が満たされたのか
また欠伸をしてウトウトし始めたので
俺は嫁の頭を撫でながら嫁を寝かしつけた
片付けをしていたら嫁の母親が帰ってきたので
俺は熱が下がってきてる事と食事をしてまた薬を飲んだことを伝えて戻った
一週間位して嫁の母親と玄関で会った時に
嫁が俺の事ばかりを話すんだと教えてくれた
料理が旨いとか頼ってもいいよとか
頭を撫でてくれて凄く安心したとか
同じ事を何回も話すと聞いてかわいいなと思った
嫁の母親からは迷惑じゃなければ娘と友達でいてやって欲しいといわれ
俺は快くいいですよと伝えた
そこから嫁母が夜勤や帰りが遅くなる時は
嫁は俺の部屋に来て夕飯を食べるようになった
地元から俺は両親から旬になるとサバやらフグやら
魚が食いきれない程の量が送られてくる
東京で買えば結構な値段するものでも
山口で買うと捨て値に近い値段だから量も多く買える
その魚類を毎回処理するのが大変だったのだが
嫁が来てからは余る事もそんなに無くなった
嫁は俺の料理を美味しいと喜んで食べてくれて
たまに俺の分まで食べてしまう事もあった
その間に学校で何があったとか友達とどこに行ってきたとか
俺はまるで父親のように話を聞いていた
ある日嫁がクラスの男子に告白されたと聞いて胸が少し痛んだ
好きにはならないと俺は決めていたのに
気づけば嫁と話す事が俺にとっても癒やしであり
そして嫁を好きになる大きな要因だった
嫁はその表情を見逃さずに少し笑顔でその男子には断ったと言った
嫁はその笑顔のまま俺の事が好きだからと言ってくれて
俺は安心したのと同時に嫁を抱き寄せた
少し驚いた嫁もすぐに俺に身を預けてくれてキスをして
その日はそれまでで嫁は部屋に戻った
次の日からはもう嫁母も俺さんなら安心とか言って公認の付き合いが始まった
嫁の勉強も見て遊んで食べての付き合いで
嫁が高校卒業まではしたい事はガマンした
行く大学にも合格して嫁は毎日遊んで俺の料理を食べて
嫁の卒業式の日には嫁と嫁母から何故か俺も来いと誘われて
適当な理由で有給を使って嫁の卒業式に出席
その後に嫁と嫁母を料理でもてなした
その食事の時に嫁母からこれからは俺の部屋で嫁を住まわせて欲しいと頼まれた
俺と付き合ってる事もそうだし
今まで俺の部屋で半分同棲していたようなものだったから
嫁も俺と結婚する気があるようだから
大学卒業まで生活費は払うから嫁を宜しくお願い出来ないかと聞かれた
俺は特に問題も無かったので快諾
嫁の大学生活は俺と同棲で過ごす事になった
飲みに行って遅くなる時は必ず連絡しろとか
迎えが必要なら必ず言えと約束させて
約束を破れば嫁に怒ったりと父親に近いスタンスだった
ウザがられると思ったが嫁も素直に聞いてくれて
今日は遅くなるとか迎え来てとちゃんと連絡してくれた
嫁が大学4年の秋に就職も卒業も決まった時に婚約して結納を済ませた
その結納の時に嫁母に伝えないといけない事があると言って
俺は通帳と印鑑とキャッシュカードを嫁母に渡した
その通帳には嫁母から嫁の生活費として渡してくれていたお金が全て入れてあって
実は嫁の生活費は俺の給料から出してましたと言った
嫁母は少し不機嫌そうにどうしてと聞いてきて
俺は嫁を始め人をちゃんと養えるかと
その時俺の給料で本当にやっていけるかを試したかったと
俺は頭を下げて謝りながら理由を述べた
苦しいながらも不便無く生活出来ていた事が分かると
嫁母は呆れながらもこのお金は嫁と俺のものだから
使うべき時に使いなさいと言って一式返してくれた
俺は素直に受け取って自分たちの子供の為に使おうと決めた
卒業式の翌週に結婚式を挙げて嫁の入社式前に旅行
嫁の入社式からは嫁のお金を全て貯蓄して今まで通り俺のお金で生活
あらかた貯まったので嫁母と同居するために
少し都市郊外の安い土地を買って家を建てた
俺達の意見と嫁母の意見を合わせた二世帯住宅で
嫁母は最初遠慮していたが今までと何ら変わらないと伝えると
嫁母は納得して家に入ってくれた
今は嫁が子供を身ごもっていて年末には生まれる予定
今は俺34で嫁25
初孫が楽しみで待ちきれない嫁母ともども幸せに暮らしています
ここ2週間位仕事で実家に少し戻っていて
たまたま親父が熱出したのを見てこれを思い出したので書いたけど
もう嫁と10年近くいるんだなーと再確認しました
今週末には嫁の元へ戻る予定です