実家の母が、銀行の勧めのまま、1千万円を投資信託につぎ込んでた。
もうすぐ80の母は、田舎で一人暮らし。
子どもは私だけ。海渡る距離なので、帰省もなかなかできずにいる。
ある日母から電話。
母「新しい保険に入ったら、毎月2万円ずつ利子が振り込まるようになった」
私「毎月2万?その保険にいくら払ったの」
母「いくら払ったかもわからない。銀行さんが、定期が満期になったからって勧められた」
私「どこの保険会社?」
母「えーとね、通帳にはね、ウに点々と、オ・・・ル・・・デ、モ、伸ばす棒、ト」(仮名です)
私「ヴォルデモート(仮)?聞いたことないなあ、調べてみる」
パソコンで検索してみたら保険じゃなくて「投資信託」。
そんな素人の私でも、月2万の利子ってありえないでしょ!と思い、
自分にもまったく知識がないので、検索したりネットで相談したりしました。
結論は、もっていた商品(結局、株・債券・投資信託あわせて6本、
合計1千万円。)はすべて売却し、
銀行では上司さんにも立ち会ってもらって
「母さまには今後金融商品の提案はしない」と約束してもらった。
すべて売却することで、商品自体の損益はマイナス10万円。
でも、手数料としてすでに銀行には50万円近く渡っている計算で。
トータル60万円の勉強料だったと諦めました。
最初は、高齢者詐欺か!?と戦う気満々だったんだけど、いろいろ調べたり、
相談機関(フィンマックという専門機関がある)に相談したり、
母の話をじっくり聞いたり、残っている書類を確かめたりしたところ、
銀行にはなんの落ち度もないわけ。
「高齢者に金融商品を勧めるガイドライン」もクリアしているし、説明や訪問も丁寧にしている。
ただ一つ、母が「理解していないのに、ハンコを押した」ということがすべての原因。
認知症の判定でもあれば別だけど、そういうわけではないのでね。
と、なんでこんな長々書いたかというと。
奥様達も、ご両親のお金について、しっかり管理なさいませよ!
騙されるのは「オレオレ詐欺」だけじゃありません。
今回の資産運用も、知識のある人がするのなら、決して悪いものではないと思う。
ゼロ金利のこの時代、国を挙げて「貯蓄から投資へ」だからね。
知識がない高齢者が、頭の良い銀行員に言葉巧みに
(ガイドラインにひっかからないよう配慮され)誘われれば、その気になっちゃいます。
なぜか、「取引してる銀行さんが、悪いもの勧めるはずがない」って思いこんでるしね。
口で「騙されてない?」って確認するだけじゃだめで、ちゃんと通帳を見ながら、
「これは何のお金?」と確認したり、
定期預金の流れ調べたりしてね。
母は、いくつか満期前の定期預金を掛け替えられていたよ。
ほとんどは金利が変わらないものだったから、
「担当者のノルマ達成のため?」なんて疑ってる。
自分が思っているより、親って老いているんだなあと実感した出来事でした。