姪っ子がホームレスにお茶をあげたいと言い出した

十数年前姉が病死、姪っ子は私達の母親の養子になった。
そんな姪っ子は当時幼稚園児。
両親は自営業だった為、事実上私が母親代わりになり、
仕事を辞め姪っ子のケアに専念。

そんなある日、
姪っ子の誕生日プレゼントを買いに出掛けた。
しかしふと足を止め、お茶が欲しいと言い出した。
夏でとても暑い日だったので、喉乾いたのかな?と思い、
自販機でお茶を買い姪っ子に渡すと走り出してしまった。

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慌てて追いかけると、姪っ子はある人の前に行き、
『どうぞ』とお茶を差し出してた。
最近この辺に居るようになった、
40代と思われるホームレス。
元々ホームレス自体少ない地域だったので、
姪っ子は気になってたようで
いつも座ってるホームレスが喉乾いてると思ったらしい。

ホームレスは戸惑い
『貰っていいのかい?』と私の方に問い掛けてきた。
姪っ子はホームレスにあげたいからお茶を欲しがったので、
『良ければ貰ってください』と答えると
ホームレスは泣いてしまった。

『こんなゴミに優しくしてくれるなんて…』
泣きながらお茶を受け取ってくれた。

しかし姪っ子は
『おじちゃんはゴミなんかじゃないよ?』
と不思議そうだった。

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ホームレスは泣きながら何度もお礼を言って居なくなり、
次の日からホームレスの姿は消えた。

そして数ヶ月が経ったクリスマス間近のある日、
姪っ子と幼稚園の帰り道、ある男性に声をかけられた。

男性はあのホームレスで、あの日姪っ子に優しくされ、
家族を思い出し一念発起し、
再就職して家族にも土下座し復縁したらしい。

何でもリストラで家族を養えず、
再就職も上手く行かず、
自暴自棄になり家を飛び出し
ホームレスになったらしい。

今では家族同士交流する仲になりました。

姪っ子が結婚する事になり思い出した、
私の中での武勇伝でした。

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