大学でサークル勧誘されていた隣に見覚えある女の子がいた「あれ?・・会ったことあるよね?」 「え・・・いや・・」

ひとり地元を離れて地方の私大に入り、入学式後サークル勧誘に捕まった時
隣で女の子2人組が俺と同じく勧誘に捕まった

一人はかわいい子だった
もう一人は普通だが・・・あれ!?

なんかすごく見覚えのある子だった
同中か幼馴染かと思うくらい、慣れ親しみのある印象
1人きりで知らない土地に来ていた俺は
「知ってる子がいた」ってうれしくなった
でも誰だったかがどうも出てこない。ど忘れした

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「あれ?・・会ったことあるよね?」
「え・・・いや・・」
なんか引いてらっしゃる
でもそんなことないハズだった

「○○県に住んでたことなかった? 俺○○県から来てんだけど」
「いいえww」

「うそだw絶対・・・」って言いかけて止めた。
なんか完全に変な人見る目だった
俺も結局誰だったかどうしても思い出せずに会話終了
基本コミュ障なんで言葉のキャッチボール続かない

しかし勧誘の人が、今から花見に行くから勧誘の話抜きで一緒にどう?
ってことで、俺はサークル興味があったから行くって言った
嫁と嫁友も断りきれずにご一緒することになった

腑に落ちないまま移動し、花見会場についた頃には
「完全に勘違いだったか」って自分の中で区切り付けて
とりわけ嫁と話をする訳でもなく、嫁友の方を気にしていた
酒に酔ってる訳でもないのに桜の木に登ったりして場を盛り上げたり
まぁコミュ障で且つ痛い奴だった。そんな俺を見て嫁はやっぱり引いてた

翌日、語学のクラスに嫁がいた。
俺「あれ、同じ専攻だったんか」
嫁「だねw」(おめー昨日それ話したぞ)
会話終了

その日の晩は、語学のクラス全員での新歓コンパだった
大人数でワイワイ騒ぐ雰囲気が苦手な俺は終始沈黙していた
二次会のカラオケでも歌うでも盛り上げるでもなく黙ってたが
「1人1曲」ルールだったので仕方なく歌ってみた

なんか受けが良かった
「あんためっちゃ上手いじゃんww」
「スゲーな、甘い声だねぇ」
意外な反応で正直恥かしかったが、
気を良くして俺もちょっと盛り上がった

座席の入替が激しく、いつの間にか俺の隣に嫁が座ってた。
後でわかった事だが、盛り上がってた俺はしばらくの間自分の手を
嫁の膝の上に置いていたらしい。無意識に
嫁もびっくりしたらしいが、気まずくてどうしようもできなかったとの事
騒がれなくてホントに良かった。助かったww

ちなみに嫁はジュディマリ歌ってた。歌わせるとアニメ声になることを知った

大教室での講義って、みんななるべく後ろの席に友達同士で固まるのな
前列に座るのはホントに数人だけ。たいていはオタかオッサンかガリ勉か
まぁ俺と同じ見た目も中身も「ザ☆コミュ障」しかいない
(話してみるとみんながみんなそんなんじゃないんだけどね)

ジャズ研に入った俺はいつも楽器(ベース)を担いで行動してたからか
前列コミュ障集団の中では微妙な雰囲気を放っていた(らしい)
「なんでバンドマンが真面目に講義受けてんの?」(楽器持ちは全てバンドマン←断じて違う)
「しかも超態度でかい」(ボッチで前列席だから広々使ってた)
「最前列で堂々と居眠りしてるこわい」(教授と仲悪かった)

どうやら嫁にとって俺は分類不可能な人種だったらしく、
講義中に観察してたみたい
9月くらいから、嫁によく話し掛けられるようになった

話するのはホントに久しぶりだったけど、
コミュ障の俺が何とかギリ会話できたのは
やはり初めて会ったに感じた既視感に近い感覚だった。
安心感というか「この人は話しても大丈夫な人」っていう認定があった

冬になって、実家通いから一人暮らしにレベルアップした嫁が次の手に出た
サークルも別。趣味も合わない(てか嫁は趣味無し)。
どこまでも単独行動の俺に
嫁が持ちかけたのが「一緒にゲームしよ」だった

しかし俺は生まれてこの方「家庭用ゲーム機」と無縁の子供だった
高校にしてようやくゲーセンを覚えた程度。
これは当時でもかなり珍しい人種だと思う
嫁にも「男の子ならゲーム機くらいは持ってるだろう」と考えていた様で、
自分がゲーム機を持ってないにもかかわらずの提案だった

嫁は元ゲーマー。高校入学までには引退していたが
小学生の頃は、周りがジャニーズやらアクセサリやらにお小遣いを注ぎ込む中
ひたすら初代ファミコンに没頭していたらしい(←なんかかっけぇww)
高橋名人の冒険島を極めた嫁はアクション系がめっちゃ上手い

俺も提案には興味があったし「んじゃ俺プレステ買っちゃうよ」(PS2出るより前だったハズ)
ところが嫁にはスーファミを勧められた(ボタン多いの無理だとさ)
俺もゲーム機詳しくないので、言われるがままにスーファミを購入
嫁宅に持ち込んで一緒にゲームする仲になった
初めてやったのはセーラームーンの対戦格ゲー(嫁のチョイス)だった

そして俺の攻撃はゲームが終わっても留まることを知らず
勢いでチューさせてもらった。まだ告白してなかった
ヤバイ・・・

嫁は何も言わなかった。イイともイヤだとも
俺も何も言えず、二人ともその日は寝落ちてしまった
翌朝気まずくなるかとも思ったが、嫁はいつも通りだった
つまりOKなのか?

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どうやらOKだった

困った。人生初のカノジョなのに
順に踏むべき段階を一気にスッ飛ばしてしまった感があった
もともと他人に執着の無い俺は、
そもそも他人との距離感が全くわからない
対人機能が中学生で止まってる俺には荷が重すぎた
確かに嫁のことは好きだ。
でもここから何をどうすればよいのか分らなかった

一方、毎日あったジャズ研の練習は欠かしたことが無かった。
音楽は今でも大好きだやりたいことをやってる満足感があった。
どうしてもそれと比べてしまう

日中学内では嫁とほぼ一緒に行動してた。
というか、嫁のグループに俺が加わってた
人前でベタベタするのは不謹慎だという感覚の嫁はあまり話しかけてこない
ホント隣にいるだけ(俺が)。
たまに人目を盗んで俺のノートに妙な絵を落書きをする程度
移動中もくっ付いたりしない。
いつでも誰でも二人の間に割って入れる状態だった

講義が終わったらお互いサークルへ向かうから別行動
俺にとってはここからが本当に自分の時間だった
練習が終わってからも夜中までサークル仲間と
ダベったり遊んだりが基本だった
一人しか残らない日でもずーっと楽器やってた
昔からボッチを寂しいと感じないのよ

それでも週に1回2回は、夜に嫁の部屋に遊びに行ったりもした
当然やましい事なんか発生しない。俺にそんな気が無かったのよ
そんなペースの逢瀬で体を求めるなんて割り切りじゃあるまいし
なんかそんな所は律儀だった。嫁を神聖視していたのかも知れん
順番間違って付き合い始めた自分への言い逃れなのかも知れん

そんな関係のまま1年くらい経過した頃、
嫁の仲間内でちよっとした噂がたった
「実は俺君って ホ モ なんじゃない?」
冗談交じりではあったが、嫁と嫁友との会話で
俺とまだしてない事が明かされた訳だ

傍目には「あんた達いっつも一緒だよね」ってくらい一緒にいたし
それでいて他人をシャットアウトしない雰囲気の嫁(俺はただの空気)だから
嫁友たちは
「ぇー。そんなんで不安になったりしないの?」
「いいじゃん。大切にされてるんだよ。うらやましいwww」
「まあねw 俺君に限って浮気はあり得ないよねww」
と、まぁ好き勝手言われたらしい

その夜、
嫁「・・・なんて話になったんだが、実際どうよ?」
俺「いや、全くの誤解だぞww」
嫁「できない人とかじゃ・・・ないよね?」
俺「お、おう・・・」
嫁「もう・・・いいんじゃない?」
俺「・・・///」

でもやっぱり俺はヘタレだった

数日後、嫁と別行動中に嫁友と遭遇し、昼休みだったので学食行った

友「なんか嫁さんと喧嘩でもした?」
俺「いんや? なんでまた」
友「最近ちょっと悲しそうな顔するから」
俺「え? そうなの・・・?」
友「もーやっぱ気付いてない。不安にさせるようなことしちゃダメだよ?」
俺「・・・俺そんなことしてないぞ?」
友「んー・・。俺君の場合さ、逆に何もしないからじゃない?」
俺「・・・」
友「嫁さん、あんまり自己主張しないから、俺君が気を付けないとダメよ」
俺「苦手分野だw」
友「コラw そんなこと言うなw それはちょっとヒドいよ?」
俺「はいスミマセン」

「なんとかせねば・・・」という思いと「正直ウザいな」という思いが交錯した
他人と必要以上に関わってもロクなことは無い。俺の実感だった

過去にトラウマ級の激しい裏切りを経験した訳じゃない
小学時代の前半イジメ貫かれて、
4年から反撃に出て自力で仲を持ち直したのに
卒業前にまた言掛りを付けられ、その時にひとりも味方を得られなかった
それで他人とは必要以上に関わらなくなってたのだろう
無意識に。今だからそんな風に「一応の自己分析」として書けるけど
本当のところは俺にも分らん
とにかく自分の気持ちを言葉にするとか、
相手の気持ちを引き受けるとか
そういう内面的な部分を取り扱うのがひどく苦手だった

その日、嫁に素直に言った
・俺が何か至らなかったのなら謝る
・俺は鈍感だから気に入らんことがあったら素直に言ってくれた方が嬉しい
・俺は音楽やってる時が一番楽しいだけで、
別にやましい事がある訳じゃない

多分これが最初に嫁を泣かせたエピソードになった
嫁はやはり俺の音楽への打ち込み様が気に入らなかったらしい
音楽やるなとは言わん。しかし度が過ぎるんじゃないかと
付き合ってる実感が持てない。不安だ。惨めだ。私はあんたの何なんだ?

これは衝撃だった。一種のカルチャーショックだった
俺は音楽に「感けてた」のか。そのせいで寂しい思いをする人がいたのか
感情の問題なんてものは、みんなそれぞれ自己完結するもんじゃなかったんだ
俺は嫁と一緒にいられればそれだけでよかったが、
嫁はそもそも俺と一緒にいる実感が得られなかった訳だな

「精神的な部分を他人に頼る」なんて俺には理解できなかった
しかし「精神的な部分で俺は必要とされてるんだな」というのが理解できた
その瞬間どうしようもなく嫁が愛おしく思えた。←どうやら正解だった様だ

余談だが、当時80年代のCDを買い漁っていた俺が後日
PSY・Sの「セパレイト・ブルー」を聴いて「コレのことかwww!!」て叫んだのは内緒

その日以降、俺は「二人だけの時間」というのを少しは増やそうと心掛けた
と同時に、嫁は俺の要求通り我慢する事を止めた。それはもうキッパリと。

程なくして俺は嫁とお互いの初めてを捧げ合った

後日、例の嫁友に言われた
「俺君てさ、嫁さんと話す時だけ、
すっごい優しい目になるよね。もうこっちがドキッとするくらい」
そんな自覚全くなかったし、むしろ自分では「相変わらずだよな」
と思ってたので、ちよっと嬉しかった

その後、社会人として失敗した俺に愛想尽かすでもなく7年目に結婚
嫁父のツテによる再就職先で俺は「天職」に出会い、
失敗を繰り返しつつも中間管理職に落ち着いている
嫁はというと妊娠4回、出産3回、現在2児の母という
比較的悲しい経歴を感じさせる事もなく
子供とマリオカートで競い合う日々を送っている

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